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【RIZIN】朝倉兄弟がケージ“1分大会”起ち上げへ「バズると思う」。注目すべき点は?

2021/02/19 15:02

1R1分で試合はどう変わる?

 アマチュアキックでのオヤジファイトやキッズ大会では、試合時間が1R1分や2分などに短縮されることがあるが、大人のMMAの試合で1分は稀。

 プロでは、かつてシュートボクシング(投げ技あり)が延長戦を1分に設定したことがあり、1992年11月の吉鷹弘vs.マンソン・ギブソン戦では、1R5分、2R4分、3R3分、4R2分で決着がつかず、1分の延長戦を3回戦った歴史がある。

 また、MA日本キックボクシング連盟(士道館)が行った「サムライルール」では、1Rと2R(1stステージ)はボクシンググローブを着用してパンチ、キック、投げありで3分2Rで対戦し、3Rと4R(2ndステージ)はオープンフィンガーグローブに付け替えて寝技ありの総合格闘技ルールで5分2Rを戦うというミックスルールの先駆け的な試合を行っている。総じて組み技が入る試合は試合時間を長めに設定するのが特徴だ。

 今回は、アマチュア主体のため、1分でいかにアグレッシブに戦うかに主眼が置かれているが、“何でもあり”のMMAでケージを使った攻防はどれだけ見ることができるか。また、格闘技において重要な打たれずに打つデフェンス能力はどこまで発揮できるか、いずれにしてもグラップラーにとっては厳しいルールになるだろう。その環境でどんな選手発掘・育成がなされるか。

 実は、朝倉未来の発想に似た考えを実行に移した格闘家がいる。新格闘術を発足した黒崎健時氏だ。


【写真】黒崎健時(中央黒ジャケット)が主催した「ケンカ・オリンピック」選考風景。その左は梶原一騎

 黒崎氏は、本誌発刊の『必死の力、必死の心』で、「私はキックそのものの改革を考え、実行した。たとえば試合のテンポである。1R3分のキックと2分のプロ空手では、明らかにプロ空手の方が格闘技の本質に近い、と私は考えたのである。いまのキックのテンポをいま以上に早めれば、キックやプロ空手をはるかにしのぐ、より強力な格闘技が生まれる、と私は思ったのだ。

 より短い時間に、より集中的にパワーを爆発させることの出来る者の方が強い、という原理こそ、格闘技の原理にほかならないのである。本来格闘技というものは、喧嘩のように、一瞬に勝負が決するものでなければならないのだ。おそらく真剣勝負であったなら、勝負に長い時は必要としないだろう。その一瞬に、全身全霊を動員する集中力がある者が勝つに違いないのだ。格闘技の窮極は、ある意味では、そういうものではないだろうか」と、空手家ならではの発想を語っていた。それは、セルフディフェンスを基とする柔術が、時間無制限でもサバイブして極める格闘技哲学とは異なる思想だった。

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