MMA
レポート

【ONE】DJがモラエスを跳びヒザKOで新王者に!「36歳になってもまだ成長できると心から信じていた」。平田樹がダウンを奪う逆転勝ち、ノンオーがカーフTKOで王座防衛、パンパヤックが左ハイKO! ブシェシャが盟友に捧ぐ涙の一本勝ち、元RIZINアリアックバリが初勝利、スーパーレックが縦ヒジKO!

2022/08/27 10:08
【ONE】DJがモラエスを跳びヒザKOで新王者に!「36歳になってもまだ成長できると心から信じていた」。平田樹がダウンを奪う逆転勝ち、ノンオーがカーフTKOで王座防衛、パンパヤックが左ハイKO! ブシェシャが盟友に捧ぐ涙の一本勝ち、元RIZINアリアックバリが初勝利、スーパーレックが縦ヒジKO!

(C)ONE Championship

 2022年8月27日(土)シンガポール・インドアスタジアムにて、ONE Championship『ONE Fight Night 1 : Moraes vs. Johnson』が開催された。前日の『ONE160:Le vs. Tang』に続く2日連続大会は、北米に向けて、27日の午前9時から、日本ではABEMEおよびONE Supper Appで配信された。

▼ONE世界フライ級(※61.2kg)選手権試合 5分5R
×アドリアーノ・モラエス(ブラジル)王者  134.5ポンド(61.0kg)1.0057
[4R 3分50秒 KO] ※左跳びヒザ

〇デメトリウス・ジョンソン(米国)挑戦者:134.75ポンド(61.12kf)1.0156
※ジョンソンが新王者に

 メインイベントでは、ONE世界フライ級王者アドリアーノ・モラエス(ブラジル)と、元UFC世界王者&ONEフライ級ワールドGP優勝者のデメトリアス・ジョンソン(米国)が再戦に臨む。

 アメリカントップチーム(ATT)で堀口恭司と練習仲間でもあるモラエスと、UFC時代に堀口の挑戦を受けたジョンソン(DJ)は、2021年4月のONEで「フライ級世界タイトルマッチ」で対戦。2Rにモラエスが右アッパーを効かせてグラウンドでの左ヒザ蹴り、パウンドと畳みかけてKO勝ちで初防衛。

 2022年3月には若松佑弥とも対戦し、テイクダウン狙いに合わせたカウンターのギロチンチョークで3R 一本勝ちし、2度目の王座防衛に成功している。

 対するDJは、モラエス戦後、2022年3月にnロッタン・ジットムアンノンとミックスルールで対戦し、打撃でも渡り合った上で2R、リアネイキドチョークで一本勝ちし、再起を遂げている。

 再戦に向け、王者モラエスは、「証明するものは何もないと思う。もちろん、僕はMMAファイターだ。僕は自分自身に挑戦することが好きだし、チャンピオンとして、誰が目の前に現れてもベルトを守るだけだ。王座を守るための準備は来ている」とコメント。

 対する挑戦者DJは、「僕のスタイルは決して変わらない。僕のスタイルは常に前向きだ。そして、MMAは、僕がこのスポーツで育ってきたように、ぶつかり合うものなんだろう? 闘いだ。レスリングと同じようにね。人間同士の闘いは常にある。だから、僕はただそこに行って、ペースを掴んで、戦うだけさ」と、アグレッシブに戦うとした。

 フェイスオフでは、「チャレンジャー」と紹介されたDJが先に壇上に上がり待ち構え、続けて「チャンピオン」のコールにベルトを右肩にかけたモラエスがガッツポーズとともに歩み寄り、近距離で視線を合わせると、あらためて13cmの身長差を感じさせる対峙となった。しかし、モラエスは初回計量でハイドレーションテストを通らず。再計量でパスしている。体調はいかに。

“ミキーニョ”ことアドリアーノ・モラエスと“DJ”デメトリアス・ジョンソンの王座戦。

 1R、ともにオーソドックス構え。先に詰めるDJは左ミドル、右ローから。スイッチするDJに、詰め返すモラエスは左ミドルハイ。モラエスもスイッチする。

 詰めて左ミドルを当てるジョンソン。左ストレートを放つモラエスにDJはいったん後ろ手に組み、ノーガードを見せる。

 DJの左の蹴りを掴んで持ち上げテイクダウンはモラエス! フルガードのDJはケージまで這うと上体を立てようとするが、金網から剥がすモラエス。DJは下から腕十字狙い。すぐに外すモラエス。

 DJが首にかけた足も外し、上からヒジ狙い。DJは蹴り上げを狙うが、立たせないモラエスがヒジを打ち込みニアマウントでゴング。しかしDJも下からのヒジでモラエスの左目上をカット、出血させる。

 2R、サウスポー構えから入るDJは、オーソに戻して左右を振る。右ミドルを当てるモラエスは右ハイ! 後退したジョンソンの組みからのドライブも切って、がぶりヒザを顔面に!

