パンデミックのコロナ感染者病棟で12時間のシフトは本当に辛かったけど──(アンダーソン)
──アンダーソン選手が格闘技をしながら病院で勤務していたことについて、知らないファンの方もいると思うので、詳細をお聞かせください。
アンダーソン このパンデミックの影響で長い間、戦うことが出来なかったという選手も多いと思います。でも私は、パンデミックの期間にコロナ感染者の病棟で働いていていました。その経験は、精神的に私を非常にタフにしてくれました。12時間のシフトは本当に辛かったですが、困難に立ち向かってきました。精神面で強くなることが出来たと感じています。病院での仕事を退職して、格闘家に専念する機会を得たことで、よりハングリーに、より集中して臨めるようになりました。どんなチャンスでも得られることは素晴らしいです。
──アンダーソン選手にとって、アジアで戦うことは初めてになりますが、米国での試合よりも脅威になりますか。
アンダーソン 私にとって脅威になるとは思わないですが、全く違った試合の様相になると思っています。特に新型コロナウイルス感染拡大の影響で、非常に厳しい対策がとられているので。ですが、私にとっては同じケージの中で戦う格闘技の試合です。どこにケージがあろうと、何が起きようと関係なく、私は同じパフォーマンスを出すことが出来ます。
──平田選手は現在22歳。とても若くしてONEのトップファイターとなり、今回の歴史的な大会に参戦することはどんな意味がありますか。ご自身が活躍することで次世代の女性アスリートにどんな影響を与えられると思いますか。
平田 若いからというより、まだ3戦しかしていないのに出させてもらえるのは、きっとONEからも試されているんだと思います。でも、これだけ若いだけあって出来ることもたくさんあると思います。まだまだ、これからたくさん経験を積んでいけると思うと楽しみでしかないです。これから下の子達が来ると思うと、その子達がなりたい選手、憧れる選手になりたいとすごく思います。
──アンダーソン選手も26歳です。今大会への出場で、次世代の女性アスリートにどんな影響を与えられると思いますか。
アンダーソン 女子だけの大会で戦うことで、私は若い世代の女子たちに影響を与えたいです。男性陣が独占してきたスポーツの中で、女性が成功できることを証明したいなと思います。女子だけの大会に参戦できることは本当に光栄なことですね。もちろん、これまでも私は、Invicta FCで女子だけの大会を経験してきました。私たちのような若い女子でも、男性に注目が集まるこのスポーツで成功できると強く言いたいです。女子にとってもワクワクする場所です。
──アンダーソン選手にとっては、今回がONEデビュー戦になります。自身のことをアンダードッグだと感じますか。
アンダーソン 私はこのトーナメントで最大のアンダードックだと感じています。その理由は、ONEで対戦したことがないからです。でも逆に、誰も私が善戦することを期待していないので、プレッシャーを感じる必要がないです。女子アトム級世界GPに選出されるだけの実力があることを証明するだけです。私がアンダードックと呼ばれていることは理解していますが、特に気にならないですね。
──5月から延期になり、他の選手のように自分をプロモーションする時間を作れたと感じますか。
アンダーソン そうかもしれませんが、私はまだONEで対戦したことがないので自分を宣伝することは難しかったです。他の選手は試合の映像があるので割と簡単に宣伝できますよね。ですが、もうそれほど気にしていないです。私はとにかく試合で実力を出して、他の女子と同様に押し出すのに値した選手であることを証明するだけだと思います。
──平田選手は試合でアンダーソン選手がどんなアプローチで来ると思いますか。
平田 柔道の対策はしてくるんじゃないかなと思うんですけど、自分は柔道に拘らずなんでも対応できる練習はしてきたので大丈夫だと思います。
──平田選手、身体がフィットしているように見えますが、この大会に向けてどのような練習に取り組んできましたか。
平田 今まで取り入れていなかったウエイトトレーニングを取り入れました。海外の選手は皆んなフィジカルが強いので、ただ減量するのだけではなく、筋肉をつけて絞っていこうと思いました。一番大きく影響したのはウエイトトレーニングだと思います。