新日本キックボクシング協会「MAGNUM 54」2021年6月6日(日)東京・後楽園ホール
▼スペシャルメインイベント(第9試合)64kg契約 3分3R〇勝次(藤本ジム/WKBA世界スーパーライト級王者) TKO 3R 2分24秒 ※セコンドからのタオル投入×剣夜(=けんや/SHINE沖縄/前TENKAICHIスーパーライト級王者)
勝次は2003年にプロデビューし、2015年にキャリア12年目にして新日本キックボクシング協会の日本ライト級王座に就いた。2017年にKNOCK OUT初代ライト級トーナメントへ参戦すると、1回戦の不可思戦、準決勝の前口太尊戦といずれも倒し倒されの大激闘を演じて一気に名を挙げ、決勝では森井洋介に敗れるも大きなインパクトを残した。2019年10月には悲願であったWKBA世界王座をTKO勝ちで獲得。12月にはREBELS王者の丹羽圭介を激闘の末に下したが、2020年2月大会でロンペットY’Z D GYM、9月大会で潘隆成、10月大会で畠山隼人に判定負けで泥沼の3連敗。今年4月、蹴拳ライト級王者・小磯哲史に2RでTKO勝ちし、復活の狼煙をあげた。
剣夜は沖縄在住のキックボクサーで元ホスト。戦績は7勝(4KO)3敗。TENKAICHIスーパーライト級王者だったが、2020年3月にリュウイチに延長戦の末に敗れて王座を失った。現在はTENKAICHIスーパーライト級1位。
1R、勝次はジャブ&右ロー、剣夜は右ボディストレートと右ミドル。ジャブを出す剣夜に勝次は左右フックとアッパーのコンビネーションを見せる。
2R、ショートのパンチを連打する勝次に剣夜はヒザ蹴り。左んロー、左フックと攻める勝次に剣夜はジャブと右ローで応戦。勝次の左フックには左フックを合わせに来る。お互いに右ストレートを当て、勝次は左ボディも繰り出す。
3R、前に出て右を当てに行く勝次に剣夜は右ヒジ。勝次は左ボディ、右ロー。左右フックを打ちながら前へ出る。最初はブロックしていた剣夜だが、右フックからの左フックでもんどりうってダウンする。
何とか立ち上がるも勝次が左右ストレートとフック、左ボディの連打。コーナーへ詰めての右ストレートが3発決まったところで剣夜のコーナーからタオルが舞った。
TKO勝ちでメインを締めくくった勝次は「明日が会長の70歳の誕生日です。KOで勝利できてひと安心です。ここから新日本キックボクシング協会を盛り上げて、大きな団体に行きたいと思っております。大きな興行に出ていきたいです。僕にチャンスをください」とアピールした。
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▼ダブルメインイベント(第8試合) 62kg契約 3分3R〇重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者) 判定3-0 ※30-28×3×健太(E.S.G/WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2017年12月には『KNOCK OUT』で、4年間無敗の18連勝を誇っていたマキ・ピンサヤームに黒星を付けてその名を轟かせた。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。前戦は今年4月にリュウイチから勝利を収めている。戦績は34勝(17KO)4敗5分。
健太は2005年にプロデビューすると、2008年5月にNJKFウェルター級王座を獲得。その後、NJKFスーパーウェルター級王座、初代Krush -70kg王座、WBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得。NJKFを代表する選手として『ONE Championship』など世界を舞台に戦ってきた。1年半に渡って勝ち星から遠ざかっていたが、今年2月、NKBライト級王者・高橋一眞に判定2-0で勝利して連敗脱出。今回が97戦目となる大ベテラン。 1R、健太はゆっくりとした動きで技を繰り出し、重森は前蹴りと左ミドル。いきなりスピードを速くした健太の右フックがヒット。右ローを蹴る健太は重森の左ミドルに右ストレートを合わせ、重森は健太の右ローに右ミドルを返す。健太は左ミドルを蹴り、同じモーションから左フックを打つ。