 しかし立ち上がるDJ! 金網に押し込み左の蹴りもそれを持ち上げてテイクダウンはモラエス! フルガードのDJから片足を抜く。

 足を戻すDJにパスガードのプレッシャーをかけ続けるモラエス。草刈から蹴り上げを突くDJにいったん立ち上がるモラエスもゴング。

 3R、左ミドルを打つモラエスに、DJもサウスポー構えから左ミドル、さらに出入りでワンツーを突く。かわすモラエスもステップも、DJは左ヒザ! キャッチするモラエスに足を抜くDJが詰める。右ジャブで圧力をかけるDJに、サークリングはモラエス。モラエスの右にカウンターの右をDJが当てる!

 モラエスの左右ローをさばき、押し込んでの右ヒジはDJ! 打撃で攻勢に立つDJは左ボディから右! しかしモラエスも相打ちの右を狙う。

 右から左でプレスをかけ直すモラエス。DJの詰めを体を入れ替え押し込むと、バックヒジ狙い。かわしたDJが右で飛び込むと左カウンター狙い。しかしDJは右の飛び込みを当てる。追い込まれた2RからDJが取り返したラウンドに。

 4R、右ミドルハイはモラエス。ブロックするDJを押し込むモラエスだが、すぐに体を入れ替えるDJ。突き離すモラエス。「DJ」コールのなか、詰め続けるDJはモラエスの組みに右ヒザを突く。

 右で差して押し込むモラエス。金網背にしたDJにヒザを突くが、ヒザを突き返すとヒジで離れる。すぐにプレスをかけすDJ。今度はモラエスが金網を背に。離れるモラエス。

 モラエスの右の跳びヒザでバランスを崩したDJだが、すぐに立ち上がる。左縦ヒジで飛び込むモラエスはDJの入りに右アッパーも。

 しかし詰めるDJは、モラエスの左フックをかわして、右のショート! 下がるモラエスを金網に詰めて左の跳びヒザ! ヒザから崩れ落ちてダウンしたモラエスにDJは勝利を確信し追撃せず、背を向けた「ウォークオフKO」で右手を挙げた。

 4R 3分50秒、36歳のDJが見事なKO勝ちで王座を獲得。大きな黄金のベルトに肩にかけ、その重さに後方に倒れてみせた。ONE世界フライ級新王者となったDJは5万ドルボーナスを獲得。

 ケージのなかでMCのミッチ・チルソンからインタビューを受けたDJは、「MMAは進化している。とにかく前に出て手を出すことがゲームプランだった。ハーフガードで彼はパスガードできず、それ以上のことはできないから、だから自分がいい感じで(下から)エルボーが出せるだろうと。で、ご覧の通りだ! よし、よし! とにかくめちゃくちゃ頑張ったんだから、めちゃくちゃ気分いいよ。

(フィニッシュシーンを見返して)ずっとジムでボコボコにされてきたんだよ、アドリアーノに負けてから、これって初めてなんだけど『俺はこれを取り返さなきゃいけないんだ!』って思ったんだ。だから自分を危険な状態に追い込んだ。受け入れ難いことだったから。ジムでめちゃくちゃやり合って、なんて言うか、もう練習を越えてこじ開けていくような、『ゾンビ』って呼んでたんだけど、とにかく前へ前へと進んで行くっていう。うん、もうとにかくジムでハードに練習したんだ。

(「フライングニーで倒されて、ウォークオフKOで取り返す、こんなことある?」と聞かれて)心から信じてた、それは36歳になってもまだ成長できるってことを、だ。それは自分の周りにはチームがいるから。ジェームズ、トニー、AMCのみんな、グラップルクラブのみんな、そしてプロフェッサー・ヤン。自分はまだまだ良くなってるって実感してる。アドリアーノ戦のあと、ロッタンとの試合後、手懐けられた飼い犬のように殊勝にジムで練習してきた。負ける時は、負ける。勝つときは、勝つ、さ。だから(アドリアーノの)あの様子を見た時……よっしゃ!って感じた。ありがたいことだよ。

(5万ドルボーナスを獲得し)それで税金を払って、子供達の大学資金にあてて、あとどれくらい残るかな、妻に渡して、あとはー、まあコーラでもちょっと飲めるかな」と笑顔、北米でも放送されたONEで戴冠を語った。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント