引退撤回のチマエフ「誰が本当のギャングスターなのか見てみたい」
UFC期待のプロスペクト・チマエフは、MMA Junkieの動画に、「ニック・ディアスと戦いたい。子供の頃から彼の試合を見ていて、今度は彼と戦う。俺にとっては完璧な相手だ。誰が本当のギャングスターなのか見てみたい」と対戦を望んでいる。
新型コロナウイルス感染の後遺症から、一時は引退まで示唆していたチマエフだが、それは、自身のことより、家族のことを考えての発言だったという。
「俺は自分の人生に恐怖を感じたことはない。俺が怖かったのは、母や家族がどうなるのか、ということだった。だから、もうこのスポーツは辞めようと思ったんだ。俺にとっては健康であることの方が重要だった。今、自分は健康だ。父も兄も試合が大好きなんだ。彼らは『戦いたいなら、やろう』と言ってくれた。俺も『もちろん戦いたい。人生の中でずっと戦いたいと思っている。なぜ今ではないのか』と。お金も稼げるし、誰かを助けることもできる。それは俺にとって良いことさ」
完全復調をアピールするチェチェン出身のチマエフは、ニックについて“ギャングスター”ではないと言う。
「ニック・ディアスはレジェンドだ。MMAの世界では誰もが彼を知っている。ただ、実際は彼は良いヤツなのに、まるでギャングスターのように振る舞っている。彼が俺と戦いたいと思えば、いい試合になるだろう。怖がっているかもしれないけどね。
これはMMAであり、スポーツだ。俺は人生でいろんなことを見てきた。ディアスは試合でギャングスターなのかもしれないけど、俺は戦争の中で育った。誰かがギャングスターだなんて、俺にとってはデタラメだ。誰もギャングスターなんかじゃない。チェチェンのギャングはストックトンのギャングよりも上なんだ」。
8月に復帰戦を望むチマエフにダナ代表は、対戦相手の準備が出来ていることを語ったという。
一方で、2019年11月にニックの弟ネイト・ディアスをTKOに下しているホルヘ・マスヴィダルも、ニック復帰の報に名乗りを挙げている。
カマル・ウスマンに敗れたマスヴィダルは、「もしニックが年末に向けて戦いたいと言うなら、俺はここにいるよ。俺が弟にしたことをあまり快く思っていないというインタビューをたくさん聞いてきた。自分の弟のために正しいことをしたいだろう?」
ニック・ディアズはいつ復帰するのか。そして対戦相手はチマエフか、マスヴィダルか、それとも……。