▼メインイベント ヘビー級 3分3R
〇ジャマル・ベン・サディク(モロッコ/同級2位)
KO 1R 2分34秒
×ベンジャミン・アデグブイ(ルーマニア/同級5位)
サディクは9歳でキックボクシングを始め、10代の頃はストリートファイトに明け暮れていたという。2011年3月にプロデビューし、2012年10月からGLORYに参戦。大晦日に日本で行われたヘビー級トーナメントでは準決勝でダニエル・ギタに敗れるも、準々決勝でレミー・ボンヤスキーから番狂わせの勝利を奪っている。さらに2013年5月のGLORY日本大会ではピーター・アーツに逆転KO負けするもダウンを奪った。2018年には今回対戦するアデグブイに決勝で勝利してGLORY 62ヘビー級コンテンダートーナメントで優勝。また、2012年にがんを患い、1年後にも再発したが克服したことでも知られる。戦績は36勝(29KO)9敗1無効試合。
アデグブイは空手、ボクシングを経験して2011年3月にプロデビュー。2012年にはK-1 GLOBALと契約し、10月に東京で開催されたK-1 WORLD GP FINAL16に出場して勝利している。SUPERKOMBATを経て2014年6月からGLORYに参戦し、リコ・バーホーベンのヘビー級王座に2度挑戦するがいずれも敗れている。2020年12月にはバダ・ハリにKO勝ち。戦績は35勝(20KO)7敗。
前述のように、2018年のトーナメント決勝以来、約4年ぶりの再戦となった。
1R、前に出るサディクにアデグブイは左ミドルと右カーフ。サディクはプレッシャーをかけてアデグブイにコーナーを背負わせると左右ストレートの連打を見舞う。アデグブイも打ち合うが離れた。さらにジャブを打ちながらアデグブイのガードを崩し、右ストレートを打ち込んでいく。
サディクのワンツーに打ち返してきたアデグブイの右フックを空振りさせ、右ストレートでダウンを奪うサディク。立ち上がったアデグブイへワンツーの連打からの右フックでグラつかせ、そして右ストレートをアゴに打ち抜く。さらに右を叩き込み、アデグブイは棒立ちとなったままもらい続けてレフェリーがストップしたところで崩れ落ちた。
サディクが衝撃的なKOで再戦も制し、場内の大歓声を受けた。そして「厳しい時期を乗り越えたけれど今は調子がいい。フィニッシュまで8発入ったがレフェリーに止められるまパンチを止めることはない。次はタイトルに挑戦したいが、ファンの声を聞きたいね。ファンを楽しませる試合をするよ」と勝利者インタビューに答えた。