MMA
レポート

【UFC】マネル・ケイプが2連敗。エドワーズvs.ムハマッドはNC、ハニ・ヤヒーラ、ジン・ユウ・フライが勝利

2021/03/14 10:03
 2021年3月13日(日本時間14日)、米国ネバダ州ラスベガス・UFC APEXにて「UFC Fight Night: Edwards vs. Muhammad」が開催された。 UFC Fight Night: Edwards vs. Muhammad 現地時間2021年3月13日(土)、日本時間14日(日)米国ネバダ州ラスベガス/UFC APEX 【メインイベント】 ▼ウェルター級 5分5R-レオン・エドワーズ(英国)170.5lbs/77.34kg[2R 0分18秒 ノーコンテスト]-ベラル・ムハマッド(米国)170lbs/77.11kg  ウェルター級3位のエドワーズと、13位のムハマドのメインイベントの5R戦。  ウェルター級ではカマル・ウスマン、GSPに続いて連勝記録3位の8連勝中のエドワーズ。ここ3戦ではドナルド・セローニ、グンナー・ネルソン、ハファエル・ドス・アンジョス相手にいずれも判定勝ち。今回が1年8カ月ぶりの試合となる。  というのも、2020年3月の英国大会でタイロン・ウッドリーと対戦予定だったエドワーズだが、新型コロナウイルスの影響により中止。同年12月にハムザト・チマエフとの対戦が組まれたが、両者がウイルス感染。チマエフが引退を示唆するほど重症化し、今回、代役のムハマッドとの対戦が決定した。  対するムハマッドは、2019年9月の佐藤天戦でのリアネイキドチョークにより一本勝ちを含むUFC4連勝中。2021年2月13日の前戦では、ディエゴ・リマに判定勝ちを収めている。  1R、サウスポー構えのエドワーズ、オーソドックス構えのムハマッド。右の大きなダブルで前に出るムハマッド。しかしエドワーズは左ストレートで下がらせると組んで押し込み。体を入れ替えたムハマッドがヒジを入れて離れる。  オーソドックスにスイッチし、さらにサウスポー構えになり左ハイ! ブロッキングの上を抜かれたムハマッドは効かされてグラつく。左右ラッシュするエドワーズに、組んで両脇で差すムハマッド、差し返して突き放すエドワーズ。  左から右もフック系のムハマッドは、ハイキックを受けた右目周辺から出血する。右ハイのムハマッドに、左ミドルはエドワーズ。前手を巧みに刺して、左ストレートを突く。左インローも。ムハマッドの右ミドルを掴んで組むエドワーズは際のヒジを狙う。  2R、左手を前に伸ばしながら左ミドルを当てるエドワーズ。その左がアイポークとなり、声を挙げて座り込むムハマッド。首を振るムハマッド。ハーブ・ディーンレフェリーが両手を挙げて試合続行不可能を示した。  アクシデントによるアイポークで結果はノーコンテストとなった。  試合後、エドワーズは、「ベラルには心からお詫びしたい。頭部のクロスキックを狙ったら、彼が踏み込んできた。本当に申し訳ないと思っている。あんなことになるくらいなら、いっそのこと負けてしまいたかった。心が折れてしまって、何と言っていいか分からないんだ。復帰できてよかったし、気分もよかった、Ring Rust(※試合から1年以上離れたときに失うといわれる感覚)なんて信じない。1R目は明らかに僕が勝っていたし、もっと見せたかった……そのチャンスを奪われたのは、明らかに不運だった。胸が張り裂けそうだよ」と神妙な表情で語った。 [nextpage] 【セミメインイベント】 ▼ライトヘビー級 5分3R×ミシャ・サークノフ(ラトヴィア)205lbs/92.99kg[1R 1分11秒 TKO] ※左フック〇ライアン・スパン(米国)206lbs/93.44kg  ライトヘビー級11位のサークノフと13位のスパン。  サークノフは柔道&レスリングベース。2019年3月にジョニー・ウォーカーに1RKO負け後、同年9月にジミー・クルートに1R ペルヴィアンネックタイで一本勝ち。スパンとはいったん2020年12月に組まれていたがサークノフが負傷欠場し、1年半ぶりの試合となる。  対するスパンは、LFAを経て「DW's Contender Series 2018」で勝利し、UFC入り。2戦目でアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラに1R KO勝ちするなど4連勝も、2020年9月の前戦でジョニー・ウォーカー逆転KO負けでUFC初黒星。連勝が8でストップしてる。  サウスポー構えのサークノフは左の蹴り、左フックで前進。しかし喧嘩四つのローが金的に。再開。  