MMA
インタビュー

【UFC】暫定王座戦ルイスvs.ガーヌは“真のヘビー級最強を決める戦いの始まり”(高阪)=8.7 「UFC265」

2021/08/05 10:08

ガーヌはこれまでピンチらしいピンチを経験してない

――そんなルイスに対して、シリル・ガーヌは長身で運動能力が高く、非常にバランスの取れた“戦士”という感じの選手です。

「本当に対照的ですよね。ルイスはベタ足で強打を振るうタイプですけど、ガーヌはもともとサッカーやバスケットボールの選手だったからか、サイドステップをはじめとした、ステップワークがすごくいいんですよね。あんなにデカい選手なのに、オクタゴンを前後左右、縦横無尽に動くことができる。それはやはり、もともとやっていた競技が影響しているのかもしれない。サッカー、バスケなんて、サイドステップが踏めないと、話にならない競技ですから」

――そのフットワークがあるからこそ、MMA転向前、キックボクシングでも13戦全勝という戦績を残せたのかもしれません。

「身体能力が高いんで、いろんなことに対応できるし、余裕を持って戦えてるんですよ。また、フットワークと距離感をつかむのが非常に上手いので、相手からすると自分の距離設定にさせてもらえないんです」

――ジャルニーニョ・ホーゼンストライクなんかも、翻弄されてしまっていました。

「結局、“追いかけっこ”になったら、ガーヌの方が速いので、捕まえられないんですよ。ガーヌは踏み込みも速いし、相手から離れるのも速い。だから自分の打撃だけ当てて、相手の打撃はもらわないことがしっかりできる。ヘビー級ではなかなかいないタイプですね」

――“蝶のように舞いハチのように刺す”ことができると。

「動き的にはそうですよね」

――だからこそ現在MMA9戦全勝、UFC5戦全勝とパーフェクトレコードを誇っているという。

「ガーヌはこれまでピンチらしいピンチを経験してないんですよね。だけど逆に言うと、そこが若干の心配材料でもあるんですよ。自分のペースで試合を進められているときは自在に動けますけど、相手が構わずバンバン出てきてピンチに陥ったとき、果たして彼本来の動きができるのかっていうのは、まだ未知数ですから。もし、デリック・ルイスの重いパンチをもらって効いてしまったとき、どう戦えるか。そこに興味がありますね」

――そういう危機に陥る状況こそガーヌにとって未知の領域なので、そこで本当に力を発揮できるかが、心配材料だと。

「そうですね。ただ逆にいうと、今のところそれぐらいしかガーヌにウイークポイントは見当たらないんですよ。あえてそれを指摘する必要はないのかもしれませんけど、本当に目指す頂、ヘビー級の正規チャンピオンは圧倒的な強さを誇るフランシス・ガヌーですから。“今のうちに”と言ったらおかしいですけど、本当の意味でのコンプリートファイターになっておかないと、今回ルイスに勝てたとしても、フランシス・ガヌーとの統一戦になったとき、さあどうなのかという」

――今回はあくまで暫定王者決定戦ですから、その後の正規王者ガヌーを倒すことまで考えて、自分を作り上げる必要があるということですね。

「シリル・ガーヌの場合はそうですね。一方、ルイスが暫定王座戦で勝ってフランシス・ガヌーと統一戦をやっても、いつもとあまり変わらない試合をすると思うんで(笑)。フランシス・ガヌーであろうとも、自分のパンチが当たれば勝つっていう、そこに確信を持っているはずなんで。そこがルイスの強みですね」

――ヘビー級は正規王者フランシス・ガヌーの他にも、ライトヘビー級絶対王者だったジョン・ジョーンズが挑戦してくるという話もありますし、前王者スティーペ・ミオシッチもタイトル奪還を諦めてなかったりと、メンバーがかなり充実してきてます。

「だから今回のルイスvs.ガーヌの暫定王者決定戦は、“真のヘビー級最強を決める戦いの始まり”という印象を自分は持ってますね。勝ったほうが正規王者フランシス・ガヌーと統一戦をやって、そこにジョン・ジョーンズ、ミオシッチなども加わる“ヘビー級大戦争”がいよいよ開幕する。その第一弾としてルイスvs.ガーヌは非常に楽しみなカードだと思います」(取材/文・堀江ガンツ)

◆放送・配信スケジュール

『生中継! UFC‐究極格闘技‐ UFC265 in ヒューストン ヘビー級暫定王座決定戦 ルイスvsガーヌ』

8月8日(日・祝)午前11時[WOWOWライブ]※メインカード生中継
WOWOWオンデマンドで同時配信)

8月9日(月・休)夜6:40[WOWOWライブ]※リピート
WOWOWオンデマンドで同時配信)

UFC 265: Lewis vs. Gane

【メインカード】

▼ヘビー級暫定王者決定戦 5分5R
デリック・ルイス(米国)
シリル・ガーヌ(フランス)

▼バンタム級 5分3R
ジョゼ・アルド(ブラジル)
ペドロ・ムニョス(ブラジル)

▼ウェルター級 5分3R
ビセンテ・ルーケ(ブラジル)
マイケル・キエーザ(米国)

▼女子ストロー級 5分3R
ティーシャ・トーレス(米国)
アンジェラ・ヒル(米国)

▼バンタム級 5分3R
ソン・ヤドン(中国)
ケイシー・ケニー(米国)

【プレリミナリー】8月8日午前7時
UFC Fight PassYouTube

▼ライト級 5分3R
ラファエル・フィジエフ(キルギス)
ボビー・グリーン(米国)

▼バンタム級 5分3R
ドラコ・ロドリゲス(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)

▼ライトヘビー級 5分3R
エド・ハーマン(米国)
アロンゾ・メニフィールド(米国)

▼女子ストロー級 5分3R
カロリーナ・コバルケビッチ(ポーランド)
ジェシカ・ペネ(米国)

【アーリープレリム】

▼フライ級 5分3R
マネル・ケイプ(ポルトガル)
オデー・オズボーン(米国)

▼バンタム級 5分3R
マイルズ・ジョーンズ(米国)
アンダーソン・ドス・サントス(ブラジル)

▼女子フライ級 5分3R
ヴィクトリア・レオナルド(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

▼バンタム級 5分3R
ジョニー・ムニョス Jr(米国)
ジェイミー・シモンズ(米国)

【出演】
解説:高坂 剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一

■生中継前後に出演陣のYouTube配信『スタジオ裏トークUFC265』
YouTube「WOWOWofficial

WOWOW番組オフシャルサイト

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア