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【格闘DREAMERS】那須川天心がマススパー「試合だったら、1人1回は倒れてる」。中村倫也、宇佐美正パトリック……最終日の試合形式スパーでは名勝負続出!

2021/04/06 13:04
 格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』の第4話が2021年4月3日(土)、ABEMAにて配信された。  番組では、200通を超える応募のうち、書類審査、実技審査、面談を経て17名で行われた“地獄の合宿”と謳われる2泊3日の合宿形式の2次オーディション最終日の様子に迫っている。果たして、プロ格闘家としてLDH martial artsとの契約を勝ち取るのは誰になるのか。  合宿最終日の初日は、浜辺でのラントレから。事前の確認で、負傷者として安永吏成、柳田龍彌、山本歩夢の3選手が呼び出され、高谷裕之総監督から「やってもいいんだけど、やって怪我がひどくなって、2次オーディションを受かったとしても、その後の育成に参加できなかったら意味が無い。休んだ方が絶対いい。大怪我になって何カ月も休んだら無駄だろ?」と、オーディションだけではない選手生活についても考えるよう言葉がかけられるなか、怪我で動けない山本、柳田はラントレを回避。柳田は「出来るところまで」とラントレに合流する。  さらに、合宿最終日には、“特別コーチ”として日本格闘技界の至宝・RISE世界フェザー級王者の那須川天心が登場。デビュー以来、44戦無敗の王者として活躍する那須川の目に、参加者はどう映るのか。  ラントレに続き、体育館での練習がシャドーからスタートすると、那須川は「(参加者たちが)アップでシャドーをやってる」とすぐさま見抜き、「シャドーっていうのは一番、大事。自分は30分くらいやるんですけど、シャドーはアップじゃないんで。試合だと思ってやってください」と指摘。  具体的には「シャドーって相手の顔は1個しかないはずなのに、いろんなところを打ったりしてる。シャドーって自分の想像次第で強い相手とも弱い相手ともできるんで、想像しながらやるともっといい動きができると思う」とアドバイスした。  途端に参加者たちの動きにも変化が見えるなか、「攻撃だけじゃなく、防御もしっかり入れて、打ったらその場にいない、動いて。相手も動くからね」と指導する那須川に、視聴者からも思わず「教え方が上手すぎる」「さすがの一言」とその金言の数々に、感嘆の声が上がった。  続いて、参加者たちのマススパーリングに那須川も参加すると、プロ格闘家としての格の違いを見せつけることに。参加者たち個々の課題や弱点を発見するやいなや、テクニックを惜しみなく披露し、「はい、死んだー! 今、3回くらい死んでるからね」と、ここでも実戦を想定したマスの動きを意識させた。その凄みに参加者たちも表情が変わり、那須川とのマススパーリングを志願する者が続出。  練習を視察した関口メンディー(GENERATIONS from EXILE TRIBE)も、「天心くん、いつもと違うね。GENE高(GENERATIONS高校TV)に来てるときと全然違う」と驚いた表情。  那須川のアドバイスには「タックルだけだったらいいけど、MMAの展開(で打撃をやるには)上をもっと長く突かないといけない」「フェイントを散らして、正直に中に入って来ない」と、立ち技のみではない、MMAとしての打撃も含まれている。  那須川は「みんな個性があってスタイルも違いますし、僕の中でもすごくいい練習できたな」と振り返りながらも、「試合となったら、1人1回は倒れてる場面はつくったんで」と、どんな練習も無駄にせず、参加者にとっても気づきを与える動きをしたことを説明。 「やる気はみんなある。そのなかでも格闘技って実力主義だと思う。“誰よりも強くなろう”と思う気持ちが大事。誰よりも強くなりたいんだったら、誰よりも練習しないと強くなれない」と参加者たちを鼓舞し、3日に及んだ過酷なトレーニングを締めた。 [nextpage] 岡見「格闘技に少しでも携わっていたら、この内容のクレイジーさがわかると思う」  そして、合宿の総仕上げとして、オーディションの合否に大きくかかわる試合形式のスパーリングを実施。初日のルールは「打撃」、2日目は「グラップリング」、そして最終日のルールは「MMA」だ。  5分2Rによる、ユニファイドルールをベースに、マウントポジションでのパウンド攻撃や関節蹴りなどは禁止とした試合では、ドクターストップとなった2名を除き15名が参加した。誰が“その先”に駒を進めることが出来るのか。  