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【RIZIN】石渡伸太郎が引退興行 開催へ。唯一の心残りは「フィジカルのピークと技術的ピークがうまくクロスしなかったこと」

2021/07/21 23:07

日本の格闘技史上最高傑作である堀口選手と戦えたことは財産

 会見では、石渡と試合を行った大塚隆史、扇久保博正もコメントを寄せ、大塚は「石渡選手は2度対決(2014年と2017年)して負けているんで、トーナメントでまた巡り合わせでやれたらいいと思っていましたが、引退と聞いて仲間ではないけど、同じ世代を生き抜いたという思いがあるので寂しい、残念な気持ちはありました」と寂しいと表現。

 2019年12月のバンタム級王座挑戦者決定戦でスプリット判定の接戦を繰り広げた扇久保は、「『兄弟』って言ってもらったりして、自分的にはすごい親近感がある選手。ほんとうにお疲れ様と言いたいと思います。もう対戦することはないので、機会があれば、YouTubeでかめはめ波、一緒にしたいと思います」とコラボをリクエストしている。

 石渡は両者のコメントを聞き、大塚には「もう戦おうなんて言わなくていいですね。終わったんだから。頑張ってほしいです」とエール。扇久保については、「あの試合は自分では最悪のパフォーマンスで、根性で頑張るしかなかった。結果的に見てる人は面白かったのかも」と判定にもつれこんだ激闘を振り返った。

 また、扇久保からのかめはめ波対決については、「本物見せてやるよっていう。あの、扇久保のかめはめ波がどれだけショボいか証明してやりますよ(笑)」と受けて立つつもりであることを語っている。

 そして、「もっとも印象に残る」とした堀口恭司からも労いの言葉が届いたという。

 2017年10月にRIZINに初参戦した石渡は、アクメド・ムサカエフ、ケビン・ペッシ、大塚隆史を破り決勝進出。決勝では堀口恭司と約4年半ぶりに再戦し、3日間で3試合目という死闘のなか、KO負けを喫した。

「本当に、堀口選手と戦えたことは財産ですね。本当に強い。ここ(目の前)でガッって戦ってるじゃないですか。次見たらリングの全然端っこにいる。速いし、しかもぶつかったら鉄の塊みたいで身体も強かった。日本の格闘技史上最高傑作。そんな堀口さんに言ってもらえて光栄」と語ると、「堀口選手と話したいことがいっぱいあるし、みなさんにも聞いて欲しい」と、YouTubeで対談したいとした。

 現役後期は、「ボロボロの状態だったので誰とやりたいという気持ちはなかった。ただ、できるところまでやりたいと思っていた」という。「朝倉海と対戦したかったか」と問われると、「この首のコンディションでは勝てないと思いますね。YouTubeで君たちは稽古をつけてもらいなさい」と、CAVEの後輩の原虎徹、雅駿介に語っている。

 そして「最後に戦わせていただいて、ありがとうございました」と言葉を送られた井上直樹について「本当に強い」と語る。

 バンタム級トーナメントで優勝するのは「井上直樹選手か朝倉海選手だと思っています」という石渡は、なかでも直に手合わせした井上に対する評価は高い。もしバンタム級王者の堀口恭司と、井上が戦ったらという質問に、「海選手と堀口選手は一度やっているけど、井上選手はまだ堀口選手に触れていない強豪。でもいまやったら全然勝負にならない」と言いつつも、「堀口選手はいま30歳で怪我もあり、少しずつ落ちてくる頃で、24歳の井上選手は上がってくるところ。面白い試合になると思う」と、GPを勝ち上がった場合の対戦は「面白い試合になる」と評した。

 井上戦では慢性的な怪我はあったものの、「僕は仕上がっていて“強い石渡”で臨んだけどあの負け方をした。本当に井上選手は強い。『俺が井上を倒しますよ』って言ってくれるやつが、僕の周りにまだいないんですよね」と、周りの雅、原の成長に期待をかけた。

 現役生活で唯一、心残りがあるという。

「フィジカルのピークと技術的ピークがうまくクロスしなかったこと。技術的ピークは今。フィジカルのピークは27歳くらい。そこから怪我が続いて、2つがうまく交差せず、RIZINの盛り上がりのピークと重ならなかった。だから、過去の映像を見てもらいたくて。RIZINで見た人は歳が行った僕を見ているので、若い頃も見て欲しい」

 心技体とともに充実した姿を、全国地上波では見せられなかった。バンタム級で世界ランクは「180位くらい。ちょっと打たれすぎたんで」と苦笑するが、格闘技をやってきたことについては、「自分が戦っていることで誰かを勇気づけられるというのは一番嬉しいですね。やりがいのある仕事です」と胸を張った。

 スパチャとともに「現役生活お疲れ様でした! これからもよろしくお願い致します」とコメントした斎藤裕には「こちらこそ」と返答。ファンからの「斎藤チャンプがクレベル・コイケに勝てるよう、よろしくお願いします」のメッセージには「任せてください。分析済みです」と、自信の表情を見せた。

 今後は、指導者として、後進を育成する。

「RIZINのYouTubeのなかで『石渡コーナー』を作ってほしい」とのリクエストには、「必要とあればスキンヘッドにして袴着て、『石渡伸太郎である!』(「ワシが男塾塾長、江田島平八である!」のオマージュ)ってやります(笑)。キャリアの後半までずっとキャラがない感じで、堅物だと思っていたと思う。表現する場もなく、YouTubeでやっと少し表現できて、やっと最後に『男塾・塾長』というキャラをつけてもらったので、しばらくメシのタネにさせてもらいます」という石渡の今後に注目だ。

 このほかにも石渡と妻とのなれそめや、プライベートや愛犬など、70分にわたり語られているYouTubeライブは、見どころ満載。アーカイブとしても残されており、視聴が可能だ。

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