次につながるような役目はいつかやらなくちゃいけないだろうなとは思っていた
──注目される試合で(弥益に)メリットはそんなにない試合でどうやって自分を奮い立たせた?
「ひとつは、単純に、自分は平本選手のことをすごく評価しているというか。負けておいてこんな偉そうなことを言うのはアレなんですけれど、すごく強い選手だと思っていましたし、チームとしてしっかり対策を練ってくるだろうと感じていましたし、彼が真摯に格闘技に向き合い続けるのなら、これから確実に上に行くような選手だと自分は思っていましたので、その選手に触れられるのはひとつ自分にとってのメリットかなと思っていました。
あと、自分がとんとんとんとベルトを巻いてしまったというか、しっかり苦労をせずにベルトを巻いてしまったところがあるんですよ。結局とんとんとんといけたということは、ずっと自分より格上の選手をあててもらったからだと思っていますし、格闘技の世界のいいところだけつまみ食いしてきた人間だと思っているので。今回そうなるつもりはまったくなかったのですが、いつか自分が次の世代…という言い方をするのも悔しいですけれど、次につながるような役目はいつかやらなくちゃいけないだろうなとは思っていました。今回、その役割を果たすつもりはさらさらなかったですけど、そういうところも頭の片隅にはありましたね」
──前足をあそこまで置く構えで1ラウンド最初にカウンターで蹴ってこかしましたが、あの構えにテイクダウンを腰で受け止められた。あの構え自体がテイクダウンディフェンスに強かったのか?
「向こうの制空圏というか、思ったより近い距離の打撃が見えなくて、あそこにしがみつきに行きたかったのですけど、そのちょっと前の段階で自分がクオリティ低いのもあるんですけどもらってしまったので、容易には入れなかったですね」
──脳のダメージのことを言われてましたが、後半は足に力が入っていなかったように見えたが?
「そうでした? もう覚えていないです」
──組みきれなくて足関節になることも想定していたと思うが、あそこでいい形にセットできなかったのも、引き込み方がいい形ではなかったから?
「そうですね、しっかり形には入れたかもしれないのですけど、取り切れる実力も技術もちょっと足りていなかったのかと思いますので、また今成さんに教えてもらおうかなと思っています」
──試合後、ゴングが鳴った直後に平本選手が言葉をかけていたが、どんな会話が?
「自分、直前に思いっきり効かされているので、ちょっと覚えていないです。すみません。何か感動的な言葉をかけられたことにしておいてください(笑)。ごめんなさい、覚えていません」