手足・左右関係なく「歩くように」戦う
――今回の初戦の相手、韓国のホン・ジョンヨンについてお伺いしたいのですが、今の現時点でどの程度研究されていますか?
「試合動画とかはけっこう転がっていて、YouTubeとかにも上がっているので、そういう部分はしっかり確認して見たりはしています。今までけっこう感覚的に、相手に合わせた作戦を考えていたんですけど、今回はどちらかというと、“自分をどう出すか”ということを意識して練習しています。もちろん相手の癖だったり、攻撃パターンだったりは見つつも、自分がどういう攻撃をしていくかというのを重点的にやってきました」
――以前と比べて、今回あまり相手のことを意識しすぎず、自分のパフォーマンスに集中する、と思ったのはなぜですか。
「ONEでの最後の試合でトノン選手と対戦したときに、やっぱり相手を大きく見すぎていたというか、相手の対処に自分の時間を使ってしまったのが敗因の一つだと思いました。それよりは、自分のいいところをぶつけたほうが勝算があるんじゃないか、とそのときに感じたのもあって、今回はそういう作りをしてきました」
――先ほど、試合がない期間の中で、打撃についてかなり力を入れてきたという中で、破壊力や強さが増してきたというのは手ごたえとして感じていると。
「試合が決まってまだ3、4週間、1カ月も経っていないんですけど、それまでやっていた部分を、すごい無駄を省いていっている感じがしています。それがさらに良くなっているんじゃないかなと自分では感じています」
――「無駄を省いていっている」というのは、パンチや蹴りのどんな部分になるのでしょうか。
「パンチ、蹴りの単体というわけではなく、“どちらも使える”というか、両手も両足も使えるし、それが“全部つながっている”ようにというのを意識しています。なので、パンチ力が上がった、蹴りが強くなったとかよりも、相手にとって“どれが来るか分からない”、そういう部分を強化してきました」
――今まで以上に松嶋選手のタックルを織り交ぜるような打撃であったりとか、よりスムーズに隙間がないような状態でしょうか。
「今までもどうやってパンチからタックルにつなげようとか、そういう部分をいろいろ考えて練習はしてきたんですけど、さらにシームレスになったというか。そういうふうな状態を作れ創れてきたと思うので、そこをしっかりと出せたらなと思っています」
――打撃、特に蹴りを強化されてきたと聞きました。そして先ほど仰ったつなぎの部分でも「蹴り終わりにテイクダウンも頭に入っている」と。それはとても難しい動きのように感じるのですが、MMAの中で融合してきているということなんでしょうか。
「今は“足も手のように動かす”ようなイメージをしているので、前からそう考えてやってきたのですが、足・手、関係なく動いて、なおかつテイクダウンに入れるような動きを作ってはこれたかなと思っています」
――手足、そして左右も関係なくという。練習動画を拝見すると歩くように打撃の練習をしていました。
「はい、そうですね。今までのスイッチしたりとか関係なく、本当にもう歩くような練習、歩くような動きをしていくことによって、自分の体力もだいぶ持つようになりましたし、今までとだいぶ変わったんじゃないかなとは思っています」