キックボクシング
レポート

【NJKF】渡辺久江(久遠)5年のブランクは大きかった、最終回で勝負に出るも祥子に判定負け「行けなかった」

2021/11/01 18:11
【NJKF】渡辺久江(久遠)5年のブランクは大きかった、最終回で勝負に出るも祥子に判定負け「行けなかった」

手数の少ない久遠(左)に左ミドルキックを見舞っていく祥子 撮影/安村発

ニュージャパンキックボクシング連盟『DUEL.22』
2021年10月31日(日)東京・ゴールドジムサウス東京アネックス

▽第1部

▼メインイベント ミネルヴァ アトム級ランキング戦 2分3R
〇祥子JSK(治政館/ミネルヴァ アトム級3位)
判定3‐0 ※30‐29、29-28、30-28
×久遠(=渡辺久江/ZERO/初代DEEP女子ライト級王者)


 今回、リングネームを久遠に変更する渡辺は2002年4月にMMAでデビューし、得意の打撃で活躍。パンクラスとスマックガールで一時は9連勝を飾り、2004年5月にはTBSのゴールデンタイムで2週にわたって放映された『黄金筋肉 女子総合格闘技最強女王決定トーナメント』で優勝。2006年8月にはしなしさとこを歴史に残る豪快KOで破り、DEEP女子ライト級王座に就いた。2007年12月に一度引退したが、2016年2月に復帰。2月に『WSOF GC JAPAN』でイ・イェジを右フック一発でKOし、大きなインパクトを残したがMMAは2016年6月の試合が最後に。


 2002年9月からは女子ボクシングとの“二刀流”で2勝1敗1分の戦績を残す。さらに2003年1月からはキックボクシングとの“三刀流”で活動し、全日本キックボクシング連盟の女子大会『Girls SHOCK』のエースとして活躍。IKUSA -U50 初代戦女王決定戦、WPMF日本女子ミニフライ級王者決定戦などタイトルマッチも経験し、2010年8月にはシュートボクシングでRENAとも拳を交えている。キックボクシングでの戦績は9勝3敗1分(シュートボクシングも含む)。


 今回は2016年大晦日に岡田敦子にキックルールで勝利して以来の試合となる。


 対する祥子はアマチュアで試合を重ね、2012年6月にプロデビュー。出産から約6年間のブランクを経て、2019年1月にリングに復帰した。現在は2人の子どもを育てながら選手として活動するとともに、所属ジムとフィットネススタジオを代表として切り盛り。平岡琴、ぱんちゃん璃奈、Ayaka、伊藤紗弥といった強豪たちと拳を交え、タイトルマッチ経験も多い。前戦は2021年5月に『KNOCK OUT』でミネルヴァ・アトム級王者erika(=名前の後にハートマーク/SHINE沖縄)に判定で敗れている。


 1R、祥子がプレッシャーをかけながら左ミドル。久遠は距離を取りながら下がり前蹴り、飛び込みながらパンチを振るう慎重な攻め。


 2R、祥子は左前蹴り、左ミドルを久遠のボディに突き刺して削っていく展開。久遠は右ストレート、右ミドルを返すものの試合感覚が取り戻せてないのか、手数は少なく、このラウンドもひたすら下がるのみで印象は良くない。ジャッジ三者とも祥子を支持。


 3R、勝負に出た久遠はようやくパンチを強引に当てていく。祥子も左の蹴りを出して、パンチでも応戦。ラッシュを仕掛ける久遠がパンチをヒットさせる場面もあったが、時間切れ。判定で勝利した祥子は大泣きした。


 よほど悔しかったのか、久遠は試合後から翌日までSNSに投稿を連投。「1、2R行けなかった」「なんで蹴らなかったんだろう」「やっぱスタミナ怖くて行けなかったんだな」との反省から「もうね、色々取り戻した感。次の試合が楽しみ」「祥子選手リベンジするぞ〜!」「試合したい」「KOしたい」と徐々にポジティブなものへと変わっていった。

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