サークノフの右ジャブに、ワンツーの右を真っすぐ打ち抜きダウンを奪うスパン。パウンド連打も立ち上がるサークノフに、スパンは右ストレートから左フックでダウンを奪うと、鉄槌連打。レフェリーが間に入った。  MMA19勝6敗となったスパンは試合後、「ジミー・クルートとアンソニー・スミスの勝者と戦いたい」と語った。 ◆ライアン・スパン「俺の人生でどういうことが起こっているのかをみんなに聞かせてやりたい」「その瞬間、その場所にいたいと思っていた。すべてを見られるようにしたかったから、リラックスして臨みたかった。今日は笑えたし、ジョークも言えたし、リラックスできていた。ちょっと緊張して、自分が思っている通りにいくのか、どうすればいいのか……。基本的には思い通りにいった。相手がダウンしたとき、必ずしも柔術の戦いをしたかったわけじゃない。これまでも大きなグラップラーと戦ってきたから怖くはなかった。恐れていたわけじゃなくて、ただ、忍耐強くいたかったし、自分の力を発揮したかったんだ。俺はすべてのことからポジティブなものもネガティブなものも得るようにしている。自分のことについて誰かが良いように言ってくれていたとしても、すべてに感謝しつつ、それをすべて忘れない。  相手が最初に倒れたとき、ジョニー(ウォーカー)がどうやって自分の下に落ちてきたか、自分がどうやって相手の下に回ったかを思い出せた。UFCは“なんで相手を追うんだ?”と言う人がいるけど、俺としては“何を考えていたか分からない”んだ。とにかくすべて覚えている。人生のあらゆる瞬間を、また別のタイミングで振り返って再生する特殊な能力がある。彼ら次第さ。俺の準備はできている。以前は5Rが予定されていたけど、5Rもやりたくない。試合に出て、誰かに触れて、自分の手を挙げてもらい、ブラジルで言ったようにして去る。それを目指している。メインイベントなら、メインイベントだ。そうじゃなきゃ、そうじゃない。自分たちがどこにいようとも、やるべきことをやり続ける。今回のようなパフォーマンスなら、そういう立場に立てると思いたいけど、前にも言ったように、俺たちはただゲームをしているようなもの。  俺は現実主義者だから、前は誰かを指名できるような立場じゃなかった。今回の試合が決まったとき、彼は10位だった。そいつを倒した。そいつを止めたんだ。もちろん、数字の話もしないとね。(ランキングの)ひと桁がいい。ユライア(ホール)や自分のジムの選手たちに追いつきたい。ランキングで俺だけふた桁なんてまっぴらだ。ひと桁をくれ。これ以上はどうすればいいか分からないけど、自分自身だけでなく、メンフィスのロースクールMMAのみんなや、ダラスのフォーティスMMAのみんなに証明したい。俺の人生でどういうことが起こっているのかをみんなに聞かせてやりたいんだ。落ちていく俺を見てきただろうけど、立ち直るところも見ている。君たちにも同じことができるんだぞって。それを証明してみせたいんだ。巻き返せるということをみんなに証明したい。彼らだってできるってことを。みんなにベストを尽くしてもらいたいんだ。  今日は“Middle Child”に合わせて入場したけど、この曲に込められた意味は、今のフォルティスには3人のライトヘビー級ファイターがいて、ケネディ・エンジーチュクー、俺、アロンゾ・メニフィールド。ケネディは先週戦ったばかり。そして俺は今週。ケネディに感謝だ! あいつのタイムを超えないといけなかった。あいつが俺よりも早く誰かをノックアウトするのを許すなんてできなかったのさ。だから今度はゾー(アロンゾ)、おまえの番だ。ゾーは再来週にあって、俺はその間だった。だから“Middle Child”だったのさ。あいつらが俺に付いていてくれるから」 [nextpage] 【メインカード】 ▼フェザー級 5分3R〇ダン・イゲ(米国)145.5lbs/66.00kg[1R 0分22秒 KO] ※右ストレート×ギャビン・タッカー(カナダ)146lbs/66.22kg  柔術とレスリングがベースのイゲはフェザー級9位。2018年6月から2020年5月のエジソン・バルボーザ戦のスプリット判定勝ちまで驚異のUFC6連勝をマーク。しかし、2020年7月の前戦カルヴィン・ケイター戦では判定負けで連勝がストップした。  ライアン・ホールの欠場により、代役でイゲと対戦することになったタッカー。UFC4勝1敗。2020年12月の前戦でビリー・クアランティーロに判定勝ちで3連勝中。ランキング入りを狙う。  1R、サウスポー構えのタッカー、オーソドックス構えのイゲ。タッカーはワンツー狙いで中に入るが、そこにイゲはカウンターの右ストレート! 