2R、左右ミドルを蹴る重森に対し、健太は前へ出て右ローを蹴る。健太の右ストレートには左ミドル、前蹴りで距離をリセット。重森は健太が入ってくるところへ左フックをカウンターで合わせて健太が転倒。これはダウンにならず、立ち上がった健太へ重森はミドルをフェイントしてのワンツー。そして健太のパンチに合わせて左ミドルを蹴る。健太は右ボディストレートを打ち込むが、すぐに重森が前蹴りとミドルで距離をキープする。
3Rも重森は徹底した横蹴り・前蹴り連発で距離を取る。全く健太を入らせない重森に健太は左フックを打ちに行くが届かない。重森は健太を空振りさせたところへハイキックを蹴る。構えを左右にスイッチさせながら何とか距離を縮めようとする健太と入らせない重森。しかし終盤、健太が踏み込んでの左右ロングフックを届かせ、重森は焦りの表情。それでも前蹴りを貫き、試合終了。重森が判定勝ちを収めた。
重森はマイクを持つと「感謝の気持ちを述べさせてください。本日はお越しくださいましてありがとうございます。私は7月にスアレック選手とKNOCK OUTでリベンジマッチをします。私はこう見えて凄く根に持つタイプなので、必ずリベンジして新日本キックに2本目のKNOCK OUTのベルトを持って帰ろうと思います」と、KNOCK OUTでのタイトル奪取を宣言した。
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▼ダブルメインイベント(第7試合)70kg 契約 3分3R〇リカルド・ブラボ (伊原道場アルゼンチン支部/日本ウェルター級王者)TKO 1R 2分43秒 ※ドクターストップ×杉原新也(ワイルドシーサー前橋/TENKAICHウェルター級3位)
アルゼンチンからのキックボクシング留学生ブラボは来日して4年。2020年9月の試合では津崎善郎と引き分けたが、10月にはTENKAICHIキックボクシングウェルター級1位・幸輝を2Rに左フックで仕留めている。12月に津崎と再戦し、判定3-0で勝利して決着をつけた。今年4月には元NJKFスーパーウェルター級王者YETI達朗も初回TKOに仕留めている。
杉原は中国の『武林風』にも参戦している選手で、REBELS、NJKFにも出場している。
1R、右フックから左ローの杉原にブラボはスピードのあるパンチのコンビネーションを打ち込んでいく。ワンツー・左ボディ、左ジャブ・左ヒジなど流れるようなコンビネーション。そして左ボディ2発から左の縦ヒジで杉原は眉間をカットされて流血。ドクターチェック後、再開。ブラボは左フックと右ストレートの乱れ打ちで一気に前へ出て、左フックでダウンを奪う。
立ち上がった杉原だが、2度目のドクターチェックでドクターストップ。ブラボが快勝を収めた。
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▼セミファイナル(第6試合)62.5kg契約 3分3R〇髙橋亨汰(伊原道場本部/日本ライト級王者) TKO 2R 1分47秒 ※レフェリーストップ×リュウイチ(フリー/TENKAICHIスーパーライト級王者) 高橋は2020年10月に健太からダウンを奪っての勝利、今年4月には山浦俊一にも判定勝ちで連勝中。今大会ではなかなか相手が決まらない中、4月に重森と対戦したリュウイチに落ちついた。空手出身の高橋に対し、リュウイチはアマチュアボクシング出資。
1R、サウスポー同士。高橋はジャブを出しつつ、前足の右足でのミドル、インロー、顔面前蹴りを的確に当てていく。左カーフキックも強烈に決まり、リュウイチの足が流れる。そこへ高橋が右ハイ。リュウイチは左右フックをようやく繰り出すが、左カーフで大きくバランスを崩す。
2R、左カーフで大きくバランスを崩したリュウイチに、高橋がもう一度カーフを蹴ると見せかけての左ハイキック。これが見事に決まり、グラついたリュウイチに高橋がラッシュ。右ヒジでダウンを奪う。
立ち上がるもダメージは明らかなリュウイチへ、高橋は容赦ない顔面前蹴りを叩き込み、コーナーへ吹っ飛ばすとパンチのラッシュ。右フックでリュウイチが崩れ落ちたところでレフェリーストップとなった。
