金太郎が足を負傷した、堀口の強力テイクダウン
その後の堀口のテイクダウンで、金太郎は思わぬ負傷を強いられた。
「(ダウンを奪い)今勝ってるから、とりあえずこのまままたワンチャンス狙うっていう意識にしてたんですけど、左ストレートを効かせてまだ打撃でいく気持ちで前に出たら、すぐ堀口選手が変更してきた。
左ストレートを当てたから、自然と堀口選手はストレートを警戒して、めっちゃ頭を降ってくるだろうから、そこにハイ(キック)を合わせようと思って、ストレートと見せかけての(左)ハイを打ったんですよ。そこにまさかの片足タックが来て、右(軸)足だけが残って止まった状態で、(テイクダウンが)もう関節蹴りみたいな状態にされて、(右ヒザが)もうバキバキって音鳴って、まあ、その時は全然いけるわと思ったんですけど、1Rが終わってコーナーに戻って座って、2R目で次立った瞬間に、“うわー、これ足、結構きてるな、力入らへんな”みたいになって、あのタックル、強烈やったなみたいな。たった1回のタックルで、タイミングがドンピシャすぎて、足がマジでいうこときかなくて“どうしよう”と思ってたらもう速攻、しっかりロープ際で両足タックルされた」
圧巻はここからの堀口のフィニッシュへの流れだ。ダブルレッグで尻を着いた金太郎は両足でフルガード、隙を見て立とうとするが、堀口は左脇を差して左足をガードを越えてハーフに。
さらにパウンドを入れながら右足も抜いてマウントを奪うと、自身の左腕で金太郎の頭を枕に抱き、金太郎の左ヒジを内側に流して頭を突っ込み、肩固めへ。首筋に巻いた左腕をタイトに頸動脈を絞める形だった。
「映像で見た限り、だいぶ差があったっスね。足にも力が入らないプラス、ちょっと焦ってしまって。あんなもんじゃないんですよ、寝技もちゃんとできるんですけど、ただ、堀口選手の圧力というか、寝技になった時の的確さ、冷静だったっていうのもあるし、押しても抜けていく感じ、力が逃げていく感じでフィジカルで負けたっていうよりかは、バランスでいなされて、コツコツパンチを──もう顔はもう打たれるのは分かってたから──ほっておいて逃げることだけに集中したけど、うまいこといろんなポジションで押さえられて、背中向けて逃げようとしてたら、もう気づいたら勝手にこうなってて(左脇を開けさせられて)ヒジ(の下に頭を入れられて)“どうしよう、どうしよう”って(逃げる)技術も忘れてしまっていて、いつもの冷静な判断ができなくて」と、堀口の寝技の巧みさにも舌を巻いた。