鈍い音がしてタッカーは後方にダウン。すぐにレフェリーが止めた。  父はハーフジャパニーズで日系クオーターのイゲは「息子が生まれるんだ。すべてを披露できた」と笑顔を見せた。 ◆ダン・イゲ「今まで負けていた、ちょっとしたことを諦めないこと」「とにかく熱狂だね。勝利できて嬉しいし、健康でいられることも嬉しい。感謝しかない。家に帰って、妻と一緒に過ごし、男の子の赤ん坊を迎える準備をするからワクワクしている。50K(5万ドル)と言ったのさ。否定できないだろ。戦闘を予想していた。ギャビンはタフなやつだ。今回の試合は接戦になると思っていたし、自分がああなる可能性だってあったわけだけど、必死にトレーニングしてきたし、すべてを見極めて最初の一発を打ち込んだんだ。あとは歴史の通りさ。とにかく繰り返し。ジムに毎日通って、何かしら改善するという目標を持つ。打撃、ボクシング、ジャブとかのテクニックを向上させることだろうと、レスリングやグラップリング、ケージコントロールなど細かい部分の改善であろうとね。小さい部分でも細かいことでも集中し、練習でちょっとした戦いに勝つこと。  過去に負けた試合を振り返れば、何かが吹っ飛んだわけではない。ラウンドを諦めてしまったとか、そういうちょっとしたことだったから、ラウンドを諦めないようにして、練習でも絶えずそれに取り組み、今まで負けていたところをそうならないようにしてきた。そういう、ちょっとしたことなんだ。それを今日見せたかったけど、でも、クリーンなKOに文句はないよ。動き続けたい。もちろん、子供が生まれるけど、だからといって試合から遠ざかることはないし、ファイターとして自分を成長させるだけ。人間としても成長できるだろうし、それが全体的な目標だ。俺はチャンピオンになるためにこのスポーツを始めた。1回目は失敗したけど、でも今、2度目を走り始めているからやるしかない。ちょっと怖い気がする。つまり、ジムに戻ってもっとハードに頑張らないといけないということ。  賢い人が教えてくれたんだけど、こういう風に1RでキレイにKOした人は誰でもノックアウトできるものだと思われてしまうから次の試合でちょっとヤバく見られそうだ。俺にしてみれば、ジムに戻ってさらに努力しないといけないってことになる。このKOはハードワークのおかげだし、反復のおかげ。行きたくなくても毎日通った結果だし、ジムで必死に頑張った結果。これを続けていかないといけない。それが成功のレシピだ。俺はそれを本当に信じているし、これからもそうしていく。ラスベガスで戦えるのは最高だ。ここが俺のホーム。戻ってシャワーを浴びて、車で10分のところでピザを食べ、妻や母、友だちと一緒に過ごす。とにかく嬉しい。家に帰れることが嬉しくて、健康でいられることも幸せだ」 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×ジョナサン・マルチネス(米国)136lbs/61.69kg[2R 3分03秒 TKO] ※左フック〇デイビー・グラント(英国)135.5lbs/61.46kg  1R、サウスポー構えのマルチネスがグラントを詰めて左フックでダウンを奪う。2R、オーソから左の蹴りを腹に当てるグラントは、右ボディから左フックを対角にヒット! 左を振っていたマルチネスはカウンターでもらい後方にダウン! グラントがパウンドアウト。   グラントはUFC4勝3敗に。前戦に続き、思い切りのいい左フックでオクタゴン2連続KO勝ちを決めた。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×マネル・ケイプ(アンゴラ)125.5lbs/56.93kg[判定1-2] ※28-29×2, 29-28〇マテウス・ニコラウ(ブラジル)125.5lbs/56.93kg  元RIZINバンタム級王者マネル・ケイプ(アンゴラ)が緊急参戦。柔術黒帯でMMA15勝2敗1分(UFC3勝1敗)のマテウス・ニコラウ(ブラジル)を相手に、階級を落としたフライ級でUFC2戦目に臨む。  ケイプは、2月のラスベガスでのオクタゴン初陣は、UFC世界フライ級ランキング5位のアレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)に判定負け。RIZINとのシューズの有無の差に戸惑ったという。その後、同じAKAのライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフからもアドバイスを得た。  対するマテウス・ニコラウは28歳の黒帯柔術家。元フライ級12位にランクされた。