2025年4月6日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2025 vol.2』(U-NEXT配信)にて、第4試合のKNOCK OUT-BLACK -56.0kg契約3分3R延長1Rで福田拓海(クロスポイント大泉)と対戦する前田大尊(マイウェイジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
前田は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで4冠王に。プロでは2023年7月に一航からハイキックでダウンを奪っての勝利で名を挙げ、2024年2月にはWBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座決定戦も行っている(判定負け)。「KICKBOXING JAPAN CUPスーパーバンタム級トーナメント」の1回戦では一航を返り討ち、12月の準決勝で壱・センチャイジムに敗れた。戦績は9勝(1KO)4敗の19歳。
僕がベルトを獲る流れ
──昨年末の横浜武道館大会では、待望していたKNOCK OUTへの初参戦が実現しました。実際に出てみてどうでしたか?
「11月のNJKFの大会で開幕したトーナメントで、1回戦で勝って自分で掴み取ってKNOCK OUTに出られたことは、自分としてもうれしかったです。当時はビッグマッチということもあって、演出から雰囲気からすごく楽しくて、見てる人もワクワクしたと思うんですけど、僕自身もすごくワクワクして、楽しかったです」
──試合の方はトーナメント準決勝、壱・センチャイジム戦で敗退という結果でしたが、今振り返ると?
「延長判定負けだったので、みんなからは『惜しかったね』と言われたんですが、勝つか負けるかの差が僕自身、すごく大きいと思っていました。負けてしまったのは僕の経験不足が理由でもありますが、次に生かせるような一戦だったなと思います」
──前田選手は今19歳とまだまだ若いですが、対戦相手には王者クラスも並んでいますよね。その中での自分の現状をどうとらえていますか?
「もともと僕がキックを始めた頃から見ていたような選手たちともたくさん対戦できて、そういった選手たちと張り合える状況にいるというのは、自分自身すごく不思議な感覚ではいるんですけど、やっぱり僕のやってきたことがそこにつながっているんだと思うので、物怖じせずにこれからもどんどん挑戦していけたらと思っています」
──トーナメントでも大田一航選手に勝ったりと実績も積んでいる中、ただ、残念ながらタイトルにはまだ手が届いていませんが。
「タイトルは、僕自身ほしいというのはもちろんあるんですけど、肩書きに過ぎないという思いもあって。それよりは『誰に勝ったか』が大事だと思っているんですね。一航君はすごく因縁のある相手で、タイトルとか関係なく彼に勝ったという称号の方がうれしかったですね」
──今回の相手は福田拓海選手。前田選手よりは年上ですが、キャリアでは前田選手の方がだいぶ上という図式ですね。
「そうですね。福田選手の試合映像を見ると、勢いと迫力のある選手だなとは思いましたが、自分がここでつまずいていたら話にならないというか。俺がどういう勝ち方をするかというのを見せるだけの試合だと思っています」
──なるほど。ただ、勢いについては警戒している?
「もちろん。パンチが強いので、そこは注意したいと思います。ただ、そのパンチを生かして自分が優位に進められるような戦い方を考えているので、その意味で言えば、怖い部分でもあり、チャンスでもあり、という感じだと思っています」
──確かに前田選手は、勢いやパワーというよりも、「戦い方」で勝ってきている印象があります。そこは自分でも意識しているところですか?
「そうですね。毎回緻密に作戦を立てていて、相手にどういう特徴があって、それに勝つには自分はどういう能力を習得していかなきゃいけないのかというのをいつも考えていますし、その中で自分の長所を生かせる場面というのはすごく考えているんですね。だから直感で戦うとか、その時の自分に任せるというのもあるんですけど、僕がここまで来れているのは、そういう頭を使う戦い方ができているからだと思うんですよね。これからもそこは大事にしていきたいですし、今回もすごく考えて練習しています」
──では、今回はどう戦ってどう勝ちたいですか?
「やっぱりKNOCK OUTではKOが期待されると思うんですよね。これまで自分の中では、倒せる武器はあってもそれを使う能力がなかったという感じだったので、判定の方が多かったんですよね。だから倒せる武器を磨いていて、だけどそれはいくつもあっても仕方ないので、自分の中で『これとこれ』と決めてやっているので、そこを楽しみに見てほしいなと思います。具体的に何なのかは、試合を見てのお楽しみですが」
──KNOCK OUTでは2戦目になりますが、このリングでの目標も見えてきていますか?
「ベルトは大きな目標ですね。自分がどういう勝ち方をしていけばそこにつながるかというのは分かっているので、ここは何としても圧倒的に勝って、ベルトにつなげたいなと思っています」
──前回のトーナメントはヒジありでしたが、今回はBLACKルールです。そこはどちらでもという感じですか?
「そうですね、どちらでも大丈夫です。ただ、ヒジなし、首相撲なしというルールは初めてになるので、やってみてすごく噛み合えばBLACKも獲りにいきたいと思っています。まあ僕自身、ヒジも首も得意というわけではないので、本当にどちらでもという感じですね」
──ちょうどBLACKスーパーバンタム級は前王者の古木誠也選手が返上して空位になりました。
「本当にタイミングよく空きましたよね。これは僕が獲る流れでもあるのかなと思っています」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょうか?
「先ほども話しましたが、本当に倒すことを考えて毎日練習していて、それがどう出るのか、前田大尊がKOする戦い方というのを、楽しみにしていてほしいです」