キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】35歳で3本目のベルトを狙う良太郎「ここで獲れれば、才能はないけど頑張ってきた成果にはなるんじゃないかな」

2024/11/25 21:11
 2024年12月1日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.6』にて、KNOCK OUT-REDスーパーライト級タイトルマッチ3分5R延長1Rでデンサヤーム・ウィラサクレック(タイ)と対戦する良太郎(池袋BLUE DOG GYM/team AKATSUKI)。自身にとってはBLACKウェルター級に続くタイトル獲得のチャンスが巡ってきたわけだが、ベテランの良太郎はそこにどんなモチベーションを見出しているのか? イメージはもうありますよ ──最近、良太郎選手にはタイトルマッチのたびにお話を伺っている気がしますが。 「そうですね(笑)。まあ、今回も僕が『タイトルマッチやらせろ』と言ったわけでもないんですけど、言われたからやるまでで。何かバズーカちゃんは返上してるし、ねえ(笑)」 ──まあ、前戦の健太戦はワンマッチだったんですけどね。それが2月で、今回は10カ月ぶりの試合になりますが、トレーナーとして多忙なのでコンディションも問題ない? 「まあ、いつも通りですね。年食って忙しくなるのは、ありがたいことなんですけど。教えている選手たちと一緒に練習しているので、自分のための練習もしっかりできてますしね。と言っても、年齢ももう35歳で、10代・20代の頃みたいに、1日3部練を毎日とかはできないじゃないですか。回復も考えながらやらないといけないですからね」 ──コンディションも保ちながらと。 「ただ僕の場合は、1日必ず2~3カ所のジムを回っていて、そこで一緒に練習してますから、自ずと量は多くなりますけどね。自分の試合前の時期は、その中でやることの割合が変わるというだけで」 ──その中で今回はデンサヤーム・ウィラサクレック選手との王座決定戦となりましたが、印象は? 「まあ普通に若くて強い、いい選手だと思いますよ。ムエタイは本家ですからね、テクニックもあるし強いと思います」 ──そこに対して、良太郎選手は首相撲もヒジもガンガン使いますけど、「ムエタイ」ではないですよね? 「そうですね。全くムエタイじゃないです。僕の場合は、以前にいた藤ジムの指導方法が今のいろんなジムとは全然違っていて、『前転・後転を毎日30分やれ』とか『サンドバッグを2時間ひたすら叩け』とかそんな感じで、YouTubeとかもなくて情報もないので、いろんな先輩方に聞いたり、本とかVHSビデオで見たりという感じでしたからね。また、内弟子だったので全員の練習相手をしないといけなくて。そこからですかね。僕はタイ人とか、固定のトレーナーさんに教わってきたわけではないので、そこで作ってきたものですね」 ──そこで「対ムエタイ」はいかがですか? 「僕は人に教えるのはメチャクチャうまいんですよ。特に相手への対策とかはメチャクチャ綿密に立てられるんですよね。だけど、自分でやってないだけで(笑)」 ──やりましょうよ(笑)。 「教える分には、相手の情報があれば、「こうやれば倒せるよ」っていうのを考えて教えるだけなんですよね。それがパッと出てくるんです。『じゃあそれをお前がやれよ』っていう話なんですけど、これがなかなかねえ…(笑)」 ──なるほど。実際、今回はどう戦おうと思ってるんですか? 「イメージはもうありますよ。『倒すならこうだし、倒されるならこうだろうな』というのはすぐ出てくるので」 ──倒される方も(笑)。そのイメージでは、面白い試合になりそうですか? 「なるんじゃないですか。倒せると思いますし。今、『KNOCK OUT』って試合の勝敗予想みたいなのやってるじゃないですか」 ──ファンクラブサイトの『KNOCK OUT VISION』ですね。 「パラメーターみたいなのでみんなの予想が出るじゃないですか。アレとかでも、大多数は僕が負けると思ってますよね? たぶん7:3ぐらいで僕が負けの予想が多いと思うんですけど」 ──その予想からやってるんですか。 