TUFブラジル4のバンタム級トーナメントで準決勝敗退も、UFC本戦デビュー後はブルーナ・ロドリゲスにジャパニーズネックタイで一本勝ち、ランカーのジョン・モラガ、ルイス・スモルカに判定勝利し3連勝。2018年7月にダスティン・オーティズにTKO負けの1敗でリリース。  その後、「Future FC 5」でダースチョークで一本勝ちし、2019年8月の前戦「Brave CF 25」で元RIZINのフェリペ・エフラインに判定勝利で2連勝。オクタゴン復帰を決めた。  寝技のみならず、オーソドックス構えでエフライン戦で効かせた右のカーフキック、下になっても蹴り上げなど打撃でもアグレッシブなニコラウ。パントージャのキックに苦しんだケイプはいかに戦うか。  1R、前戦での反省を踏まえ、足にサポーターを着用したケイプはサウスポー構えから。オーソドックス構えのニコラウは右インロー。その入りにケイプは右のカウンターを狙う。  さらに右インローを当てると、ケイプの前足が流れる。詰めるケイプにダブルレッグから金網までドライブし、ボディロックから後方に倒したニコラウ! ケイプはフルガードに戻してシングルレッグから立ちにいくと首を抱えるニコラウは、ギロチンチョーク!  立ちながら首を抜いたケイプは離れて左ハイ。しかしブロックしたニコラウはまたも右インローをカーフに打つ。さらにケイプの跳びヒザをキャッチし、テイクダウンを奪う!  ガードの中からパウンドするニコラウに、下から腕十字を狙うケイプだが、そこはニコラウも察知。中腰からパウンド。再びケイプは腕十字狙いもかからないニコラウは、外してボディにパウンドする。  2R、再びサウスポー構えから入るケイプ。右から左お二段蹴りで牽制するケイプは圧力をかける。ニコラウはの入りに左を当てると、低いシングルレッグも切り、前に出て左右を当てるケイプ! しかしニコラウも左! しかしバランスを崩したのはニコラウ。またも組みを切ったケイプは右からボディ打ち! その打ち終わりにニコラウは右フックを合わせる。  右を当てるケイプだが返しをもらうと自らインロー。強い圧力をかけて追うケイプ。ニコラウはニータップで金網までドライブするが、切ったケイプがプレス。右のダブル。ブロックするニコラウ。2R、ここまで30の打撃をヒットと数字が出るケイプ。右ローを蹴って尻餅を着くニコラウに付き合わないケイプ。  ニコラウは左ボディ。さらに前進にケイプは右フック! ニコラウの跳びヒサもかわし、終了間際にケイプがバックスピンキックで転倒もブザー。  3R、勝負のラウンド。ニコラウの右インローをサウスポー構えでかわすケイプ。右ジャブを出し、飛び込むケイプは左の前蹴りも。ニコラウのワンツーをかわすケイプ。しかしニコラウの左が顔面をとらえる、さらに右も。詰めるケイプは右ジャブを返す。ニコラウはシングルレッグも切るケイプ。  背中をつけたままのニコラウの足を蹴るケイプ。シッティングガードから立ち上がるニコラウ。右から左のニコラウは左! ローでケイプの足を流し手数も増やす。左から右フックが顔面をとらえるニコラウ! ケイプは左ハイもブロックするニコラウ。ニコラウのダブルレッグを切るケイプは、右跳びヒザを2度ヒット! ヒジを返すニコラウ。追うケイプだがブザー。  1Rはテイクダウン&ギロチンのニコラウ。2Rは手数のケイプ、3Rは後半に跳びヒザを効かせたケイプだがニコラウも積極的に打撃を当てている……判定を待ち右手を挙げるケイプだが、判定は2-1(29-28×2, 28-29)でニコラウが勝利。信じられないという表情のケイプはオクタゴン2連敗。  オッズではアンダードッグのニコラウが、2年8カ月ぶりのUFC白星。打撃のヒット数では劣勢だった勝者は「ケイプはタフな男だった。もっと行けると思ったけど、2Rにやられた。クロスファイトだった。フライ級に戻って来たよ」と接戦を振り返った。 ◆マテウス・ニコラウ「次の相手はランカーがいい」「試合に勝てるだけのことはやったと思う。最初のラウンドは自分が取ったし、2Rはもちろん向こうだろうけど、3Rは俺の方がまともなパンチを食らわせていたし、明らかなパンチだった。向こうの方がアグレッシブなペースだったとしても、俺のパンチは明白だった。試合に勝つだけのことはやったと思っている。  ここまでの旅路は大変だった。いろいろあったしね。この数年、本当にいろいろあって、UFCからも外された。特に今回のトレーニングキャンプはたくさんのことに取り組んだ。タギル・ウランベコフと戦うことになっていたけど、彼は完全に別のファイターだし、何もかもが違っている。2週間前に対戦相手が変わったから、今回の試合に向けてすべての戦略を変えないといけなかった。