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朝倉未来(トライフォース赤坂)が自身のツィッターで15日、格闘技引退を示唆した。
2022年10月14日の深夜に朝倉は、「ふと、夜中に人生を振り返ってたんだけど、格闘技に人生を変えてもらった ありがとう もう少しでお別れでさみしくなる」とツィート。その言葉に2万人以上が反応している。
ふと、夜中に人生を振り返ってたんだけど、格闘技に人生を変えてもらった
— 朝倉未来 Mikuru Asakura (@MikuruAsakura) October 14, 2022
ありがとう
もう少しでお別れでさみしくなる
そのツイート後には自身が花道を歩く写真も投稿。格闘家・朝倉未来が最終章に向かっていることを示唆した。
当初、30歳での引退を公言していた朝倉は、2021年6月の「RIZIN.28」東京ドーム大会でクレベル・コイケに三角絞めで失神一本負けを喫した直後の会見で、一度「引退」を口にしている。
「格闘技を始めて結構な月日が経って。10年くらい経ったんですかね。『THE OUTSIDER』から始めてこんな大舞台にまで立てたんですけれど、どうなんですかね……ここで負けた時に格闘技を今後やっていく意味があるのかどうかが自分の中にあるので。自分の幻想が打ち砕かれたというか。自分にとっての自分がここまでだったんだなと自分自身に落胆しています。トップを目指せないならやる意味がないのかなと思いますし。まだ日本の格闘技を盛り上げる役目があるとしたらまだ続けるかもしれないですけれど、それは周りの声も聞いて判断しようかなというところですね」
しかし、その後、練習環境を改善し、ラントレなど様々なトレーニングにも取り組むことで「明らかに自分が変わってきている」と手応えを得て、「2人にリベンジしたい」と、2018年のRIZIN参戦から7連勝後に敗れた斎藤裕とクレベルへのリベンジを掲げていた。
2021年10月には、萩原京平を組み技でドミネート。2021年の大晦日には、斎藤との再戦で判定勝ちでリベンジを果たすと、2022年9月にフロイド・メイウェザー・ジュニアとのボクシングのエキシビションマッチで2R TKOで敗れている。
本誌の取材で、斎藤戦前に「なぜリベンジしたいのか」と問われた朝倉は、「負けたままじゃ終わりたくないですよね。もう1回やったら勝てる自信があるから。格闘技に(引退の)リミットを設けたのは、格闘技が好きでやめられなくなりそうなんで。まあ負けず嫌いなんでね、やり返したい気持ちはありますよ、昔から」と、敗れた相手に勝利しないと「終われない」と答えている。
しかし、2022年3月には、2週間、不整脈が収まらなかったことも明かし、「完全に格闘家引退かと思った」と身体の不安も吐露している。
「『RIZIN』フェザー級の中で一番強い選手になりたい。そうなった先に、また新しい景色が見えてくるんじゃないか」と語っていた2021年12月から大晦日で1年。メイウェザーとの戦いで、新たな武器も手に入れた。それを年末に向けて、MMAのなかでどう融合させるか。メイウェザー戦の翌日には「ボクシングも総合格闘技もどちらも素晴らしい競技です。いつかキックボクシングもやってみたい。まずは強くなった姿で総合格闘技に復帰します」とMMA復帰やほか格闘技への意欲を記していたが……。
2022年10月23日(日)の『RIZIN.39』マリンメッセ福岡大会では、フェザー級王者・牛久絢太郎(K-Clann)と挑戦者クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)によるRIZINフェザー級タイトルマッチが行われる。
その調印式後の取材で、榊原信行CEOは、「10月23日にタイトルマッチをして、その結果において、大晦日でその(牛久vs.クレベルの)勝者なりが試合できるスパンだと思う。2カ月強ある。タイミングが合って、世の中の気運も含めて、未来とその勝者が対戦するのが、求められるのであれば、未来側にも伝えたいと思いますし、いま年末に向けて、Bellatorとの対抗戦も考えつつ、スコット・コーカーとの最終協議に入っています。その方向性にもよるかなと思います。いずれにしてもタイトルマッチの勝者と朝倉未来がどうからむかは、皆さん興味を持っていただけることかなと思っているので、未来側にも『そういう(王者に挑戦)ことになって行くんだよ』ということは、ある程度、こちらの意向も含めて伝えてはいます」と、Bellatorとの対抗戦出場の可能性とともに、朝倉未来が次期挑戦者になる可能性が高いことを語っている。
30歳の大晦日に、朝倉未来は「人生を変えてもらった」格闘技から「お別れ」するのか。