鋭い打撃とテイクダウンで小野嶋を攻略した石井(左)(C)ゴング格闘技
2022年5月22日(日)18時から「プロフェッショナル修斗 2022 Vol.3」が後楽園ホールで開催(ツイキャスPPV配信)された。
▼環太平洋バンタム級チャンピオンシップ 5分3R
×小野島恒太(王者・初防衛戦/CWD)61.2kg
[判定3-0] ※29-28×2, 30-27
〇石井逸人(挑戦者・同級3位/TRIBE TOKYO MMA)61.2kg
メインイベントは環太平洋バンタム級チャンピオンシップ(5分3R)。前日計量では、王者・小野島恒太(CWD)が61.2kg。挑戦者で同級3位の石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)が61.2kgで、ともにパスしている。
計量後、小野島は「前回ドローっていう結果だったんで、しっかり決着戦、圧倒的に差をつけて勝ちたいと思うので、よろしくお願いします」と、圧勝を宣言。
王座に挑む石井は 「なんか(中村)倫也とかとやりたいとか、手塚(基伸)とやりたいとか、俺とやりたいとか、やりたいやつがコロコロ変わってビッ●野郎なんですけど、まあ、明日は俺だけ見とけって感じです」と、強気の姿勢で王者を挑発した。
苦節13年で第10代環太平洋バンタム級王者に輝いた小野島は初防衛戦。挑戦者の石井とは因縁の再戦となる。両者は2021年10月インフィニティリーグ公式戦で対戦し、ジャッジ3名が1Rを小野島、2Rは石井を支持し、0-0のスコアレスドローとなった。両者共にリーグ戦を無敗で終えたが、勝ち点で上回った石井が優勝。当時環太平洋王者だった“怪物”安藤達也(フリー)への挑戦権を獲得するも、石井は安藤の猛攻にあい最後は肩固めを極められ砕け散った。
その後、石井は3月の後楽園ホール大会で“激闘王”石橋佳大と対戦し、目まぐるしいグランドの展開から電光石火のリアネイキドチョークで見事な一本勝ち。2度目となるタイトルショットのチャンスを手繰り寄せた。
一度はベルト取りに失敗したが捲土重来を期して挑む石井と苦節13年で初のタイトルを奪取した小野島。今回はインフィニティリーグとは違い3R制で行われ、ベルトをかけて決着をつける時が来た。因縁の戦いに終止符を打つのは、小野島か石井か。
1R、石井の詰めに、小野島は押し戻して左をヒット。さらに右カーフキック。大きな右を振って組むと金網まで押し込み。右で差すと左差しに。右で小手に巻く石井は体を入れ替え。左四つでヒザを突く。右足払いを狙う小野島。
再び体を入れ替えるとブレーク。右ローは石井。さらに左ローに小野島がバランスを崩すが立て直す。互いに左ミドル。石井は左回りで右ボディストレート。ダブルレッグの石井をすぐに差し上げる小野島が金網背にブザー。
2R、先に詰めて左で差す小野島はシングルレッグのハイクロッチから右を振る。左で小手に巻き金網背にする石井。ブレーク。
左ジャブの石井に右カーフキックは小野島。ダブルレッグに、差し上げた石井もシングルに入るが、差し上げた小野島。石は左で差して大外刈狙いも崩されない小野島がスイッチからスタンドバックへ。正対する石井に深追いはせず。
左から右を打つ石井。右を当てるとダブルレッグテイクダウン! しかしケージ背にすぐに立つ小野島が体を入れ替え、押し込み右の細かいパンチをこつこつ当てる。
3R、左ジャブ、右ボディストレートを突く石井。ローからの右には小野島も左を返す。左ジャブをこつこつ突く石井。小野島は左ハイ、左インロー。左ハイをガード上に打つ石井。右カーフを打つ小野島。左インローも。石井も左ローを返すと右ストレート。さらにダブルレッグテイクダウン!
フルガードから小野島の立ち際にバックに回る石井。両足はかけさせない小野島がシングルレッグから石井に尻をつかせサイドバックでパウンド! 離れ際でどちらも上を譲らずスタンドに。最後は互いに左右を振るも決定打とならず。
判定は3-0(29-28, 29-28, 30-27)で石井が勝利。環太平洋正規王者となった。ベルトを獲得した石井は「似合うっしょ。もう一個欲しいですね。世界のベルトと統一チャンピオンになります」と世界王者・安藤達也との試合を望んだ。
試合後、バックステージで石井は、小野島対策として「右回りに左ハイを合わせてくるので左を取ってストレートを打つ。重心を落としてフレームを作って組み対策をし、下から組んでくるので右アッパーを合わせようと思っていました。相手の右が見えたので、練習していたおでこで受けて小野島選手は腕が折れたみたいです。カーフは凄く効いていて我慢していました」と語っている。