(C)ONE Championship
2022年3月11日(金)シンガポール・インドアスタジアムで開催される「ONE:LIGHTS OUT」の主要カードが17日、発表された。MMAとムエタイで3つの世界王座戦が行われる。
▼ONE世界バンタム級選手権試合 5分5R
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)王者
ジョン・リネカー(ブラジル)挑戦者
ビビアーノvs.リネカーは当初、2021年12月に開催予定だった「ONE X」で組まれていたが、大会延期に伴い、2022年2月11日の「ONE: BAD BLOOD」のメインイベントにいったん決定。しかし、現地入りしたリネカーに新型コロナウイルス陽性反応が出て、延期に。今回の3月11日の大会で行われることが発表された。
王者・ビビアーノは、2019年10月のケビン・ベリンゴンとの4戦目をリアネイキドチョークで一本勝ちして以降、試合から遠ざかっており、2年4カ月ぶりのファイトで、“最強挑戦者”リネカーを迎え撃つ。
“石の拳”の異名を持つ元UFCファイターのジョン・リネカー(ブラジル)は、2008年にMMAデビューからMMA34勝9敗のベテラン。2012年にUFCに初参戦し、UFC12勝4敗と大きく勝ち越し、2019年10月にONEに参戦。ムイン・ガフロフを判定で下すと、2020年11月に、元ONE世界バンタム級王者のケビン・ベリンゴンを2R、左右の強打でTKO。2021年4月の前戦では、ロイ・ウォーゼンも1R、右ストレートでKOに降し、3連勝で王座挑戦を決めていた。ONEバンタム級1位。
▼ONE世界フェザー級選手権試合 5分5R
タン・リー(米国)王者
ゲイリー・トノン(米国)挑戦者
ONEフェザー級王者のタン・リーはMMA12勝2敗。2020年10月にマーティン・ニューイェンを3R、左右フックの連打でTKOに降し、王座奪取、ベルトを巻いた。
父からテコンドーを、ライアン・ホールから柔術を習ったというベトナム系米国人ファイターのリーは、“ノックアウト・アーティスト”として知られ、2019年5月のONEデビュー以来、ユサップ・サーデュラエフ、元ONEライト級世界王者の朴光哲、高橋遼伍、そしてニューイェンをいずれもマットに沈め、ONE4戦負け無しだ。
対する2位のトノンは、MMA6勝無敗。最先端グラップリングを志向するヘンゾ・グレイシー&ジョン・ダナハーを師に持つグラップラーで、グラップリングの試合では、クロン・グレイシーを追いつめ、マーチン・ヘルド、青木真也や北岡悟にも一本勝ちの戦績を持つ。
2018年3月のMMAデビュー後、しばらくは組み技はテイクダウンからポジションを奪い打撃を当てるために使い、最後は絞め技でフィニッシュしていたが、2019年5月に中原由貴に1R、後転からの外ヒールフックを極めて、足関節を本格解禁。コロナ禍でもグラップリング大会で活躍し、2020年12月には松嶋こよみに組みの圧力で判定勝ちしている。
50/50柔術でライアン・ホールともトレーニングを積むタン・リーはレッグロックの対処に不安はなく、半身気味の遠間に立ってテイクダウンをディフェンスし、打撃で優位に立つか。それともトノンが新たな組みへのセットアップを見せるか。
▼ONE世界ストロー級ムエタイ選手権試合 3分5R
プラジャンチャイ・PK・センチャイムエタイジム(タイ)王者
ジョセフ・ラシリ(イタリア)挑戦者
2021年7月のONE初参戦で、いきなり王者サムエー・ガイヤーンハーダオに挑戦したプラジャンチャイは、蹴り足を掴んでの右ストレートでダウンを奪うなど、5Rの判定2-0でサムエーに勝利しベルトを巻いた。
プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者で、ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。
スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人で、パンパヤック、ルンキット、プーンコン、ピチットチャイといった一流強豪ファイターたちと拳を交えてきた26歳だ。2021年3月には7チャンネルのTVマッチでロンナチャイからも勝利を収めている。
対するラシリは、WBCムエタイ世界バンタム級王者で、ラジャダムナンスタジアムでイタリア人として初めて勝利を収めた選手である。2018年1月にONEでサムエーに敗れているが、2019年3月の両国大会では秋元皓貴と対戦し、秋元にプロ初黒星を付けた一戦が光る。ONEでの戦績は3勝4敗。2021年は4月にパンペッチ・オー.ピティサックに判定で敗れたが、12月に品川朝陽を1R、左ヒザでKOに降している。被弾しても強いハートで前進し、ヒザを当てる“ハリケーン”は、格上のプラジャンチャイを攻略することが出来るか。