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【ONE】クリスチャン・リーが王座奪還! オク・レユンを2R TKO、中国のタン・カイがタン・リー下しフェザー級新王者に、セーマペッチがリッテワダを1発KO!

2022/08/26 21:08
 2022年8月26日(金)シンガポール・インドアスタジアムにてONE Championship『ONE160:Le vs. Tang』が開催された。  8月26日の日本時間21時30分から『ONE160:Le vs. Tang』が行われ、27日の午前9時から北米向けに『ONE Fight Night 1』(※平田樹が計量ミス、キャッチウェイト戦に)が行われる予定。 ONE 160: Ok vs. Lee II シンガポール・インドアスタジアム日本時間21時30分 開始予定(ABEMA/ONE Supper App配信) ▼ONEライト級(77.1 kg)選手権試合 5分5R×オク・レユン(韓国)王者・16勝5敗 168.5 LBS, 1.0210[2R 1分00秒 TKO] ※ヒザ蹴り〇クリスチャン・リー(米国)挑戦者・16勝4敗 169.75 LBS, 1.0044※リーが王座奪還、新王者に  前半の『ONE160』のメインイベントでは、「ONEライト級(77.1 kg)選手権試合」(5分5R)として、初防衛を目指す王者オク・レユン(韓国)と、王座奪還を狙う挑戦者クリスチャン・リー(米国)が再戦。ともに計量およびハイドレーションテストをパスした。  MMA16勝3敗のオク・レユンは、2021年9月の「ONE: REVOLUTION」で当時の王者クリスチャン・リーに挑戦。5R判定3-0で新王者に輝いている。  2021年4月の「ONE TNT 3」でONEデビューを果たしたオク・レユンは、ダゲスタン出身のマラット・ガフロフに判定勝ち。2021年4月の「ONE on TNT 4」でエディ・アルバレスから1Rにダウンを奪い判定勝ち、さらにクリスチャン・リーも下し、ONE負け無しの3連勝中だ。  会見では、「僕はどんな論争もただ結論づけるためにここにいる。だから、5Rであっても、ノックアウトかサブミッションか、ジャッジの判定かどうかは気にしない。この試合で、僕の方が優勢であることを示し、もう論争が起きないようにするだけだ」と、完勝で王座を守ることを宣言した。  対するMMA15勝4敗のクリスチャン・リーは、王者から挑戦者に立場を変えて再戦に臨む。  2019年5月に青木真也をTKOに下し、ライト級王座を獲得したクリスチャンは、2019年10月にONE4連勝中だったザイード・フセイン・アサラナリエフに判定勝ちしGP王者にも輝くと、2020年10月に当時14勝無敗だったユーリ・ラピクスを1R TKOに下し、初防衛に成功。  2021年4月の「ONE on TNT」では、ティモフィ・ナシューヒンを1R、左フックからのパウンドで73秒 TKOに降し、2度目の防衛に成功。  しかし、2021年9月のオク・レユン戦で互いにダウンを奪う激闘のなか、リアネイキドチョークでニアフィニッシュの場面を作りながらも後半にスタミナを切らし、際どい判定を落としている。  ONEでは水抜き無しの77.1kgで戦うクリスチャンは、ハワイで朝倉未来、武田光司とも肌を合わせており、「この試合の準備は前回の試合とは全く違う。トレーニングキャンプをより充実させた。もっと長くトレーニングしたし、よりハードなトレーニングを積んだ。そして、前回の試合よりも今日の方がずっと良いファイターだと感じている」と、ベルト奪還に向けて万全であることを語っている。  1R、先に右を伸ばすオク・レユン。中央を取るリーは速い左ジャブ。オク・レユンのワンツーの右アッパーを返す。  右ストレートをかぶせるオク・レユン。