(C)RIZIN FF
2022年9月25日(日)夜の第2部で『超RIZIN』に続き、『RIZIN.38』がさいたまスーパーアリーナで開催された。
2部大会のトリを飾るメインイベントは、バンタム級で堀口恭司(アメリカントップチーム)が、金太郎(パンクラス大阪稲垣組)と対戦。堀口が1年9カ月ぶりの日本帰還試合で、2Rに肩固めで一本勝ちを収めた。
試合直後には内容を「まったく覚えていない」と語っていた金太郎が30日、自身のYouTubeで試合動画を見返し、堀口戦でダウンを奪った左ストレートの感触、その後の堀口のタックルで軸足を傷めたこと、フィニッシュの肩固めで堀口が「He is out!!(落ちている)」と言った通り、「2度落ちていた」ことなどを告白した。
堀口戦のオファーを最初は「断った」。ダウンよりも驚いたリカバリー
「まったく覚えてなくて、今回初めて試合に集中しすぎて、ホンマにもう客がおることも全く見えないぐらい、堀口選手しか見えなかったというか、それぐらい集中してて、終わってからゲロ吐きましたからね、解放されて」と苦笑ながら、堀口とのメインイベントを振り返った金太郎。試合後、2日経ってからPPVを見直して、試合のディテールを思い出した。
今回の堀口戦のオファーに、最初は「断った」という。
「最初は、ホンマかよみたいな。2連敗してたから、いきなりRIZINのバンタム級チャンピオンと試合が決まるって事は、まあなかなか難しい話やから“嘘やろう”と思って」
堀口がフライ級に戻す可能性があり、最初は「60kg」での対戦のオファーだった。
「さすがに60kgは試合で落としたことが無くて不安やし、もし体重が落とせなかったらおおごとだから、せっかくのオファーでやりたいけど、60kgはどうなるか分からないっていうことで1回、断ったんですよ。でも、まさかのもう1回(連絡が)来て、、やっぱり61kgで、と。61kgやったらそれだけ良い選手が相手で断る理由がどこにもないし、やらせてもらえんのやったら挑戦したいなっていうので受けさせてもらいました」
試合前には“仮想・堀口恭司”として中村優作と対策練習を行い、セコンドには「唯一、言うことを聞ける先輩」である北方大地と佐藤(栄二)トレーナーがついた。
フェイスオフではあえて「威嚇する感じで」喧嘩モードでにじり寄ったが、堀口はそこにも「いきなりガシッてなったんで“あっ、結構両方できる人なんや”って。試合でリング中央に来た時にも、“そっちの土俵で戦ってやる”みたいな感じが伝わってきて」と、喧嘩試合も受けて立つ構えであることを金太郎は感じたという。
「ファーストコンタクトの跳びヒザも、ちょっと緊張して足上がらんかったんですけど(苦笑)、ホンマやったら跳びヒザでびっくりさせるというのと、ワンチャンそれで、もし当たれば、面食らわせられればそこで倒そうとか、ギャンブルに賭けてた、博打にし行った感じですね。それも作戦の一つやったから、もう最初からやるって決めててそればっかり練習してた。
堀口選手はあとでインタビュー見たら、『普通に組んで普通にテイクダウンする』みたいなプランやったのが、1R、まさかの打撃してきたから、やっぱりなんか“打撃で倒そう”って本能的に思ったんかなと。ちょっと感情的にするっていうのはこっちの作戦ではあった」と、堀口を打ち合いに誘い出すプランが、奏功していた。
堀口が「自分が1R目で欲張っちゃって。打撃ばっかり打っていて」と反省した初回。先にダウンを奪ったのは金太郎のカウンターの左ストレートだった。
「狙っていたから覚えてますね。右手で距離を取って、相手が入ってきたときにこっち(前手の右手)を引いて、(左)ストレートを打ったんですけど、距離もしっかりあって、結構感触があったんですよ、思いっきり」とその手ごたえを語る。
しかし、そこからの堀口の切り替えが金太郎の想定外だった。
「一瞬、(意識が)飛んだかなと思って目見てたんですけど、裏に倒れて後ろ回りして、そこにパウンド、鉄槌したんですけど、その(後転した)足が邪魔で顔が守られて、“どうしよう、サッカー(キック)に切り替えよう”と思ったけど、相手のリカバリーが、技術というよりかは、なんか本能で動いたんか、めっちゃやりにくくて。それでも仕切り直してすぐ行こうと思ったけど、なんやったら逆に向こうからプレッシャーかけてきたから“マジか”“どうしようかな”って一瞬なった」と、ダウン後、すぐに立て直し、逆に圧力をかけてきた堀口のリカバリーに驚きがあったという。