(C) ONE Championship / SUSUMU NAGAO / ゴング格闘技
2021年2月22日(月)東京・TSUTAYA O-EASTにて『Road to ONE:4th Young Guns』が開催され、メインイベントの女子アトム級で、修斗世界女子スーパーアトム級6位の中村未来(MARS GYM)が、平田樹(フリー)と対戦した。
『格闘代理戦争』からONE Championship本戦デビューし、6試合連続フィニッシュ勝利している平田の強力な組みに対し、中村はテイクダウンされても金網を使って立ち上がり、サウスポー構えから得意の左ストレート、右フックをヒット。平田を後退させる場面を作ったものの、最後は平田の十八番である首投げ&袈裟固めからのパウンドに敗れた。
1年間、試合が空いた平田がONE本戦でアトム級GPに向かうためのチューンナップ・ファイト、という位置付けのなか、主役を相手に“かませ犬”に留まらない存在感を示した中村は、試合後、敗者ながら青木真也から「Next Young Guns Award」を受賞している。
北海道でネイリストを続けながら、ファイターとしても成長を見せている中村は試合後、開口一番「もっとやりたかった」と言い、「周りの反応を覆してやりたかったけど、対等に戦うにはまだまだ足りない」と、悔しさをあらわにした。
中村未来「勝ちたかった」
──試合を終えた率直な感想を。
「いやー、悔しかったですね。もっとやりたかったです。最後まで、まだやれることがあったなと思って」
──組まれても突き放し、倒されても立ち上がる場面を見せました。
「組まれて投げられるだろうなと思ったので、寝てからの対処は、結構やり込んでいて、たぶん何度か立つことが出来たんですけど、やっぱり最後は、一番警戒していた首投げで、やられてしまったんで、そこは悔しかったです」
──最後の首投げは、引き手を取られての袈裟固めから、両足で挟まれたために、バックに回れなかったようでした。
「そうですね。あの対処もいっぱいやったんですけど……あの袈裟から腕を取られるまでが速かったですね」
──打撃面では、得意の前手の右フック、左ストレートを当てた場面も見せました。手応えはいかがでしたか。
「打撃は、1R、行けるかなと思ってたんですけど、打撃を振ってきてからの組みの対処が一歩一歩遅れて後手に回っていたのが、もうちょっと上手くやりたかったなと思います」
──打撃ではストレートを当てて、打ち気になって前がかりになったところに、カウンターのダブルレッグでテイクダウンを奪われてもいました。
「そうですね。行き過ぎましたね。行かなくてもいいところも行っていたんで、何発か当てて、距離を取ってまた当ててとやれれば良かったんですけど……」
【写真】平田のギロチンを防いでバックテイク、中村にもチャンスはあった。
──平田選手が主役のメインで燃えるものもありましたか。
「ありましたね。もちろん知名度もあって、平田選手の試合なんですけど、それでもやっぱり周りの反応を覆してやりたいなと、今日までずっと思っていて、だから勝ちたかったんですけど……」
──「爪痕を残したい」と言っていましたが、それ以上にやれたという思いもありませんか。
「うーん、日本でトップの選手と試合出来るというチャンス自体が恵まれた試合だったので、それを体感出来たのは良かったと思うんですけど、まだまだ足りてないですね、対等に戦うには」
──青木真也選手から「Next Young Guns Award」を受賞したことは励みになるのでは?
「それはほんとうにシンプルに嬉しかったです。評価してもらえて。ただ……勝って選ばれたかったんで、それがちょっと悔やまれますが、賞は嬉しかったです」
──「自分の物語を」と声をかけられましたが、どんなキャリアを積んでいきたいですか。
「今回、ほんとうに誰もが体験できるような対戦相手ではなかったと思うので、この経験を自分のなかで成長に役立つものになると思うので、もっともっとスキルを上げて、トップの選手とも対等に戦える選手になっていきたいです」
──北海道で仕事をしながら、という環境はあるでしょうけど、そこはあまりハンデにしないでしょうか。
「そうですね。ずっとダブルワークというか、掛け持ちでというのにこだわっているわけではないんですけど、格闘技が足りないなと思ったら、調整することは考えられるし、いまはこの形で出来るだけやっていきたいなと思います」
──もっと試合をしていきたいと考えていますか。
「はい、試合は出来る限り、たくさんやっていきたいですね」