リーは左ジャブから左ハイ、さらに左右から右ハイ! オク・レユンの後退にラッシュも、打ち返しに深追いはしない。  りーの左に右を合わせるオク・レユン。右を当てて効かせるリー! ダウンしたオク・レユンに右のヒザを連打。しかしオク・レユンの立ちに右を警戒しながらさらに左ジャブ、右でダウンを奪う。  2R、跳んでの左スーパーマンジャブから詰めて右ローで崩して、金網に詰まったオク・レユンが左を出したところに右ストレート!  ダウンを奪ったリーはオク・レユンの立ち際に、若干サッカーボール気味の右の蹴りを当て、さらにヒザを連打! レフェリーが間に入った。  巨大になった黄金のベルトを肩に戻したクリスチャン・リーは、「家族、妻、子供、みんなとケージの中でこうしていられて幸せだ。ハードワークの賜物だ。前回は50%しか発揮できなかったけど、今回は100パーセントを出すことが出来たよ。オク・レユンは素晴らしい選手だったけど、今回は倒せると思っていた。冷静にラッシュし過ぎないように、フィニッシュのタイミングを待っていた。今後? 少し休んでジムに帰って指導をするよ」と笑顔。5万ドルボーナスも獲得した。 [nextpage] ▼ONE世界フェザー級(※70.3kg)選手権試合 5分5R×タン・リー(米国)王者・13勝3敗 153.5 LBS, 1.0078[判定0-3] 〇タン・カイ(中国)挑戦者・15勝2敗 155 LBS, 1.0248※タン・カイが新王者に  また、コ・メインでは、「ONE世界フェザー級(※70.3kg)選手権試合」(5分5R)として、王者タン・リー(米国)と、挑戦者タン・カイ(中国)が対戦。こちらも計量およびハイドレーションテストをパスしている。  ONEフェザー級王者のタン・リーは、2020年10月にマーティン・ニューイェンを3R、左右フックの連打でTKOに降し、王座奪取、ベルトを巻いた。  父からテコンドーを、ライアン・ホールから柔術を習ったというベトナム系米国人ファイターのリーは、“ノックアウト・アーティスト”として知られ、2019年5月のONEデビュー以来、ユサップ・サーデュラエフ、朴光哲、高橋遼伍、ニューイェン、さらに3月の前戦ではゲイリー・トノンの足関節にも対応し、1R、パウンドによるKO勝ち。ONE5戦負け無しの戦績を持つ36歳だ。  壇上でマイクを持ったONE5戦負け無しの王者タン・リーは、「彼はとてもいいファイターだ。今回の試合では、より良いバージョンの僕を見ることができると思う。そして、それが僕と僕のチームにとって最も重要なことだ。だから、結果がどうであれ、僕はあそこに行き、手がもげるまで戦うつもりだ。絶対に諦めないし、最後に何が起こるか見てみたい」と、気合のコメント。  対する26歳のタン・カイもONE6戦負け無しの強打者。イ・スンジョンを2R KOに下すと、エドワード・ケリー、ケアヌ・スッバに判定勝ち、高橋遼伍を右ストレートで1R TKO。ユン・チャンミンも1R TKOに下すと、2022年3月の前戦では、キム・ジェウンを1R 左右のワンツーでマットに沈めている。  タン・カイはフェイスオフ後、「彼は今、チャンピオンだ。そして彼はもちろん、僕を見下ろしている。でも、どんな形であれ、結果はマットの上で見ることになるし、僕は彼を打ち倒すよ。これはトラッシュトークじゃない。心の底からそう思っている。覚悟してほしい。僕はタン・リーを打ち負かすつもりだ」と、自信の言葉を王者に向けている。  1R、まずはオーソドックス構えから。タン・リーは遠間から。タン・カイは左ハイで牽制。タン・カイもワンツーから蹴りに繋ぎ、右の飛び込みも見せる。  圧力をかけ始めたタン・リーに右カーフを返すタン・カイ。追うタン・リーはスイッチしての左ミドル。バックステップでかわすタタン・カイ。踏み込んでの右を打ち込むタン・リー。さらに右の後ろ廻し蹴りを見せる。互いに慎重な出だし。  2R、サウスポー構えから入るタン・リー。ワンツーの左を振る。