斎藤裕をダウンさせた「空手の蹴り」、テイクダウンの攻防は「楽しみ」
──いまの受け答えも含め、ご自身のペースで戦う、その「マイペース」というのはどういう意味なのでしょうか?
「うーん」
──「頑固」と言う意味でしょうか?
「ああ、でも代表からは頑固と言われますね。詳しいことは代表に(笑)」
──試合中でも、周囲の雰囲気や言葉に流されずに、自分のやりたいことを貫ける?
「そうですね、すごくいい意味で」
──タイトルマッチに関わらず。
「はい。そうですね(笑)。あまり答えになっていないかもしれませんが」
──いえいえ。ところで牛久選手は、近年はグラップラーというより、ストライカーと言っていいほどの打撃の進化を見せています。斎藤裕戦では、右利きサウスポーの構えで、右ハイをブロッキングして相手の右スーパーマンパンチ、左フックの返しをかわして、上体を傾けて左ハイをスナップを効かせて当てました。まるで空手の蹴りのようでしたが、あの蹴りは?
「パワーオブドリームさんで。あとはずっと練習でも出していたので試合でも出たのかなと。自然に出ました」
──ああいった腰を返さない蹴りは、キックボクシングっぽくないというか……。
「そうですね、ちょっと空手に近いと言うか。パワーオブドリームに空手出身の選手、中島千博(第10代Krushスーパー・フェザー級王者、極真会館2017年第34回全日本ウエイト制 軽重量級 優勝、極真会館2017年オールアメリカン大会無差別級 3位、極真会館2018年USウエイト制 軽重量級 優勝)さんがいらっしゃるので、そのクラスに出たりして教わっています」
──ああ、なるほど。対クレベル戦で、寝技に付き合うか、付き合わないかもポイントになると思います。上になった場合、パウンドするか、それとも離れるか。クレベル選手は、牛久選手をテイクダウンできると思いますか。
「まあ、肌を合わせて。そこも楽しみですね」
──テイクダウンされない自信もある。
「そうですね。僕は本当に『総合力』で戦うので、総合で試合をします」
──もし、引き込まれたら付き合わないですか。
「まあそこもしっかりと対策練って(笑)。想定済みです」
──もともと組み技が持ち味です。寝技も磨いていて付き合ってもいいという考えは?
「はい、まあそういう意見もあると思うのですけど、本当に僕の試合を、僕らしさを全開にします」
──「僕らしさ」とは?
「僕らしさ……うーん(笑)。僕らしさは『真面目!』、すみません、まさかの質問に」
──いえいえ、「真面目」というのは、試合でも楽をせずに汗かき仕事をするところとか。
「はい、楽をしようとは一切思っていないので。しっかり代表と練った作戦を、最後までしっかり遂行するっていう。そういう意味での真面目さ、とかそういう意味です」