もちろんKOか一本で勝ちたかったけれど、今回みたいなタフな試合ができるのはいい。自分のファイターとしての戦い、いかにこれを望んでいたか、どれだけ必死に頑張ってきたかを、みんなにも、自分自身にも証明できたと思う。オクタゴンの中ですべてを出した。  勝利のために十分やれたはずだ。自分はトップに相応しいと思う。UFCを離れる前はトップ15だったんだ。初めてのフライ級の試合では(ジョン)モラガとやって、当時の彼は6位だったし、すでにタイトルを争ってもいた。ここでは常にタフなチャレンジだったけど、いつもしっかり勝っていた。今回の勝利でランキングに返り咲けるといいね。トップ15に。次の相手はランカーがいい。自分の目標ははっきりしている。トップまでの山を駆け上り、タイトルショットを手に入れたいんだ」 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R-エリク・アンダース(米国)186lbs/84.37kg[1R 4分37秒 ノーコンテスト] ※反則のヒザ蹴り-ダレン・スチュワート(英国)185.5lbs/84.14kg  スチュワートを金網に詰めて左右ラッシュ、ヒザ蹴り、クリンチボクシングと滅多打ちにしたアンダースだが、前大会のピョートル・ヤン同様に片ヒザを着いた状態のスチュワートの頭部に反則のヒザ蹴り。「ノーディシジョン」とコールされた。 [nextpage] 【プレリム】 ▼女子ストロー級 5分3R〇アンジェラ・ヒル(米国)115.5lbs/52.39kg[判定3-0] ※30-27×3×アシュリー・ヨーダー(米国)116lbs/52.62kg ◆アンジェラ・ヒル「女子の試合がどれだけワクワクするかを分かってもらいたい」「3Rはもう少しうまくできたともう。彼女に突っ込ませてしまったのが悔やまれるわ。少しアグレッシブにヒザを入れすぎて足をオープンにしてしまったから、その点は向こうが賢かった。彼女はトリッキーだったけど、自分はとてもうまくやれたと思っている。今回もあと少しでフィニッシュできた気がするけれど、もっと頑張るだけね。勝利には満足しているけれど、もっとうまくやれたのは間違いないから、振り出しに戻ってやるわ。彼女の顔を見れば分かった。ボディショットを打つたびに向こうが少しイラついているのが分かったし、あの攻撃を受けたらそうなってしまうの。彼女が唯一前に出てきたのはコーチが叫んだとき。それでハッとなって突っ込んでくる。彼女が攻めてこようとするタイミングは分かった。彼女のことが見えていたから、彼女が動き出す前に察知できた。本当にいい気分。  最初の1、2Rがほぼ完璧だったから、3Rはいくらかリスクを冒してもいいと思っていたの。ラウンドの半分くらいはほぼ何もしない感じだったけど、でもいいの。巻き返せたし、ラウンド自体は取れたから。今回の試合で自分から積極的に攻めていけたし、グラップリングで相手のマウントを取りにいけたから大きな自信になったわ。前回の試合から自分がどれだけ進化しようとしてきたか示せたと思うし、どこからでも攻撃しようと思っていたから、今日はそれがうまくできてよかった。  女子の試合がどれだけワクワクするかを分かってもらいたい。私たちが同じように才能を持っていて同じように技術を持っていることを分かってもらいたい。試合のドラマは本当に興奮するの。みんな、私の試合を見たがっている。“あーまたか”なんて思わない。実際は“キタキタ、面白くなるぞ”って思っているはずよ。私の戦績がその役に立っていると思う。私が勝つのかそうじゃないのか読めないからね。私が試合に出たら何が起きるのか見たくてしょうがなくなるの。私は気に入っているわ。ファンに人気になるのは嬉しいことよ。キャリアを通してずっとアンダードッグだった。誰もが待ち望んでいるダークホースみたいな存在だった。キャリアは常にジェットコースターのようだったけど、今は勢いよく上がっていると思う。昨年は頻繁に試合ができたから、今年はその勢いをキープして、できれば今年は一度も負けたくない。とにかく戦って戦って戦って、勝って勝って勝つ。トップに上り詰めるわ」 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇シャルル・ジョーデイン(カナダ)145.5lbs/66.00kg[3R 4分31秒 TKO] ※左フック×マルセロ・ロホ(アルゼンチン)145.5lbs/66.00kg ◆シャルル・ジョーデイン「カウボーイファイトで負けたことはない」「素晴らしいよ。俺はフィニッシャーだ。