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インタビュー

【RIZIN】なぜ平本蓮は鈴木千裕に敗れたのか──両者と陣営が語る、LANDMARKメインイベントで起きていたこと「鈴木千裕のやりたい事を相手に押し付ける作戦、徹底的にMMAをやろうと伝えました」

2022/03/07 14:03
【RIZIN】なぜ平本蓮は鈴木千裕に敗れたのか──両者と陣営が語る、LANDMARKメインイベントで起きていたこと「鈴木千裕のやりたい事を相手に押し付ける作戦、徹底的にMMAをやろうと伝えました」

(C)RIZIN FF

 2022年3月6日(日)都内某所で『RIZIN LANDMARK vol.2』が開催され、Exciting RIZINほか全9社でPPV配信された。

 そのメインイベント、フェザー級(66.0kg)で、現KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者でMMAとの二刀流を戦う鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)と、元K-1の平本蓮(ルーファスポーツ)が対戦した。

 試合は、1Rに右ストレートを当てて片ヒザを落とさせた鈴木が、力強いテイクダウンで平本を削り、5分3R、判定で勝利した。

 鳴り物入りでMMA転向を果たし、初戦の萩原京平戦の敗戦から米国修行も経て、1年3カ月ぶりの満を持した2戦目で、なぜ平本蓮は敗れたのか。そしてMMA6勝3敗の鈴木はいかに勝利したのか。

 試合のヤマはいきなり初回で訪れた。

 宣言通り、テイクダウンを恐れず、近い距離での精緻な打撃戦を仕掛けた平本は圧力をかけ、先に中央に出てワンツーの右をかすめる。鈴木もコーナーに詰まりながらも右フックを当て、左縦ヒジで押し返すと、リング中央、ノーモーションの右ストレートで平本に片ヒザを落とさせた。

 この瞬間を鈴木は「そこが空いてたから」という。

「ガードの真ん中が開いていたらストレートを打つし、左右が空いていたらフックを打つって感じでした。相手を見てそこが空いてたので打ちました」と、“剛腕”だけじゃない、軌道を変えての強打は、平本の動きを見ながら、打ち分けたものだとした。

 そこには、キックボクシングとグローブが異なる“効かせ方”があった。

「本当はフックで突き通そうと思っていたんですよ。フックをバンバン打って倒そうと思っていたんですけれど、あまりにもガードがしっかりしていたので、じゃあガードの上からじゃなくて直接生身に当てないとダメだなと思ったので、そこでシフトしてストレートに変えました。(ボクシング)グローブだったらガードの上からでも(重さがあって)倒せるんですけれど、オープンフィンガーグローブだとなかなか振動を伝えられないので。これは試合の中で学びましたね」

 その右ストレートの前に鈴木は左の縦ヒジ。これで押し戻された平本は、再度圧力をかけに行ったところに、ノーモーションの右をアゴに打ち抜かれた。そのとき、平本も左を合わせに行っており、カウンターでの一撃となった。

「ちょっと出会い頭に、自分も倒す気に、打ち気になっていた部分でのあれなんで。(鈴木は)いい拳を持っていた。でも全然問題ないです、怪我はないです」と平本は、腰を落とした瞬間を振り返る。

 ここでラッシュに来た鈴木の右をダックしてかわした平本は、その動きから中腰のままダブルレッグテイクダウンへ。これを瞬時に左で差し上げた鈴木は四つに持ち込むと先にクラッチ。しかし、それを背中ごしに切って体を入れ替えた平本が逆に押し込み、左の片手で首相撲から右ヒザ、右ヒジを突く。

 鈴木は今度は左のフック、平本が打ち下ろしの右を効かせて打ち合いに自信のノーガードで歩み寄ると、ここに鈴木はカウンターの左縦ヒジ! 鈴木は独特の肩回りの柔らかさからフックをねじ込むように角度をつけて打ち下ろし。そこに大振りになった平本が右を打つと、鈴木は四つに組んだ。

 ここで試合の趨勢を分ける、鈴木の組みの動きがあった。

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