僕は12歳の時からタイクリンチをやっている
【写真】サンフォードMMAにて。ONE参戦中の若松佑弥、 It's Showtimeブラジル王者のエマーソン・ファルカオ、UFCバンタム級2連勝中のランディ・コスタらとともにトレーニングするフィジエフ
──フィジエフ選手のファイトスタイルは、相手の攻撃に、体重を乗せたフックで対抗するという印象を持っています。真っ向勝負では非常に強いですが、今回の対戦相手のボビー・グリーン選手のように、ガードが低く距離をとってくる選手にも当てることは可能でしょうか。
「これまで何度も同じようなタイプの選手と戦ってきたけど、彼らは自分の本能だけに従う人たちなんだ。それが手を下ろして、距離をとって戦うのが好きということなんだろうね。僕も本能のままに戦うけど、本能だけではなく、自分のスキルも使って戦うよ」
──では、グリーン選手のヒジ打ちを含めたスタンドスキルについてはどう感じていますか。
「ボビーは強いし、立ち回りも上手だ。そしてクリンチワークも好むけど、僕は12歳の時からタイクリンチをやっている。クリンチが“超うまい”とは言わないけど、彼にハードな戦いをさせるだけのスキルは持っているよ」
──グリーン選手が前戦でチアゴ・モイゼス選手に接戦の判定で敗れた試合は、フィジエフ選手にとってヒントになったでしょうか。
「あの試合を見たけど、僕は彼(グリーン)が勝ったと思っているよ。その意味で僕は彼をより理解していると思う」
──フィジエフ選手は、2020年12月の前戦「UFC256」で、ベテランの強豪レナート・モイカノ選手を1R KOで下し、3連勝を飾りました。この連勝が意味するところは?
「僕にとってそれは、特に変わったことは何もなく、“ただの連勝”なんだ。過去の勝利は今の僕の助けにはならない。今は新しい戦いがあるので、そこに向かうだけさ」
──この試合を越えての目標は何でしょうか。
「非常に近い時期に、たぶん2カ月後にはまた戦いたい。10月とかね。年明けまでに、最低でももう1回は戦いたいね。
正直に言うと、評価されることはプロスポーツにおける僕の究極の目標だ。栄光のために、認められるために、お金のためにやっている。ファンにエキサイティングなパフォーマンスを見せてボーナスの記録を残したい。でも、お金だけあっても幸せにはなれないし、お金がない栄光だけでも不十分だ。栄光とお金の両方を手に入れることが、僕の努力のモチベーションになっているよ。そしてそれを続けていくことでタイトルにつながると思っている」