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【ONE】青木がフォラヤンに一本勝ちで王座奪還!「次は若い選手と、クリスチャン・リーとやりたい」 長谷川はKO負け。若松は健闘もDJが一本勝ち、アルバレスが1回戦敗退=ONE両国

2019/03/31 15:03
【ONE】青木がフォラヤンに一本勝ちで王座奪還!「次は若い選手と、クリスチャン・リーとやりたい」 長谷川はKO負け。若松は健闘もDJが一本勝ち、アルバレスが1回戦敗退=ONE両国

(C)ONE Championship/Wakahara Mizuaki

3月31日(日)東京・両国国技館にて、ONE Championshipが初の日本大会となる「ONE:A NEW ERA IN TOKYO」を開催。チャトリ・シットヨートン会長兼CEOが「今回の会場で入ることのできる100%の観客」の動員を集めて行われた。

メインでは、元ライト級王者の青木真也が、王者エドゥアルド・フォラヤンに挑戦。1R2分34秒、青木が肩固めでフォラヤンを失神させて一本勝ち。2年4カ月ぶりの王座に返り咲いた。ONEの日本人世界王者はストロー級の猿田洋祐とライト級で青木が加わり2人となった。

ミドル級タイトルマッチで王者アウンラ・ンサンに挑んだ長谷川賢は2R 4分41秒、ンサンの右ストレートでTKO負け。

4大タイトルマッチのほか2試合では、女子ストロー級王者のション・ジンナンがアトム級王者のアンジェラ・リーの挑戦を5R TKOで退け、バンタム級タイトルマッチでは、ケビン・ベリンゴンの反則により、ビビアーノ・フェルナンデスに王座が移動している。

フライ級とライト級のGP準々決勝では、フライ級でデメトリアス・ジョンソンとダニー・キンガドが準決勝進出。ライト級ではロシアのティモフィ・ナシューヒンが元UFC&Bellator王者のエディ・アルバレスを1R 4分05秒 TKOに下している。各試合の詳報・選手のコメントは以下の通り。

チャトリ代表「米国の団体とONEの対抗戦もやってみたい」

「今日みなさんはヒーロー誕生の瞬間を目にしたことでしょう。世の中をポジティブに包んでいると感じました。私にとって大いなる一歩です。世の中に戦いを通してスローガンである誠実、謙虚、慈悲などの愛を表現できたと思います。今日はDJに健闘した若松など、さまざまな若手や無名選手の逆転劇がありました。こんなことはなかなかありません。ONEには550人のアスリートがいて、各マーシャルアーツから130人の世界王者が上がっています。世界のトップ10とされる団体を集めても、これだけのチャンピオンは揃わないでしょう。米国ではツイッターでトレンドのトップ10中7つがONEの話題でした。日本で1位、アジア全体、アメリカでもリツイート数は今夜の1位でした。今後、米国の多くの団体を集めてONEとの対抗戦もやってみたいです。ONEの王者とUFCの王者が戦いあうような。世界には若松やナシューヒンのようなまだ知られてない素晴らしい選手がいます。青木は傷ついている世の中を闘いを通じて癒やしていこうという、我々が目指していることを実践してくれました」

▼第15試合 メインイベント ONEライト級(※77.1kg)選手権試合 5分5R
×エドゥアルド・フォラヤン(王者/フィリピン)
[1R 2分34秒 肩固め]
○青木真也(挑戦者/イヴォルブMMA)
※青木が王座奪還。

メインイベントでは、ONE世界ライト級選手権試合として、同級王者のエドゥアルド・フォラヤンに、青木真也が挑戦。

フォラヤンは2011年9月3日の「ONE Fighting Championship」──まだ「ONE FC」だった頃のONE旗揚げ戦から参加した選手だ。

当時6連勝中でDEEPやHEATで猛威を振るっていたクォン・アソルとメインイベントで対戦し、アソルの圧力を跳ね返し、鼻骨を折りながらもパンチに蹴りも織り交ぜ打ち勝ち、強豪アソルに判定勝利、ONE旗揚げ戦のベストバウト賞を獲得した。

そんなフォラヤンが青木真也と最初に対戦したのは2016年11月のシンガポール大会。当時、王者だった青木のテイクダウン狙いを切り続けた挑戦者フォラヤンが3R、跳びヒザ蹴りからのパウンドで青木にTKO勝ち。新王者となった。

フォラヤンはその1年後に豪州のマーティン・ヌグエンと対戦し、後ろ廻し蹴りに右フックを合わされてKO負け。一度はベルトを手放したが、2018年11月、ヌグエンが返上した王座をアミール・カーンと争い、判定3-0で勝利。王座に返り咲いた。

一方、青木はフォラヤン戦後、ONEウェルター級(※83.9キロ)でベン・アスクレンに敗れたものの、続くラスル・ヤキャエフ戦は腕固めで一本勝ち。シャノン・ウィラチャイ戦ではテイクダウンからマウントを奪ってのヒジ打ちでTKO勝利すると、前戦2018年10月にはエブ・ティンを肩固めで極め、3連勝。2年ぶりの王座奪還を目指す。

旗揚げ大会から参戦したフォラヤン、その1年後にONEに参戦した青木。ONEという存在の一部となっている両者が2016年11月以来の再戦を、初の日本大会のメインイベントとして戦うことは、大きな意味を持っている。