今のところ11勝していて、11勝すべてがフィニッシュによるもの。カウボーイファイトで負けたことはない。自分にとってのカウボーイファイトとは、相手が自分を打って来たら、相手に打ち返すというものさ。ロホもフィニッシュが得意な選手で危険な相手だったけど、自分がやり遂げた。座っているときに、コーチが“シャルル、相手が2-0になるかもしれない”と言った。椅子に座って俺が世界チャンピオンになりたいと言ったのを聞いただろう。2020年に勝利がないというプレッシャーがあったから、こんな終わり方はいけない。世界チャンピオンになりたいなら、今こそズボンの裾を捲り上げて男らしく振る舞え、という感じだった。  自分をとても誇りに思う。2020年に得た経験は、2021年に起こることを反映している。苦難を乗り越えてよかった。世界中のあらゆる場所で多くの人が疑ってくれたことが嬉しい。“あいつはホンモノにはなれない”と言われてモチベーションは上がらなかった。でも大丈夫、自分のためにこのスポーツをやっていることに気づいて、あの椅子に座った時、俺はこの場に相応しいと自分自身に証明したいと言った。それは自分について、自分のストーリー、何を描きたいかということさ。それが自分にモチベーションを与えてくれた。外からのプレッシャーではなく自分に対して課していた内的なプレッシャーだ。  MMAキャリアを通して今までで最悪な気分だったのは(アンドレ)フィリとの試合後さ。試合が終わった後はまだあと3ラウンドできると思うくらいだった。あれがワーストだな。もっとうまくやれるのが分かっていながら、そのきっかけを掴めなかった。俺はまだ若いし、もっと早くきっかけを掴まないといけないってことを学んでいる。1Rは大したことはなかったな。キックで相手をスローダウンさせようとしたんだ。2Rは打ち合い気味で、3Rは分かるだろ? 行くっきゃないってやつさ。素晴らしい結果を手にしているけど、なんだろうね、経験かな。2020年を乗り越えられて本当に良かった。  カブ・スワンソン。彼のことは何度か見かけたことがある。向こうの関心を得られなかったのは不満だけど、UFCに来てからずっと彼と戦うことが目標だった。誰が相手か分からないけど、彼は試合の予定があるはず。別に何か要求するつもりはない。もっと自分の力を証明する必要があることも分かっているから、(ショーン)シャルビー(マッチメーカー)さんとマネジャーのステファンが調整してくれたのであれば、そこに向かうし、準備もする。カナダ代表としてベストを尽くすよ」 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)136lbs/61.69kg[2R 3分09秒 肩固め]×レイ・ロドリゲス(米国)135.5lbs/61.46kg  日本のHERO'Sでも活躍し、UFC17戦で11勝4敗1分1NCという驚くべき戦績を残しているハニ・ヤヒーラ(ブラジル)がバンタム級に参戦。UFC2戦目のレイ・ロドリゲス(米国)と対戦。  粘り強いダブルレッグで金網に詰めて、シングルレッグからもう片方の足をアンクルピックでテイクダウン。ハーフガードの中で肩固めを極めた。 ◆ハニ・ヤヒーラ「自分は進化していると思う。組織がどれだけ進化してきたかも見てきた」「試合はうまくいった。相手が激しく打撃を始めたけど、何度かパンチを受け止めることができた。相手がブロックするのに強烈なキックを放ってきたから今は腕が痛むよ。相手の強烈なパンチを受け止めるというのは自分がやりたかったこと、つまり距離を縮めるためには重要だった。最終的には、彼を掴んでテイクダウンするのに適した距離をとることができた。マットの上では自分がコントロールしていると感じた。相手はガードからのフックで俺を脅かし、それ以上進むのを避けた。自分は冷静だった。息を吸って、パンチして、息をして……。いずれはチャンスが来ると思っていた。それが2Rでやってきた。  自分はかなり長い間ハードなトレーニングを続けているけど、毎日何か新しいことを学びたいと思っている。それがマットの上でのトレーニングであっても、マットの外でのトレーニングであってもさ。毎日、より良い人間、より優れたファイターになることを目指して、自分は進化していると思う。WEC時代、つまり2007年からこの組織に所属しているけど、組織がどれだけ進化してきたかを見てきた。今週ここに来て思ったのは、これで体重を作れないはずはないということ。今ではトライフェクタがドアまで食事を運んでくれるし、体重を減らすためのツールも揃っている。俺が試合でここに来る度に組織はもっと良くなっている。とても嬉しいよ。  