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2022年9月25日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN.38』で、スーパーアトム級ワールドGP準決勝2試合が行われた。
同級王者の伊澤星花(フリー)がアナスタシア・スヴェッキスカ(ウクライナ)に腕十字で一本勝ち。パク・シウ(韓国)が浜崎朱加(AACC)に判定勝ち。結果、大晦日の決勝は伊澤vs.パク・シウの2021年10月の『DEEP 104 IMPACT』以来の再戦に決定した。
また、前王者で同級王座奪還を目指す浜崎が試合後、2Rに左腕を骨折していたことを公表。27日に手術を受けたことをSNSで報告している。
「試合で折れた腕を昨日繋げてもらった。これが→こう(手術前と手術後の写真)。オペをしてくださった先生に感謝です。ありがとうございました」「無事退院しました。試合→入院→手術→退院 4日間なんだか慌しかった。ほとんど入院してないけど外の空気はいい。手パンパン」
試合で折れた腕を昨日繋げてもらった✌️
— 浜崎朱加 Ayaka Hamasaki (@kk331ayaka) September 27, 2022
これが→こう
オペをしてくださった先生に感謝です🙇♀️
ありがとうございました‼️ pic.twitter.com/iSda1z7Fzf
盟友の藤野恵実はレントゲン写真のツイートに「2Rの最初に折れて、この状態で最後まで戦いぬいたのはすごすぎる。心身ともに強くなきゃ無理。私なら多分泣いてやめる」と返信。浜崎は「親方、顔に出てなかっただけで死ぬほど痛かったよ」と苦笑マークで返している。
最後は身に沁みついた技、駆け引きでも疲弊した(伊澤)
GPで連続フィニッシュを極めたのは、王者の伊澤星花だ。
IMMAFのアマチュア世界大会で優勝し、ADCCキエフ大会で2階級制覇のアナスタシア・スヴェッキスカを相手に、1Rはスヴェッキスカのラバーガードからのヒジ打ち、足関節の攻防に粗さを見せたが、2Rには下から逆の組みでの三角で固定してヒジ打ちを返し、足関節の攻防では上を取るなど1Rの動きを修正。センタク挟みから下になっても三角から腕十字の得意のムーブで2R、残り4秒でタップを奪った。
試合後は、11月12日のDEEPでバンタム級王座防衛戦として石司晃一の挑戦を受ける、パートナーのCOROと弟の風我とともにYouTubeを更新。スヴェッキスカとの試合を「キツい中での楽しさがあった」と振り返った。
1Rにポジションを失うこともあったことについては、会見で、「前戦のRENA選手がすごい打撃の強い選手だったので、一回戦ではアナスタシア選手が打撃の選手に見えましたが、寝技はデータ通りすごい強くて、パスさせなかったり、させてもガードに戻したり、寝技のポジションを取らせない動きが凄くうまかったです」とスヴェッキスカの寝技をあらためて評価。
同時に、COROとの振り返りでは、「1Rは極めなきゃという思いが強すぎて、ポジションどうでもいいから(一本を)取りに行こうとスクランブルで仕掛けて雑になってしまった」と反省した。
フィニッシュは、三角絞めからの腕十字。相手も警戒する定番の動きを試合のなかで極められるのは、MMAのなかの柔術をやり込んでいることがうかがえる動きだった。
「あれは身に沁みついた技。三角は(相手の)右手が(三角のなかに)入っていたから極めるのは無理で、残り10秒(拍子木)の音が鳴ったから、3Rに行こうかどうしようかと思って、ワンチャン十字に行けると思って行ったら、ハマッて極めた。駆け引きでも疲れた試合だった」
フィニッシュ前に、セコンドの横田代表が珍しく「水を用意しろ」と指示するほど、伊澤にとっては「それくらい疲れていた」2Rだった。試合後は、恒例の号泣マイクは無し。リング上で笑顔で決勝への意気込みを語っている。
「今回は泣かないぞ、と決めて試合に臨みました。期待していた人にはごめんさい。でも泣いてウザいという声もあったので(笑)、泣かなかったので、次回も応援よろしくお願いします」