右カーフを当てるタン・カイ。タン・リーの入りに左右を狙う。タン・カイのローをチェックするタン・リーだが、タン・カイはなおも右ロー。リーは前足を変える。クリンチしての首相撲からヒザを狙うが、突き放すタン・カイ。  右をタイミングよく振り、バランスを崩すタン・リーは下になるも付き合わないタン・カイ。スタンド再開に。右ローを当てるタン・カイにタン・リーは距離を取る。  3R、サウスポー構えのタン・リー。タン・カイは外足を取り左ロー。ジャブ、右ローを突く。オーソドックス構えに変えるタン・リー。左右の連打で前に出るが、サークリングするタン・カイ。徐々に詰めて左を狙うが、そこにカウンターの右を当てるタン・カイ!  4R、サウスポー構えで立つタン・リー。追って左をかすめるが、右に回るタン・カイ。タン・リーは左の蹴りで止めを狙う。詰めたタン・リーの左フックに、タン・カイも左! 効かせたのはタン・カイ!  なおも左を当てると、2度目の腰を落としたタン・リーは左を当て返す。タン・リーはダブルレッグからバックテイクを狙うが、正対し突き放すタン・カイ。タン・リーは後ろ廻し蹴りを見せる。  5R、左右を強振するタン・リー。ステップでかわすタン・カイ。タン・リーの打ち終わりの足が揃ったところに左を効かせる! タン・カイの蹴り足掴んで右を当ててバランスを崩すタン・カイ。左回りでこつこつジャブを突き、最終Rの流しに。足を使うタン・カイは、タン・リーの詰めに左フックを合わせる。最後にタン・リーが詰めて左を当てたところゴング。前に出させたタン・リーをタン・カイはカーフキックで削り、カウンターでダウン奪った5Rの王座戦。  判定は3-0でタン・カイが勝利。ONE初の中国人男子世界チャンピオンとなったタン・カイはベルトを手に、「タン・リーはタフだと知っていたけどスタミナもあった。4Rにダウンを奪っても立ってきて素晴らしい選手だった。試合前、中国のファンの期待にナーバスになったけど、今は誇りを持って母国に帰ることが出来る」と涙を見せて語った。 [nextpage] ▼第5試合 ONEバンタム級ムエタイ 3分3R×リッテワダ・ペッティンディー(タイ)145 LBS, 1.0241[2R KO]※左フック〇セーマペッチ・フェアテックス(ムエタイ)144.75 LBS, 1.0083  リッテワダは2016年にWMC世界スーパーライト級王者、2017年にルンピニースタジアム認定同級王者となり、テレビマッチの7チャンネルでは2014年に同級王者となっているほか年間最優秀選手賞と年間最高試合賞を獲得している。2010年12月にはスーパーレック、2016年2月にはパコーン、同年3月にはヨードパノムルンらに勝利。アマチュアボクシングでは五輪代表候補にもなっているという。2021年10月のONE初参戦では、当時ムエタイ・バンタム級1位のセーマペッチを2Rにヒジで切り裂いてのTKO勝ちで番狂わせを起こした。戦績は66勝19敗でKO数は不明。  セーマペッチは7チャンネルTVマッチを主戦場とし、2017年頃からは海外選手との戦いが主流となる。ONEには2018年7月から参戦。2019年11月にONE Super Seriesムエタイ世界バンタム級タイトルにも挑戦したが王者ノンオーに4RでKO負け。2020年のバンタム級(※65.8kg)ムエタイトーナメント準決勝でロートレックを判定2-0で降したが、怪我により決勝戦を欠場。  2021年5月にはそのトーナメント準優勝のクラップダムと対戦、1R2分7秒で左ボディストレートによるKO勝ちを収めて実力を証明したが、2021年10月にリッテワダにTKO負け、2022年1月にはタワンチャイにKO負けと連敗中。今回は9カ月ぶりのリッテワダとの再戦に臨む。戦績は123勝18敗1分でKO数は不明。  1R、サウスポー同士。リッテワダは前蹴りを出した後でワンツーで入って行く。両者ともジャブで様子を見るが、リッテワダのジャブが伸びる。