コールドウェルに敗れ、感情だけで動くのを止めた
──そのBellatorの第1戦では、エドゥアウド・ダンタスにスプリット判定で敗れました。
「あの試合を受けた時、RFAのタイトルを獲って、自分にとってとても調子の良い時期だったと思う。ダンタスとの試合は、実際はダリオン・コールドウェルと戦う予定だった試合で、コールドウェルが出場できないとなった時に声がかかった。僕はRFAの試合の怪我のリカバリー中だったし、激しい試合だったので薬を飲んだりもしていた。なので、トレーニングもできない日が多く、すごく限られた内容しかできていない状況だった。
ただ、サークルケージデビューでいい経験にはなると思ったから100%の状態ではなくても断る事はできなかった。勝てる自信があったし、実際に勝っていたと思う。自分に入れているジャッジもいたし、あの場にいた多くの人に、自分が勝っていたと思うと伝えられた。彼は常に逃げの体勢だったし、自分が常に追いかけて向き合おうとしていた。効果的なパンチも。だから勝てると思ったけど、残念ながらそうはいかなかった。次に再度戦う事になったとしたら、前回とはまるで違う結果になると思う」
──その後もアーロン・ピコ、ダリオン・コールドウェルとの苦しい試合がありました。その後3連勝できた要因はどこにあると思いますか。
「あの時は天国から地獄に落ちたような気持ちだったよ。2018年にコールドウェルとタイトルをかけて戦った。そして負けた。実際に負けたとは思っていないが、負けた。コールドウェルとの戦いから2連敗した。彼はいいポジションに入って、そこからギロチンチョークを1ラウンドで仕掛けてきて極められた。当時の契約ではこれが最後の試合だったんだ……皆、コールドウェルがいかにビッグな選手になるか、当時話題にしていて。自分は踏み台になりたくないと思ったけど、負けた。ファイターとして負けたんだ。
当時、自分がどんなファイターなのか理解できていなかった。グラップラーなのか、ストライカーなのか。自分のファイターとしてのルーツを見失っていた。負けたあと、すべてにおいて迷いが出た。けれど、契約が終わってしまうから自分を変えなければいけなかった。次のチャンスをもらえるように何度も頼んだんだ。まずは自分のマインドセットを変えなければいけないと思った。自分を振り返って何を改善しなければいけないか考えた。コーチの話にもより耳を更に傾けるようにした。感情だけで動くのも、止めにした。もっと合理的に動けるようにと、マインドセットを変えるように心がけた。あの敗戦からそれをずっと続けている。その結果が連勝につながったんだと思っている。試合毎に上達しているとも感じている」
──そして、2021年5月、前回のコールドウェルとの結果はスプリット判定勝ちでした。イーゴ選手は体重オーバーしての契約体重戦で、テイクダウンなども受けてとてもハードな内容でした。
「137.5ポンド契約になったことは申し訳なく思う。前回の試合は重要な試合だった。そして想定通りの内容だった。1Rにテイクダウンをされた時、前回のように慌てて立とうとするのは止めたんだ。そこでポジションを失うことになるから。下からのポジションでも勝てると考えていた。下からでも積極的に攻撃をしかければ、コールドウェルは手が打てないだろうと思っていたしそれで勝てると思っていた。
グラウンドでもエルボーやパンチを色々出した。それで、スタンドになった時にも有効な打撃が出せていたと思う。コールドウェルがイライラしていたのが伝わったよ。とにかく焦って立ち上がろうとして前の試合やコールドウェルが他の選手にしているのと同じようにならないようにした。だからコールドウェルのアプローチを逆に利用してやったんだ。下からの攻撃に彼は居心地悪かったと思うし、思い通りにいったと思う」