MMA
インタビュー

【UFC】“マトリックス避け”で魅せる、UFC3連勝中のラファエル・フィジエフ「ムエタイだけをやっていたわけじゃない。MMAはいつも近かった」

2021/08/07 13:08

MMAとキックボクシングの違いは、グラップリングがあるということだけじゃない

──そして現在同じくUFCで5連勝中のムスリム・サリコフがメインに出ていた大会で、フィジエフ選手はプロMMAデビューしたと。「トヨタムエマラソン」が2016年と2017年ですから、当時はMMAとムエタイの試合を並行して戦っていたのですね。

「その通りだね」

──ワンデートーナメントの「トヨタムエマラソン」では決勝戦に進出し、現在ONEムエタイでも活躍するソーグロー・ペッティンディーアカデミーとも対戦しています。あの大会では、フィジエフ選手がUFCでも見せた話題の“マトリックス”スウェーでハイキックをかわすハイライトリールが拡散されましたが、ボディ打ちから顔面という、現在のUFCでも使っているコンビネーションも見せていましたね。あの動きはMMAで使いこなす選手はなかなかいないように感じます。

「それは、僕がテイクダウンを必要以上に恐れていないからだよ。ムエタイは僕の基本スタイルだけど、常に様々な格闘技のトレーニングを受けてきたからね。今回はタイガームエタイに加え、サンフォードMMAでも練習してきた。最大の課題は、自分のレスリングやグラップリングのスキルをより高いレベルに引き上げることだった。MMAと、ムエタイやキックボクシングの違いは、グラップリングがあるということだけじゃない。試合のダイナミクスや距離感が違うから、打撃パートも調整しなければならなかった」

──組み技の下地があるから、あの打撃が打てると。ピョートル・ヤンなど多くのUFCファイターが訪れるタイガームエタイでは、あなたは、キックボクシングのコーチも務めているそうですね。現役ファイターでありながら、指導も受け持つことの利点は何でしょうか。

「コーチングが僕に役立つのは、毎日集中しなければならないこと。毎日、何を教えるかを考える必要があるんだ。コーチの中には、月曜・火曜・水曜で同じことをして1週間の計画を立てる人がいるけど、僕はそれが好きじゃないんだ。毎日、もっと学びたいから。テコンドーやボクシングのビデオを見て、そこからフットワークを取り入れ、あそこからコンビネーションを取り入れ、ここから頭の動きを取り入れて……と、生徒に教えるために一緒に学ぶんだ。コーチするためにはその動きの意味を理解していないといけないからね。毎日、そのことに集中し、このスポーツに参加し、試合のある生活を送っている。だから教えることは、僕にとってとても役立っているよ」

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