「近づかせない」というフォラヤンに対し、テイクダウンを狙う青木真也はいかにアプローチするか。注目だ。

試合前に握手をかわした両者。

1R、左構えの青木は左ハイから。オーソドックス構えののフォラヤンに左ミドルを放つ。フォラヤンも右ロー。青木の左ストレートには踏み込んで左フックを狙う。「大・青木コール」。青木の左ミドルにフォラヤンは蹴り返しの右の軸足払い。続けて左のサイドキックを狙いフォラヤンが片足になったところに青木はダブルレッグへ。自ら蹴りを出すことで、蹴り合いとなったところに組み付く勝機を見出した青木。

ダブルレッグから金網まで押し込み左は差す青木だが右は差し上げられる。その右で小手に巻く青木。バックをうかがいつつ、右の小手を外して、すぐに小外がけで崩したところでボディロックに移行。差した右をかち上げて、右足をフォラヤンの左足の下に入れて浮かせると、そのままに前方にサバ折りテイクダウン!

ハーフガードのフォラヤンを右で脇差し、左で枕に巻いてパスしながら脇を開けさせると肩固めへ! いったん右へ出た青木だが、ハーフに足をかけらめてきたフォラヤンに対し、マウントからフォラヤンの右足を左足でフック。体勢を低くし、摺り上げるように肩固めを極めると、フォラヤンが失神。青木が一本勝ちを決めた。

青木「35歳になって好きなことやって、家庭壊して一人ぼっちで羨ましいだろう? 俺はこうやってな、明日もコツコツ生きていくんだよ! みんな俺たちはファミリーだって言うから、みんな頼むぞ、『俺たちはファミリーだ!』(会場のファンもコール)。ケツにGOって書いてあるけど、明日もGOだ!」

(試合後コメント)

青木「生きていくと少しだけいいことがある」

「(7月に決まってから今日までをどうとらえる?)日本大会が決まって、まだONEが大きくなる前からの契約選手の自分は、僕の仕事として、ここをしっかりとまとめることだと思っていました。責任感と忠義だけでやってきた1年間でしたので、安堵感というか、ホッとしています。(メインイベンターとして何点?)それを評価するのはプロモーターです(笑)。(チャトリ「責任を果たしてくれたと思います」)

(今後は?)次の試合を若い選手とやりたいと思います。クリスチャン・リーとやりたいです。みなが明日、仕事に行きたくないように、僕も戦いたくないです。戦うのは辛いです。生きていくのは辛いけど、生きていくと少しだけいいことがあります」

▼第14試合 ONE女子ストロー級(※56.7kg)選手権試合 5分5R
○ション・ジンナン(王者/中国)
[5R 1分37秒 TKO]
×アンジェラ・リー(挑戦者/シンガポール/アトム級王者)
※ジンナンが王座防衛

1R、ともにオーソドックス構え。細かいステップで前に出るアンジェラ。右で差して組み付くと払い腰でテイクダウン! そのままサイド奪うと上四方も、ジンナンもケージを蹴りガードに戻す。ジンナンの立ち際をがぶるアンジェラだが、身体の厚さが目立つジンナンはがぶりを抜ける。またも追うアンジェラは組むとヒザ。首投げは凌ぐジンナンが突き放し右ロー。そこにアンジェラは右ストレートを合わせる。

2R、ワンツーで前に出るアンジェラだが、ジンナンも打ち合いに応じ、左で差す。四つから互いにヒザを突くが、アンジェラの崩しにもボディロック気味に耐え、テイクダウンを許さない。ワンツーはジンナン。右ミドルはアンジェラ。ジンナンもサイドキック、左ローを返す。

3R、右ミドルから組手争いから両脇差し、ボディロックテイクダウンはアンジェラ! パスガードから上四方、キムラロックを狙うが、ここもジンナンは力強く立ち上がる。バックキックはジンナン! さらにワンツー左ミドルにアンジェラが後退! 金網詰まるが右ミドルを打ち返す。しかし、サークリングし中央に戻すジンナンは、左右から右ストレートを当てるとアンジェラは後退。階級差かパワフルなジンナンに、アンジェラは削られる。



4R、スタミナを考慮してか早々に右ストレートをヒットし、組んでボディロック、テイクダウンはアンジェラ! 背中つくジンナンはハーフガードからフルガードに戻す。下からの蹴り上げをさばきパスガードはアンジェラ! サイド、上四方からニーオンするが、そこで立つジンナンに、バックから後ろ三角絞めから腕十字に入るアンジェラ! 角度をつけて伸ばすが、再三アンジェラをまたぐジンナンは凌ぎ、カメラにピースサインを出し、ゴングにすぐに立ち上がる。アンジェラはニアフィニッシュを取ったが力もかなり使ったか。

5R、ワンツー振り前に出るのはジンナン。さらに左ミドル。右ボディと対角にヒット! アンジェラはジンナンの右ボディストレートにくの字に身体を曲げると、心が折れたか、続くジンナンの右ストレート、右ミドルの連打を腫れに受け、後ろを向いたところに右の連打と、最後も右ミドルを受け続け、レフェリーが間に入った。ジンナンが王座防衛!

ジンナン「(腕十字について)私はション・ジンナンです。タップするわけにはいきません(笑)。(アンジェラのガス欠について)とにかく勝つことに集中していたから考えていなかったです。3R目に試合を決めたかったです」

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