俺が言いたいのは、一つの例を上げたにすぎないけれど、この組織の発展に携わることができて非常に光栄に思っているということ。WEC時代から今ではESPNで放送され、全世界に知られるようになった。自分にとっては名誉なことだ。もっとたくさんの人を相手にフィニッシュを決めたいし、もっと多くの人をサブミッションしたい。今は家に帰って休みたい。来週試合をしたいと言いたいところだけれど、俺にはシャワーを浴びたり、時間を取って1週間休んだりすることが重要だと思う。この1年間ノンストップでトレーニングを続けてきたから、エネルギーを補給して、UFCから声が掛かったらいつでも戻ってきて最高のパフォーマンスを発揮したいと思う」 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ナスラット・ハクパラスト(ドイツ)156lbs/70.76kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×ラファ・ガルシア(メキシコ)156lbs/70.76kg ◆ナスラット・ハクパラスト「俺にとってフィニッシュは15分間の戦いほど重要ではなく、経験なんだ」「以前、俺が12勝0敗のラファ・ガルシアの名前を聞いたとき……俺のチームは、いつもこうだ。名前を聞いたら、その人の記録や経験に関係なく、いつも真剣に受け止めるんだ。彼には失うものは何もない。タフで、俺より少し背が低くて、小さなオクタゴンで……こういう選手と戦うのは、俺にとってもいい経験になった。正直なところ、俺は“自分は次の大物だ”というような宣伝文句には乗りたくない人間なんだ。ただ、自分のパフォーマンスで感動を与えたいと思っていて、今日はそれができたと思う。俺はただ戦うことが好きで、それは経験になる。俺にとってフィニッシュは15分間の戦いほど重要ではなく、経験なんだ……。  俺は25歳で、UFCでは2戦目だ。遅かれ早かれタイトルを取ることになるから、たくさんの経験を積みたいと思っている。すべてに備えて、クレイジーな状況にも驚かないようにしたいんだ。いい経験になったし、これからも戦い続けていきたいと思う。今日の目標は、1R目で彼を牽制することだった。たとえジャブを2つ打つだけだったとしても、相手をチェックしたかったんだ。彼は新人で、映像もあまりない。もし、俺が人々に感動を与えたいと思って試合に臨み、スイングしてノックアウトされて捕まると想像してみてほしい。これは容赦がないスポーツだ。俺はセコンドに、相手をチェックして牽制するように言われた。2R目、3R目には彼を引き離すようにと言っていた。その通りになったと思う。ドーバーとの試合では、彼を殺したいと思っていた。  今回のパフォーマンスで本当に成長したと思うし、自分の将来が楽しみだ。今、俺が15位以内に入りたいと言えば、それは実現する。すべてが実現するんだ。俺はただ、戦い続けたい。3戦、4戦と現役を続けるだけ。俺は25歳と若いからね。たとえトップ5に入ったとしても、できる限り戦いたいし、長いキャリアを築きたいと思っている。あと10年くらいは戦いたいし、このスポーツを楽しみたい。3連勝、4連勝、それが目標だね」 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇J.J.アルドリッチ(米国)125.5lbs/56.93kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×コートニー・ケイシー(米国)126lbs/57.15kg ◆J.J.アルドリッチ「今はテイクダウンに自信がついてきているし、私にとって危険な武器のひとつになる」「最高の気分よ。覚えている以上にいいものね。2年も勝利から遠のいていたから、本当に良かった。変な感じだった。前回の方が今回よりも緊張していた気がする。今回は自信があったの。今日は勝ちに行くつもりでいった。考えていたほど緊張していなかったと思う。でも、タフな試合になることは分かっていたし、ペースもきついと思っていたわ。打ち合いになるだろうってね。彼女は確かに何発もいい打撃を放ってきた。でも、私だって打てていた。今回の試合はテイクダウンが最大の要素だったと思うし、私がかろうじて勝利できたのもそれが理由だと思っている。  みんなから、なんでそんなに相手がタフなファイターだと思うのかと聞かれたけど、彼女のこれまでの試合を見れば、世界で一番の相手を倒してきているのは分かるでしょ。今回の試合が決まったときは本当にワクワクした。世界でトップの人たちとやってきた相手だし、私自身を後押ししてくれる試合になるって。