ここまでの番組を視聴した大沢ケンジ・和術慧舟會HEARTS主宰が「格闘DREAMERSの合宿が慧舟會の合宿を思い出した。高谷君も岡見もずっと一緒に慧舟會の合宿やってきたから、俺と格闘技の育ちは一緒だなと。懐かしい! この番組おもしろい!」とツイートするなか、岡見勇信ヘッドコーチは「慧舟会の合宿よりも3倍の強度の内容を課しました。3部練の後にガチの試合を行うハードメニュー×3日間。格闘技に少しでも携わっている方なら、この内容のクレイジーさがわかると思います」と返信するなど、いまや伝説となった慧舟會夏合宿をベースにバージョンアップして、今回の“地獄の合宿”メニューが練られたことを明かしている。  試合形式のスパーリング前に、岡見が「だいぶ疲労や怪我もあると思いますが、今回の試合は何の言い訳もできません。しっかりと準備してきた者が勝つ、強い者が勝つ、それを見てきているんで、全力を出し切って頑張ってください」と叱咤激励。  また「人生の中で、こんなチャンスに巡り合えることって、本当数回しかないと思う。そのチャンスを掴むのか逃すのか、分かれ際になる瞬間だと思うので、精いっぱい頑張って夢を掴んでもらえたら」と試合前の参加者たちに声をかける数原龍友(GENERATIONS from EXILE TRIBE)の言葉通り、気持ちが入った最終試合は意外な結末に。  レフェリーとして石田光洋の姿も見えるなか、最終選考である試合形式のスパーリングでは、鈴木崇矢と山内渉が3度目の対戦も。  打撃の鈴木が組みの山内に巧みな首相撲ヒザを叩き込むと、組んで腕をセットして引き込む山内は三角絞めに。鈴木はタップしそうになるが叩かず。試合は容赦ない結果を迎えることに。  ともに怪我を押して臨む安永吏成と漆間將生のスパーリングでは、サウスポー構えの漆間が、左の打撃、組みでも先手を取るなか、安永も起死回生の首投げに。ここでも試合はフィニッシュ決着となり、それぞれが最終試合に賭ける意気込みが伝わる内容となった。  そんな中、番組サポーターの数原龍友(GENERATIONS from EXILE TRIBE)が「覚悟が見えていた試合」と語ったのは、元東洋太平洋ランカー・入口裕貴(23歳)とキックボクシング歴8年・柳田龍彌(25歳)の試合だ。  ボクサーとして2019年に勅使河原弘晶が持つ東洋太平洋スーパーバンタム級王座に挑戦したこともある入口に対し、柳田は空手から全日本グローブ空手優勝。ボクシングでも西日本新人王・フェザー級準優勝の実績を持つ。  オーソドックス構えから鋭い左ハイキックをダブルで蹴る柳田に、入口も右手でブロッキングするが、柳田は左のローキックで上下に散らしてから、左・右のパンチをクリーンヒット。クリンチする入口にボディ打ち、ヒザを突き上げ、ケージに詰めると左右のラッシュ。対ボクサーの戦いを完璧に遂行させ、入口をマットに沈めている。  試合後、柳田は「足がちょっと悪かったんですけど、もう壊れてもいいやって。これで合格じゃなかったら泣く」と、最終試合に賭けた想いを吐露。対する入口は「悔しいですね。自分がやってきたボクシングだけじゃなかなか通用しないってことが、この合宿でよく分かったし、ここに来てやると決めたからには、ブランクうんぬん関係なく、これがいまの自分の実力なんで言い訳には出来ない」と青ざめた表情で語った。  試合で見せ場を作り、勝利を収めた柳田だが、最終日の朝6時からの練習では、怪我により本格的な参加が出来ず。それを見た高谷総監督は、「(スパーリング)止めとけば? みたいな話はしたんですよ。そしたら“どうしてもやりたい”って。ほかの選手が海で走ってる間もずっと一人でシャドーをやっていた」と柳田に覚悟が見えたことを明かす。  怪我で悔し涙を流し、心身ともにピークだった柳田を突き動かすもの、それは妻子の存在だった。「嫁さんは、なにひとつ文句も言わずについてきてくれた」「夢を叶えられたら恩返しなんじゃないかなと思います」と語り、一人息子についても「『パパ頑張ってね』と言われたことが力になった。息子にも真面目でカッコいいお父さんって見せたい」「めちゃくちゃ受かりたいですね、何としても」と、一家の大黒柱として切実な想いをのぞかせた柳田のオーディション結果はいかに……。 [nextpage] レスリング王者・中村倫也と、ストライカー齋藤奨司が激突  続いて、最終選考のケージに上がったのは、2017年レスリングU-23フリースタイル61kg級世界王者・中村倫也(25歳)と、RISE出場経験のある齋藤奨司(26歳)。「練習だけに集中できる期間はありがたかった」と根っからのアスリート気質を見せる中村は、“地獄の合宿”も「みんなコントかと思うくらい足つってましたね」と余裕の笑顔。  対する齋藤は、ボクシングで2012年国体少年男子フライ級優勝の経験を持つも、大学卒業後は大手企業に就職。