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▼第5試合 フェザー級 3分2R ※ヒジ・ヒザ無し×中村哲生(伊原道場本部)TKO 2R 1分05秒 ※レフェリーストップ〇新保基英(OGUNI-GYM)
中村は在宅医療コンサルタントの第一人者で、2020年9月に55歳でプロデビュー。39歳の相手に敗れ、今回が2戦目。新保も50歳で今回がプロデビュー戦という、異色のプロマッチとなった。
1R、勢いよく攻めるのは新保で右フック、右アッパー、右ストレートを何度も当てる。右ストレートを強打する中村だが、右ロー2発でダウン。立ち上がった中村に新保はパンチとローで上下に揺さぶる。
2R開始と同時に新保の右ロー2発で中村がダウン。新保は右ローの連打と右ストレートで追い込み、右ローでダウンを追加。中村もローで抵抗を見せるが、パンチを数発浴びたところでレフェリーストップ。5歳若い新保の勝利となった。
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▼第4試合 フェザー級 3分3R〇瀬川 琉(伊原道場)判定3-0 ※30-27×2、30-26×金子貴幸 (GANGA/NJKF/元NJKFスーパーバンタム級王者) 1R、瀬川はサウスポーながら左へ回り込む。左右ローを蹴る金子に瀬川は左ストレートを合わせに行き、終盤に組みになると豪快に金子を投げて見せた。 2R、左の縦ヒジを狙う瀬川。金子はガードを固めてローを蹴る。両者が同時にパンチを繰り出したところ、左フックで瀬川がダウンを奪う。
3R、左右フックを打って前へ出た金子だが、左ストレートを連続してもらい、組み付くとヒザ蹴りとヒジ打ち。判定3-0で元王者を降した。
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▼第3試合 フェザー級 3分2R×木下竜輔(伊原道場本部)判定0-2 18-20、19-20、19-19〇松山和弘(ReBORN経堂)
1R、木下は序盤こそ力の入ったパンチだったが、ジャブが入り始めるとリズムに乗る。ジャブを的確に当てていったが、松山はパンチを繰り出しながらしっかりと右ローを蹴っていき、終盤、木下は右ローに顔を歪める。
2R、コンビネーションを繰り出す松山に木下は右ストレートで必死の抵抗。松山の左ミドル、左ボディ、バックキックに顔を歪めながらも最後まで打ち合ったが、松山の判定勝ちとなった。
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▼第2試合 ミネルヴァ推薦試合 49kg契約 2分3R ※ヒジ無し、顔面ヒザ無し×オンドラム(伊原道場本部) 判定0-3 ※29-30、28-29、28-30〇紗耶香(格闘技スタジオBLOOM)
1R、オンドラムは左右のパンチを連続的に繰り出し、近付くと首相撲からヒザ蹴り。サウスポーの紗耶香も首相撲からのヒザ蹴り、組んだままのボディへのパンチを繰り出す。
2Rも同様の展開で紗耶香が左ストレートを当てに行くも、首相撲の展開が増える。両者とも組んだままヒザだけでなくパンチも入れる。
3R、オンドラムの組み際に左ストレートを打つ紗耶香。組み付いたオンドラムはヒザ蹴り。そしてブレイクという同じ展開が2分間続き、紗耶香の判定勝ちとなった。
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▼第1試合 女子ジュニア45kg契約 2分2R ※ヒジ無し、顔面ヒザ無し×曽我さくら(クロスポイント大泉/NJKF EXPLOSION女子クラス43kg級王者、K-1ジュニアBクラス女子45kg優勝) 判定0-2 ※19-20×2、19-19〇堀田優月(闘神塾/KOS 40kg級王者、K-GATE 35kg級王者)
ジュニアの試合ながら激しい打ち合いを見せた両者。パワフルなパンチで前へ出る曽我に対し、堀田はスイッチを多用しての左ストレート、バックハンドブローを繰り出す。攻撃の的確性に優った堀田の判定勝ちとなった。