「いい意味でも悪い意味でも『トレーナー』なので、勝率の予想はパッと出てくるんですよ。でも、僕の中でも9:1とかというほど低くもないので、倒せる可能性は全然あると思うし、『倒すならこうだろうな』というのもあるので、そこにコンディションをうまく持っていけば、あり得るんじゃないですかね。僕が僕に教えるんだったら、『この技だよ』というのがあるので。それが出るか出ないかは当日のお楽しみですけど(笑)」 [nextpage] どう転んでも判定にはならないと思う ──今回勝てば、『KNOCK OUT』では2本目のベルトということになります。ただここまでお聞きしていると、「是が非でも欲しい!」という感じでもないのかなと。 「いや、獲れればうれしいのは当たり前だし、僕の場合は黒と赤、BLACK & RED、両方のベルトが欲しいと思っているので、そこに対してのモチベーションはありますよ」 ──ただ、キャリアも長くなってタイトルマッチの回数も重ねてくると、気負いやプレッシャーはそこまでないですか? 「そうですね。プレッシャーとかはそこまで…っていう感じですね。僕の場合は、『絶対このベルトが欲しい!』っていう若い子とかとはまた違うモチベーションなんですよ。『獲らなきゃいけない』というのに近いものはありますかね」 ──また『KNOCK OUT』自体も、前回の参戦時からも変わってきていますが、そこはどう見ていますか? 「僕はMMAも含めて、誰よりも多くの格闘技会場にいるんですけど、本当に『KNOCK OUT』は地力を固めてるなと思いますよ。失礼ながら、超大スターの選手がいて、みんなそれ目当てでというわけではないのに、『KNOCK OUT』のお客さんって、他の団体と比べても比較的、メインまでいますよね。他は友達の応援で来て、その試合が終わったらゾロゾロ帰るという人も多いですから。そこが本当に、『REBELS』時代からコツコツと地力を固めてきてるなと思いますね」 ──確かにそうですね。 「今はKOボーナスもけっこう出てますし、なんかすごい施設もできてますしね(笑)。まあそれもスポンサーさんのご協力あってのことで、ありがたいですし、それも含めて山口代表が地力を固めてきた証拠だと思うんですよね。だからすごいなと思います」 ──今回はまた、その団体のいちチャンピオンの座を懸けての試合になりますが。 「まあ僕は元気さんと組んで何かやってるという意味では、一番の古株ですからね(笑)。というより、僕ぐらいですよ。『REBELS』時代から他の団体に行かないで、ずーっとやってるのは。今は選手も出してますし。本当は僕が出した選手たちに赤と黒のベルトを獲らせたかったんですけど、それがここまでできなかったので、自分で獲りたいんですよ。正味、一番デカいのはそこですよ、今回」 ──そうなんですね。そういうモチベーションの選手も珍しいですけどね。 「そうでしょうね。でも僕はこの仕事で、こういう道を自分で選んだので。夢破れた選手とか、夢半ばで崩れた選手とかもいろいろ見てきましたけど、僕はまだ体が動くので。そのチャンスが巡ってくるなら、やってやるかなという感じです」 ──体が動くというだけでは、タイトルマッチには選ばれないですよ。 「そうなんですけどね。渡部太基さんとかも僕の一つ上で、最終章と決めて頑張ってるじゃないですか。そのラストがビッグマッチでのタイトルマッチという形になったのは、格闘技に一途に取り組んできた証明だと思いますし、そこは僕もそうだと思うんですよね」 ──その意味ではここでREDのタイトルマッチというのは、一つの節目でもありますね。 「年末ですしね、30日の大会ではないですけど。ホント、獲れればいいですよね。ここで獲れれば、才能はないけど頑張ってきた成果にはなるんじゃないかなとは思ってます。いやー、哀愁漂ってきちゃったなー(笑)」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「結局、どう転んでも判定にはならないと思うし、今考えているように戦えれば、確実に勝てると思うので、そうなるところを見てもらえればと思います」
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