MMA
インタビュー

【ONE】5月3日にONEデビューの岡見勇信「世界一になるために戦う。結果が全ての世界であるからこそ、これまで自分がやってきたことが正しいということを証明したい」

2019/05/01 10:05
【ONE】5月3日にONEデビューの岡見勇信「世界一になるために戦う。結果が全ての世界であるからこそ、これまで自分がやってきたことが正しいということを証明したい」

(C)ONE Championship

5月3日、インドネシアのジャカルタで開催されるONE Championship「ONE:FOR HONOR」で、岡見勇信(EXFIGHT/35勝12敗)がONEデビュー戦に挑む。MMA(総合格闘技界)の潮流が北米に流れ始めた当初から世界の強豪たちと凌ぎを削ってきた岡見は、2006年にはすでにUFCに参戦し、2011年には絶対王者アンデウソン・シウバとミドル級王座を争っている、日本格闘技界の“レジェンド”だ。近年では『ニューズウィーク日本版』2019年4月30日号にて、「世界が尊敬する日本人100」のなかで「Rest of the Best~学者から役者まで、世界が驚いた日本人」として、芸術家の草間彌生らとともに選出されるなど、階級的にも真の意味で“ワールドクラス”の舞台で活躍したことが評価されている。

2019年2月にONEとの契約を発表した岡見は、今回のデビュー戦でキャムラン・アバソフ(キルギス/20勝4敗)と対戦する。25歳のアバソフは2018年12月の前戦マレーシア大会で地元の英雄アギラン・タニを、クリンチボクシングで殴り、豪快に投げてパウンド、最後はリアネイキドチョークで絞め上げタップを奪う無慈悲な勝利を挙げている強豪だ。2018年8月には、ボンサイ柔術のマスコス・ソウザをノーコンテストながら一度はTKO状態にまで追い込んだヌルスルタン・ルジボエフに、きっちり判定勝ちを収めていることからもその実力はうかがいしれる。

世界の格闘技界においてアジアから拡大成長するグローバル・ステージのONEで、アバソフという難敵を相手に岡見勇信は、何をみせるのか?

【写真】岡見勇信が取締役を務める代官山のスポーツジム「EXFIGHT」にて

最短距離でベルトを獲る

――対戦相手の印象は?

「対戦相手(アバソフ)の試合を観ました。とてもアグレッシブな選手です。警戒すべき点は荒々しいパンチ。軌道が読みにくく、パワーがあって拳が硬そう。小さいパンチでも効かされる可能性があるので、そこは細心の注意を払いたいです」

――理想の試合展開は?

「まずは最初の打撃で主導権を奪う。そこから、投げて、倒して、極める。まさに“打・倒・極”です。前回の試合(※2018年12月、19連勝中のアレクセイ・クンチェンコにUFCで判定負け)からこれまで作り込んできた“岡見勇信の総合格闘技”を見せます。どの展開でも逃げずに対峙する。今まで経験してきたことをこの初陣で出す。必ず勝ちます。覚悟を持って全てをぶつけます」

――ベルトというものへの想いは?

「ベルトにはこれまで縁がなかったです。ONEで一つ目を獲りたいです。最短距離で獲りに行きます。だから、今回のデビュー戦は大切です。タイトル戦のタイミングは主催者が決めるので、自分がそれに相応しい選手であることを証明したいと思います。いつでもタイトル戦が出来る準備をしているし、10月の日本大会でベルトを巻いた姿をファンにみせたいです」

――37歳の年齢について、衰えは?

「あまり気にしたことはありません。大切なことは試合当日に自分のピークを持っていくことができるか。5月3日、最高のコンディションに持っていくことに集中しています。37歳で成長している自分を感じていますが、一方で時間は刻々と進んでいます。いつ死ぬか分からないし、悠長に構える気はありません。最短距離でベルトを獲ります」

ONEは日本の武道精神を大切にしている


【写真】最終調整を終えリラックスした表情で語る岡見

――ONEのイメージは?

「ONEのイメージは、急成長しているアジアの団体という感じです。アジア人選手が活躍している。北米を中心に戦ってきた自分が参戦できることは本当に嬉しいことです」

――北米と比べてONEの特徴をどのように考えていますか。

「ONEは日本の武道精神を大切にしています。北米の世界観と違いを感じます。日本人=武道であって、ONE Championshipはそれを具現化しています。家族で見に行けるような場所で、子供がマーシャルアーツを見て成長できる。自分には息子がいますが、会場に連れて行きたいと思わせます。『格闘技は野蛮だ』というイメージを払しょくするONEの方向性に共感できます」

――3月の日本大会の印象は?

「日本大会の面白さにONEの色が混ざり合い、独自の空間が生まれていたと思います。輝きがあり、素晴らしかった。海外からのトップ選手が参戦し、どの試合も素晴らしかった。演出も素晴らしく、会場が大きく盛り上がったのを肌で感じました」

ONEが生んだスーパースター、アウンラ・ンサンに興味

――ONEで印象的な選手は?

「アウンラ・ンサンに興味があります。彼はONEで長いキャリアがあり、ONEで育った。彼と長谷川選手の試合を観ましたが、成長しています。そして、王者になってさらに貫禄が出てきた。ONEが生み出したスーパースターで、自国のミャンマーでも英雄になっている。彼はONEの世界観から生まれた存在で、そういう選手はあまり見たことがありません」

――日本を代表する選手として戦う?

「日本の代表としてONEで戦います。それは北米で戦っていた時と同じ。日本人の代表として戦う以上、不甲斐ない戦いは出来ない。日本人の強さを証明したいです」

『勇気』と『慈悲』は格闘技で追い求めているもの


【写真】岡見とEXFIGHTジム・トレーナーを務める石田光洋

――ONEが大切にする価値観(誠実、謙虚、名誉、敬意、勇気、規律、慈悲)について、どう思いますか?

「『勇気』と『慈悲』は自分が格闘技で追い求めているものです。勝敗があって、そこには勝者や敗者が必ずいる。その世界の中でこの価値観を大切にしています」

――最後に、何のために戦う?

「世界一になるため。そして、これまで自分がやってきたことを、経験してきたことが正しいということを証明したいです。結果が全ての世界であるからこそ、そこをみせたい。それは僕次第。これまでの経験すべてをONEの初陣で出します。皆、絶対に見て欲しいです」

※岡見がONEデビュー戦をむかえる5月3日ジャカルタ大会には、日本人4選手が参戦。山田哲也が2018年6月以来の参戦で元世界フェザー級王者のマラット・ガフロフと対戦。元修斗環太平洋フェザー級王者の高橋遼伍がケアヌ・スッバと2年7カ月ぶりの復帰戦&ONEデビュー戦に臨むほか、ムエタイルールで健太がデイヴィダス・ダニラと対戦する。健太は3月8日の前戦でペットモラコット相手に健闘するも判定負け。ダニラは2018年11月に鈴木博昭にダウンを奪われて判定負けしているため、健太としてはきっちり勝っておきたい相手だ。

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