「本物のチャンピオン」になりたい
5連続一本勝ちを決めたリング上でクレベルは、「次の試合でタイトルマッチ、やりたい。牛久、かかって来い。逃げないでよ」と、フェザー級王者・牛久絢太郎への挑戦をあらためて表明した。
“本物のチャンピオン”になりたい、というクレベルは、次戦の“トーナメント”決勝で、悲願のベルトを手にするつもりだ。
「自分ではトーナメントのイメージでやっているけど、ちょっと長いトーナメントになっていますね(苦笑)、全部で6試合か。次はタイトルマッチかな? 待ちますよ。約束しましたね、榊原さん、次はタイトルマッチで、よろしくお願いします」
RIZINでカイル・アグォン、摩嶋一整、朝倉未来、佐々木憂流迦、萩原京平をすべて一本に極めて勝利したクレベルについて、試合後、榊原信行CEOは、「タイトルマッチまでに1試合挟みたいというなかで、クレベル選手は圧倒的な力を見せましたし、隙がない。タイトルにロックオンして油が乗り切っている。クレベル選手を正式に挑戦者として牛久(絢太郎)現王者と組みたい。夏から秋にかけてタイトルマッチを組ませていただきたいと思います」と、次期王座挑戦者とすることを明言した。
王者・牛久との戦いに、クレベルは自信を見せる。
「私、間違いない。私は何回も日本の強い選手たちと試合をして戦って勝っている。ウシクはまだ、RIZINで戦っているのはサイトウ(斎藤裕)だけ。彼は日本のトップ選手とそんなに戦っていないけれど、私はリスペクトしてる。彼はDEEPとRIZINのチャンピオンだから。だけど、彼はまだ私と同じレベルで戦えないよ。絶対、私が勝ちますよ、間違いない。(ベルトを持った)ウシクにバックステージで言って覚えているのが『“ここまで”じゃなくて“これから”ね。待っててください、私、絶対あなたに勝ちますよ!』って。自分はいつも“アカボー”(フィニッシュ)だから。今日は“ボペガー”(極める)を言わなかった。次は絶対に言う。三角(絞め)で極める」
ベルト獲得後の展望まで聞かれ、「たぶん引退です」といたずらっ子のような表情で「冗談、冗談」と笑ったクレベル。続けて、自身の首を狙う相手との再戦も視野に入れていることを語った。
「ベルトを取ったら、リベンジ(を受ける)じゃないけど、私、朝倉(未来)ともう一回戦うかもしれないかな? それは逃げられない(笑)。私が朝倉とやりたいのは(ファイト)マネーがいいから。でも朝倉はリスペクトしていて日本のトップ選手だから。彼がもう1、2試合したら、私は待っていますよ。あるいは、Bellatorの選手かな。面白いと思う。サトシ先生と一緒に2人がベルトを持ってBellatorの選手と戦うのは。同じようにお金は大事です。自分は子どもがいっぱいいるから、家族を助けるためにお金が大事です」
危うさと同居する、たしかな自信。報われぬ日々を送って来たハングリーさをいまなお持ち続けるクレベルは、いよいよベルトと、その先に向かう。