彼女は確かにベストレコードを持っているわけじゃないけど、ものすごくタフ。その彼女に勝ったんだから、私の名前が上がってくるはずよ。  最近、ジムを変えて自分の限界は青天井だって気がしているの。ファイトキャンプを重ねればもっと成長できると思う。試合のあとは毎回、前よりも成長していると思うけど、前以上に自信を持てるようになったし、手強い相手をどんどん倒していけるという気がしている。グラウンドゲームはいつもうまくできていると思うけど、自信を失っていた。テイクダウンを狙うのに緊張することが多くて、でも、今はテイクダウンに自信がついてきているし、私にとって危険な武器のひとつになると感じている。すでに最高の打撃を持っているから、スタンディングでもいけるし、世界一の相手とも打撃でやり合える。そこに少しのグラップリングが加われば、とても危険な存在になれるはずよ。このまま続けていきたい。9月からずっとものすごく必死にトレーニングしてきたし、12月にこの試合を受けて3月に戦った。家に帰って、ミック(メイナード)が連絡をくれればすぐに返事するわ」 [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇ジン・ユウ・フライ(米国)115.5lbs/52.39kg[判定3-0] ※29-28×3×グロリア・ジ・パウラ(ブラジル) ◆ジン・ユウ・フライ「何かを強く求めれば、それを邪魔するものは何もない。ただひたすら努力するのみ。何度転んでも、立ち上がって前に進むだけ」「間違いなく自分が勝ったと思った。1Rと3Rは、かなりしっかりとコントロールできたと思う。2Rはどちらとも言えない感じだったので、29-28という結果が出たときは自分が勝ったと確信したわ。それが最初のゲームプランだった。彼女はかなり洗練されたストライカー。相手が得意とするところで戦う必要はない。相手が最も苦手とする場面に持っていって、相手が戦いたくない試合をさせようと思った。  自分の胸や肩の荷が下りたような気がする。誰もがUFCに出たいと思っているけれど、それ自体が難しいわけじゃない。最初の勝利を得ることがかなり大変なの。最初の2試合で0勝2敗という苦い経験をした。そこから自分を奮い立たせて次のキャンプに臨み、自信を持って勝てたことは自分が一番誇りに思う。このような形で1年をスタートさせることができて良かった。  来週はチームメイトのシャイアン・ベイズに期待しているわ。彼女はこの勢いを維持してくれるだろうし、今夜はライアン・スパンもいる。来週は2人の試合とJ.P.ベイズの活躍を楽しみにしている。何かを強く求めれば、それを邪魔するものは何もない。ただひたすら努力するのみ。何度転んでも、立ち上がって前に進むだけ」 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇マシュー・セメルスバーガー(米国)169.5lbs/76.88kg[1R 0分16秒 KO] ※右ストレート×ジェイソン・ウィット(米国)171lbs/77.56kg ◆マシュー・セメルスバーガー「リスクを恐れない俺を見ればみんなに楽しんでもらえる」「正直なところ何も考えていなかった。本能のままに反応していたってところかな。特にコーチが指示してくれたことや、今週を通して取り組んだ準備とかね。深く考えすぎるな、すべての作業は終わって手は打ってあるんだから、自分はただそこに行ってすべきことをするんだ、そういう感じさ。確かにやりがいがある。何かのために一生懸命働いた人が、あのレベルで効果のある望んだ結果を実現できたのなら最高だろ? 本当にいい気分さ。  どの試合にも、殺すか殺されるか、行動するか死ぬかという姿勢で臨んでいる。100%正直に言うと、UFCでのすべての戦いに勝てるとは思っていない。でも俺が相手を倒しにいったり、みんなを楽しませようとしたりしているのは分かってもらえるはず。俺が気絶していようが相手が気絶していようが自分の持っているものをすべて相手にぶつけるつもりだ。だからこそ、リスクを恐れない俺を見ればみんなに楽しんでもらえると言えるのかもしれない。  少なくともあと1、2回は戦いたいし、当然、アクティブであり続けたい。前回の試合後は早めに戻るチャンスがあったけれど、チームや家族、それに技に焦点を当ててジムに戻るように言った人々の話に耳を傾けなかった。家に帰ったらすぐにジムに戻るつもりさ。見て分かるようにケガなどはないから、できるだけ早くここに戻ってきたい」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア