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インタビュー

【Bellator】ハビブ×パトリシオ、2人の“GOAT”が並んだ日。“ピットブル”はなぜ「世界一だ!」と叫んだのか

2021/04/05 13:04

パトリシオ「ハビブと戦ったら? 俺には秘策がある」

 フィニッシュ直後、カメラに向かって、「世界ナンバーワン、ピットブルだ!」と叫んだパトリシオ。

 UFCというもうひとつの頂きがあるなか、常にBellator王者は、オクタゴンの王者と比較されてきた。その状況下で、二階級王者のパトリシオは「世界一」という言葉を発している。

 5月16日には、かつてパトリシオが1R TKOに下したマイケル・チャンドラーが、シャーウス・オリベイラを相手に「UFC世界ライト級タイトルマッチ」に臨むことが決定。7月10日にはダスティン・ポイエーとコナー・マクレガーが3度目の対戦に臨む。

 また、UFCフェザー級では、王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーと挑戦者ブライアン・オルテガが、UFCが3年ぶりに復活させる『The Ultimate Fighter 29』の両コーチに就くことも決定。シーズン終了後に仕切り直しの決戦に臨むことになる。

 パトリシオは言う。「自分自身は“世界のナンバーワン”であることを知っている。自分のレコードも、誰に勝って来たかも知っている。それで十分だ」と、Bellator王者の自負を語る。

 この日、サークルケージには、元UFC世界ライト級王者にして29戦29勝無敗のまま引退したハビブ・ヌルマゴメドフが、12勝無敗の従兄弟ウスマン・ヌルマゴメドフのセコンドにつく姿が見られた。記者陣から「ライト級の“GOAT(the greatest of all time)”が見ていることは何かプレッシャーを感じたか?」と問われたパトリシオは、一瞬、怪訝な表情を浮かべてみせた。

 そして、マネージャーからの耳打ちに、「ああ、“GOAT”って言うから“俺が俺の試合を観ている”ってどういうことなのかと思ったよ。ハビブがいたことは知っているけど、だからといってそれは俺の試合には関係ない」と一笑すると、「もうひとりの“GOAT”として、もしハビブと戦ったら?」という唐突な問いに対して、「ハビブとの試合? 俺には秘策がある」と言い切った。

「ハビブはいつも前に出続けるだろ? そこにはすごいプレッシャーがある。だから、彼の対戦相手は彼をステップバックさせる必要があるんだ」と「ヌルマゴメドフともし戦わば」を語るパトリシオは、「グレイソン・チバウ戦を見返した方がいいぜ。あれはすごく競った試合だった」と、ヌルマゴメドフに圧力をかけ、テイクダウン狙いをことごとく切ったブラジルの同朋の試合を例に挙げた。

 両団体の“GOAT”が揃い、無敗のAJ・マッキーがパトリシオとフェイスオフを繰り広げるなど、豪華な顔ぶれが並んだ「Bellator 255」。決勝は「史上最高の試合のひとつであることは間違いないだろう」とパトリシオも胸を張る。RIZINの榊原信行CEOは、今秋開催のフェザー級ワールドGPに向け、「Bellatorのチャンピオンにも参戦してほしい」と語っており、日本のファンにとっても注目のファイナルであることは間違いない。

 AJはパトリシオとの試合を「来週でも喜んでやる」と豪語したが、“ピットブル”は「いますぐやろうぜ! 俺は準備できている。俺もあいつも今ここいる。やろうぜ! いまがその時だ」と闘犬の異名に違わぬファイティングスピリットを見せている。

 6月から8月にかけて行われるBellatorフェザー級GP決勝&王座戦はどうなるか。世界が注目している。

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