リッテワダは左右フックで飛び込むがすぐに退く。リッテワダの左ローをしっかりとカットしていくセーマペッチ。左ローにはワンツーを合わせに行くリッテワダ。ロングリーチを活かしてリッテワダが左フックをヒットさせた。  2R、セーマペッチは1Rよりも距離を詰めて左ローを蹴る。それを前蹴りで押し返しリッテワダ。ジャブを突き合い、前蹴りで突き放すリッテワダをセーマペッチは軸足蹴りで転倒させる。セーマペッチは左ローからの左ストレートをヒット。前に出てきたリッテワダが右フックを打とうとしたところへセーマペッチが左フックをいち早く打ち抜いた。リッテワダがバッタリと倒れ、セーマペッチが一発KOで試合を制した。 [nextpage] ▼第4試合 ONEフェザー級(※70.3kg) 5分3R〇キアヌ・スッバ(マレーシア)153.25 LBS, 1.0057[1R 3分29秒 KO] ※右ストレート×アミール・カーン(シンガポール)155 LBS, 1.0112  カーンは3月の前戦で高橋遼伍を相手に際どい判定勝ち。スッバは4月のジェームズ・ヤング戦で判定勝ち。  1R、右オーバーハンドを振るスッバ。カーンもワンツーから左ジャブのダブルから押し込むが、スッバは左ジャブを返す。  ダブルレッグテイクダウンはカーンも、金網背に立つスッバ。カーンは右ヒジをヒット! しかしスッバが右ストレートを返すと後退。金網に詰めたスッバはさらに右を当ててダウンを奪いKO勝ち。2連勝をマークした。 [nextpage] ▼第3試合 ONEヘビー級(※102.01kg)5分3R〇マルチン・バトゥール(クロアチア)244 LBS, 1.0087[1R 3分38秒 TKO] ※パウンド×ポール・エリオット(英国)243.75 LBS, 1.0103  1R、サウスポー構えのエリオットは左ミドル、オーソドックス構えのバトゥールは左回りで外を取ろうとするが、エリオットの左フックを被弾し、後退。  組みに行くバトゥールを切るエリオットだが、なおも組んで倒したバトゥールは鉄槌からパス、マウント。鉄槌、ヒジを打ち込み、動きが止まったところで、北米MMAでお馴染みのハーブ・ディーンレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼第2試合 ONEグラップリング・ライト級(※77.1kg)10分1R〇トミー・ランガカー(ノルウェイ)170 LBS, 1.0244[判定]×ヘナート・カヌート(ブラジル)169.75 LBS, 1.019※有効な技・仕掛けに対して、レフェリーが「キャッチ」コール。サブミッションで試合が決まらなければ「キャッチ」の多いファイターが勝利。  1R、組んで行くカヌート。内股で投げるランガカー。足を効かせガードのランガカーにパスを狙うカヌート。ランガカーは下からシングルレッグで立つが、際でガードに。ダブルレッグのランガカーにカヌートはギロチンチョーク狙いも、すぐに足を抜くランガカーは首も抜く。  シッティングガードのランガカー。下から外掛け、足関節狙いのトランジッションから背中を向けたカヌートのバックに。カヌートの左腕の上から左足をかけて縛ってから、フェイスロック、ネックロックを仕掛ける。  ランガカーはキムラクラッチで腕十字も狙いながら、4の字ロックでリアネイキドチョーク狙い。正対し上を向くカヌートに肩固め狙いのランガカー。しかしカヌートも後転して脱出したところでゴング。試合は判定でランガカーが勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 フライ級(※61.2kg)→バンタム級 5分3R〇カンタラジ・シャンカル・アガサ(インド)[1R 2分55秒 TKO] ※右フック×ターレス・ナカス(ブラジル)
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