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【ONE】キャッチウェイトを戦った平田樹「もっと追い込んで、命がけで強くなっていきたい」×リン・ホーチン「戦わないという選択肢もあったけど…」、北米進出で新たなアンチドーピングパートナーとの提携もスタート

2022/09/01 22:09

体重を揃えられないファイターは良いファイターではない

 ファイトマネーの半分を相手選手に渡すという罰則を平田が受け、互いに合意した上での試合成立だが、それでもファイターにとってわだかまりは残る。

 試合後、ホーチンはSNSで「負けを認めますが、負けずに頑張ります!  試合を組んでください!!!!」と、すぐに次戦をアピール。

 さらに平田の体重超過について、「試合には負けたけれど、試合前のあなたのチームとあなたの行動には腹が立ったし、酷い気持ちになりました。25日の午前12時(シンガポール時間)に行われた最初の体重測定では、2人とも尿検査には合格しませんでしたが、少なくとも私の体重は必要条件を満たしていました。

 その夜、私は午前3時まで走り続け、あなたのチーム(※撮影スタッフ)が私を撮影し続けたので、止めるために叫ばなければなりませんでした。3時間走っても尿検査には合格しなかった。26日の朝7時から午後1時まで走り続け、水を飲み続けましたが、あなたはまだのんびり道を歩き続け、私が走るのを見ていました。38時間頑張って、やっと体重と尿検査に合格しましたが、あなたの体重はまだ基準値より2kg(※1.89kg)も多かったのです。

 このことを相談しに来たあなたのチームには、私には戦わないという選択肢もあったのですが、主催者が試合について考えさせてくれました。私はこの試合のために長い間準備をしてきたので、あなたが無責任だからといって試合を中止したくなかったので、この結果に諦めるようなことはしません。ノックアウト(※平田がダウンを奪い判定勝ち)で勝ったとはいえ、あなたは私の尊敬に値しない選手です。私はいつも、体重が規定値に達しないファイターは良いファイターではないと思うし、ましてやあなたは減量しようともしなかった。あなたには競争心がないのです!!! 私は戦い続け、次はこうならないようにします」と、憤りを示している。

 通常のMMAルールであれば、最後の水抜きでクリアできていたであろう状態も、ONEの独特のシステムのなかでは難しく、その舞台で戦う以上、ルールに従うのが前提だ。

 2年半ぶりながら再度の計量ミスを犯した平田は試合後、周囲への感謝の言葉を記すと、「ハイドレーションをクリアできず、キャッチウェイト戦になってしまい、申し訳ありませんでした。全てクリアできれば、もっと心から喜べたと思います。リンさん、本当にありがとうございました。もっともっと自分を追い込んで、命がけで強くなっていきたいと思います。こんな素敵なステージに立たせていただき、ありがとうございました。ありがとう、チャトリ(CEO兼会長)。リンさん、ありがとうございました。ありがとう、ONE Championship。ありがとう、シンガポール」と、計量をパスできなかったことを謝罪し、「戦いの後、アドレナリンを使い果たしたときが一番痛い」と、赤黒く腫れ上がった足を公開している。

 一方、試合から3日後には、気を持ち直したホーチンは、インスタグラムに元気なシャドーの動画を披露。さらに9月1日には、「健康でハッピーでいたい!」と、眼鏡をかけてのダンス姿もアップしている。

 そして、平田も「Be proud of your life.(自分の人生に誇りを持つこと)」と、米国合宿を経て、なりふり構わず勝利することに全力を注ぎ、最後の最後に、ネスタコーチらと反復練習で練り上げてきたカウンターを当てて勝利を掴んだことに誇りを取り戻し、「もっと自分を追い込んで、命がけで強くなっていきたい」と決意を新たにしている。

 負けられない一戦を超えた両者の今後に注目だ。

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