レスリング王者・中村倫也と、ストライカー齋藤奨司が激突
続いて、最終選考のケージに上がったのは、2017年レスリングU-23フリースタイル61kg級世界王者・中村倫也(25歳)と、RISE出場経験のある齋藤奨司(26歳)。「練習だけに集中できる期間はありがたかった」と根っからのアスリート気質を見せる中村は、“地獄の合宿”も「みんなコントかと思うくらい足つってましたね」と余裕の笑顔。
対する齋藤は、ボクシングで2012年国体少年男子フライ級優勝の経験を持つも、大学卒業後は大手企業に就職。しかし、格闘技を忘れられず、再びリングに戻ると、2018年KAMINARIMON全日本大会-65kg級優勝。RISEでは、2019年3月に成尾拓輝に1RKO負けを喫するも、9月に大石健作に判定勝ち、2020年1月にKAZUMAを1RKOに下すなど、2勝1敗の戦績を残している。2020年にはアマチュア修斗関東選手権フェザー級で優勝。修斗でプロライセンスも取得している。
実は、合宿初日の面談で「戦いたい相手」を聞かれた齋藤は、中村を対戦相手として指名しており、「1番強いやつと戦って勝ったら1番強いじゃないですか」と指名理由を説明。「負けてしまった場合、オーディション脱落という可能性もあるがそこは大丈夫か」との質問に対しても、「上に上っていけば、いずれ戦うと思うんで」と強気な発言をみせていた。
試合形式のスパーリングでは、右足前のサウスポー構えの中村が、オーソドックス構えの齋藤の右ミドルを捌いて、左のスーパーマンパンチをヒット! そのまま前進し前足を掴んでシングレレッグで押し込みテイクダウン。立とうとする齋藤のバックに回り、両足をかけてリアネイキドチョーク狙い。さらにバックマウントから腕十字で齋藤を前転させるも、齋藤も腕をクラッチ。ならばとマウントに移行した中村が、齋藤の右脇を開けさせて肩固めを極めた。
自ら指名した中村に大敗を喫した齋藤は悔しさを隠しきれず。試合後のインタビューでも、「何もできなかったですね」と語り、スタッフから「合格・不合格はどう思う?」と聞かれると、「負けたんで分かんないっス」と険しい表情を浮かべた。