しかし、格闘技を忘れられず、再びリングに戻ると、2018年KAMINARIMON全日本大会-65kg級優勝。RISEでは、2019年3月に成尾拓輝に1RKO負けを喫するも、9月に大石健作に判定勝ち、2020年1月にKAZUMAを1RKOに下すなど、2勝1敗の戦績を残している。2020年にはアマチュア修斗関東選手権フェザー級で優勝。修斗でプロライセンスも取得している。  実は、合宿初日の面談で「戦いたい相手」を聞かれた齋藤は、中村を対戦相手として指名しており、「1番強いやつと戦って勝ったら1番強いじゃないですか」と指名理由を説明。「負けてしまった場合、オーディション脱落という可能性もあるがそこは大丈夫か」との質問に対しても、「上に上っていけば、いずれ戦うと思うんで」と強気な発言をみせていた。  試合形式のスパーリングでは、右足前のサウスポー構えの中村が、オーソドックス構えの齋藤の右ミドルを捌いて、左のスーパーマンパンチをヒット! そのまま前進し前足を掴んでシングレレッグで押し込みテイクダウン。立とうとする齋藤のバックに回り、両足をかけてリアネイキドチョーク狙い。さらにバックマウントから腕十字で齋藤を前転させるも、齋藤も腕をクラッチ。ならばとマウントに移行した中村が、齋藤の右脇を開けさせて肩固めを極めた。  自ら指名した中村に大敗を喫した齋藤は悔しさを隠しきれず。試合後のインタビューでも、「何もできなかったですね」と語り、スタッフから「合格・不合格はどう思う?」と聞かれると、「負けたんで分かんないっス」と険しい表情を浮かべた。 [nextpage] 高校6冠エリートボクサー宇佐美と、叩き上げグラップラー岡田達磨は、まさかの展開に  ほかにも、高校6冠のエリートボクサーの宇佐美正パトリック(20歳)と、2018年国体グレコローマンレスリング80kg級5位の岡田達磨(20歳)の試合では、「2位、3位はベベ(最下位)と一緒」と言い切る宇佐美と「まだ一番じゃなくてもいずれは一番になる」と静かな闘志を見せる岡田の対照的な両者の戦いに。  試合では、右足前の岡田に、宇佐美が右をヒットし、両差しから先にテイクダウン。しかし重心を上げ過ぎた宇佐美に岡田は右を差し返して左にブリッジしてスイープ。サイドからマウントを奪い返す。三角も狙う岡田に、そこで止まらずすぐに潜りから前方に送り出して抜けた宇佐美はスタンドに。  岡田の低いダブルレッグも潰して上を取るなど、EXFIGHTでのMMA練習の経験を活かした動きも披露する。そのままマウントで両手で正面から首絞めに。エゼキエルチョーク(ノーギの袖車絞め)かと思いきや、これはユニファイドルールにおける「相手の首や気管を指でえぐる反則行為・相手の首を両手指で絞めたり、気管を指で突いたりする反則行為」にあたり、反則と判明。岡田と宇佐美に確認が取られ、3分後に再試合となった。果たしてその結末は―─。 「全部完全決着だった。めちゃめちゃ気合を入れてやっていた」とオーディションの総指揮を務める高谷裕之総監督も思わず唸る試合形式のスパーリングでは、「絶対に強くなります」と涙ながらに決意を固める者、「もう壊れてもいいやって、殺す気でいきました」と最後のチャンスにかける者、「言い訳にはできない、これが今の実力です」と現実を受け容れる者、それぞれの人間模様が現れている。  常に格闘技に対して厳しく接した高谷総監督も「こんなに情が入るとは思ってなかったですね。3日間の思い入れがありすぎて……途中泣くかと思いました」と語った、合否の行方はいかに?  次週、4月10日(土)配信の第5話では、ついに2次オーディションの結果が発表。以前、「いま僕の中で100%無理かなと思うのは4人いて……」と2次オーディションの脱落者を示唆していた高谷総監督は、この最終試合を経て考えに変化はあったのか。「尊敬するようないい試合ばっかりで、心苦しいけれど……ここで脱落者を発表します」と語り出す。脱落するのは、いったい誰なのか。プロ格闘家としての覚悟を決めた“DREAMERS”に下される審判に注目だ。 ◆第1話 レスリングU-23世界王者の中村倫也、高校ボクシング6冠・宇佐美正パトリック、DEEP2戦目で高塩竜司を下した山本歩夢、IGLOOの鹿志村仁之助、RISEからプロシューターの齋藤奨司、勅使河原弘晶に挑戦した元ボクサー入口裕貴も参加 ◆第2話 岡見勇信「覚悟なんて簡単に人を裏切るから」──“地獄の合宿”2次オーディションへ ◆第3話 2日目グラップリングスパーは、中村倫也vs.岡田達磨のレスラー対決、山内渉vs.鈴木崇矢の極真対決も
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