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【ONE】アトム級世界GP1回戦で平田樹が判定勝ち、ハム・ソヒとスタンプはスプリット判定制す、フォガットが番狂わせでメン・ボー降す! リザーブマッチで山口Mei敗れる、ジンナンがストロー級王座防衛

2021/09/03 20:09

▼女子アトム級ワールドGP1回戦 5分3R
〇平田 樹(日本)MMA5勝0敗 52.2kg, 1.0036
[判定3-0]

×アリース・アンダーソン(米国)MMA5勝2敗 52.15kg, 1.0176


 前日に行われた計量&ハイドレーション・テストでは、日本から女子アトム級(※52.2kg)ワールドGP1回戦に出場する平田樹(日本)がリミットジャストの52.2kg、ハイドレーションも1.0036でパス。初のハイドレーション・テストに臨んだアリース・アンダーソン(米国)も52.15kg(1.0176)でパスした。


 フェイスオフでは、平田とアンダーソンはともにマスクを着用し、平田は金髪のコーンロウに編み上げ、日の丸を背に登壇。アンダーソンは星条旗カラーに髪を編んで平田と向かい合った。

 身長157cm・リーチ159cmの平田に対し、身長166cm・リーチ168cmのアンダーソン、ともにスニーカーを履いてのフェイスオフだが、向かい合うと数字ほどの身長差は見られないものの、左手を挙げたアンダーソンのリーチの長さが際立っている。


 フェイスオフ後、平田は「俺は強い そしてかっこいい」「誰もなれない どこにもいない存在」と投稿。試合に向け、集中力を高めている。

 22歳の平田は、講道館・春日柔道クラブで柔道を始め、名門・創志学園柔道部でインターハイに出場。高校卒業後にMMA(総合格闘技)に転向し、2018年9月の、AbemaTV『格闘代理戦争』3rdシーズンで優勝し、いきなりONE Championship本戦のプロ契約を勝ち取った。


 その後、ONEでアンジェリー・サバナル、リカ・イシゲ、ナイリン・クローリーを相手に3連勝。2021年2月22日の「Road to ONE:4th Young Guns」では中村未来にTKO勝ち。ランキング外から一気にGP出場を果たしていた。

 対する米国のアリース・アンダーソン(26)は、伝統派空手出身でMMA5勝1敗。Invicta FCで2連勝中で、唯一の黒星は2017年の紫乃ヴァンフース戦でのスプリット判定負け。フロリダでコロナ病棟の看護師を務めながらMMAトレーニングに励んでいたが、今回のONEとの契約を機にフルタイムファイターとなった。


 アグレッシブな打撃と柔道ベースの強い投げ&パウンド・極めで勝ち星を積み上げてきた平田。長い手足を活かして前蹴り、前手で距離を支配し、柔術ベースの組み技でコントロールするアンダーソン。

 柔道経験者のコーチのもと、平田の投げを徹底研究。投げに入る前のスタンド、組んでから、投げられてからの動きもシミュレーションし、対策を練ってきたという。スタンドでは、素手ボクシングの「BKFC」で元UFCのペイジ・ヴァンザントを降したレイチェル・オストビッチとともトレーニングしてきた。


 平田は、前戦のフィニッシュまで封印していた柔道技を今回は全面的に解禁。打撃練習と並行してグラップリングに力を入れてきたことを明かしており、組むための打撃、そしてアンダーソンが柔道を研究していることを知った上で、その想定を上回る、と語っている。

 先に入場は星条旗を背にしたアンダーソン。続いて平田が日の丸を背に登場。パートナーでセコンドの山本アーセンと同じ入場曲で花道を進む。「イツキ・アンドロイド18・ヒラタ」とコールを受ける。


 1R、ともにオーソドックス構え。詰める平田。右ローにアンダーソンは左ストレートを合わせる。平田の組みを切るアンダーソン。左の蹴りを打つが、アンダーソンも右の蹴り返し。ワンツーから右で押し込むアンダーソン。左で差して四つに組む平田にアンダーソンはバックテイク狙い。


 首投げにいかずボディロック&足技で前に崩して上を取る平田! フルガードの中に入れるアンダーソン。平田は金網まで詰めて右でパウンド。ハイガードに持っていくアンダーソン。三角絞めを狙う。潰して右を振る平田に下から三角を組んでエルボーを打つアンダーソン! 平田は離れて上になって足を蹴る。蹴り上げを狙うアンダーソン。下のままゴング。


 2R、詰める平田。ワンツーの右はアンダーソン! 互いに右ロー。ジャブからワンツーのアンダーソン。右ローには左。しかし頭を下げて右フックは平田。右で差して組む平田。脇を差したまま払い腰テイクダウン! サイドを奪うが、下のアンダーソンは両足で頭を挟み、後方回転で亀に、それをがぶってヒザを突く平田! 再び抑え込んでサイドからキムラを狙う平田の頭に長い足をかけるアンダーソン。ガードに足を戻すのではなく、長い足を使ったスイープ狙いも頭を抜く平田はサイドで上からヒザ蹴り。右脇を差したまま抑え込みパウンドでコントロール。


 3R、圧力をかける平田。ともに右ロー。平田は詰め返すアンダーソンにダブルレッグも切るアンダーソンはワンツーの右を当てると背中を向ける。詰めるアンダーソンは左右。右のバックフィストをかすらせるアンダーソン! 平田が下がりながら右を打ったところに、アンダーソンは一瞬頭を下げての右のオーバーハンドでダウンを奪う! すぐに立つ平田はシングルレッグから立ち上がり、詰めて首投げにするが、すぐに頭に両足をかけて体を入れ蹴るアンダーソン! 詰めるのはアンダーソン。平田の投げを凌ぎ、左で脇を差す。


 両脇を差したアンダーソン。ヒザを入れるが、体を入れ替えた平田が最後に払い腰テイクダウン! サイドを奪うと左手で細かいパウンド、ヒザでゴング。


 全ラウンドを通したトータルジャッジのONEだが、1、2Rを支配したのは平田。最終ラウンドのダウンがニアフィニッシュと取られれば、危ういスコアだが……。


 判定は3-0で平田が勝利。テイクダウン&コントロールの平田が、危うい場面を乗り越え、勝利を掴むも笑顔は見せなかった。

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