2019年4月20日(土)東京・後楽園ホールでムエタイ&キックボクシング『REBELS.60』が開催された。
▼63kg契約 3分5R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール〇宮越慶二郎(拳粋会宮越道場/WBCムエタイ・インターナショナル・ライト級王者)判定3-0 ※49-47、49-47、49-46●勝次(藤本ジム/新日本キックボクシング 日本ライト級王者)
日本キックボクシング界の老舗団体である新日本キックボクシング協会とニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)のエース対決が実現する。2018年12月の『REBELS.59』でスアレックを破った宮越が、再びREBELSに登場。対するはなんと新日本キックのエース・勝次。
両者はともに2017年に開催された『KNOCK OUT』のライト級トーナメントに参戦したが、宮越は1回戦で、勝次は決勝戦で森井洋介に敗れており、対戦は実現しなかった。
1Rはほぼローの蹴り合い。宮越はステップを踏みながら回り込み、勝次は時折右ストレートを放って行った。
2R、宮越は左右に動きながら、ローに加えて強いパンチも放ってくる。これに勝次も得意の右ストレートを打ち込むが、手数は宮越の方が多いか。勝次は右ハイキックをヒットさせたが、宮越は動じない。
3R、左右に細かくステップを踏んで動きながら、パンチとローを当てていく宮越。ステップで狙いが定められないのか、手数の少ない勝次の右ストレートをかわして宮越がパンチを打ち込み、コーナーへ追い詰める場面も。
4Rも宮越のステップは止まらない。ステップで離れる宮越を勝次がムキになって追っていったところで宮越の右ストレートがジャスミート。ダウンを奪う。立ち上がった勝次は逆転を狙って前へ出てパンチを放っていく。激しい攻防に場内からは悲鳴のような歓声が沸き起こる。
5Rも逆転を狙って前へ出る勝次とステップでそれをかわしつつ、強いローとパンチを打つ宮越。序盤は宮越のパンチが当たっていたが、勝次が飛びヒザ蹴りとパンチで大逆襲。宮越を追い回す形となり、勝次の右ストレートがついに宮越をとらえ始める。これに宮越も応戦して大激闘に。勝次の目は腫れ、宮越は右目の下を左ヒジでカットされて流血。場内は両者の応援団で大歓声に包まれ、熱闘は終了。
判定3-0で宮越が勝利を収め、「隣(東京ドーム)でやっている嵐のコンサートを超えようと思ったけれど、嵐には勝てないな。でも僕と勝次選手だからエキサイティングな試合ができました。5Rは勝次選手の気迫がハンパなくてやられそうになりましたが、何とか勝ちました。僕が目指しているのは大晦日のRIZIN出場です。大晦日は皆さんをテレビの前で感動させたいと思います」と、改めてRIZIN参戦をアピールした。
▼REBELS 63kg級 初代王座決定トーナメント決勝戦 3分3R(延長あり)REBELSルール〇丹羽圭介(TEAM KSK)判定3-0 ※28-27、28-28、28-27●稲石竜弥(TEAM OJ/Bigbangライト級王者)※丹羽が新王座に就く。
丹羽が切望した事から始まった「REBELS 63kg級初代王座決定トーナメント」。決勝戦(王座決定戦)は1回戦を勝ち上がった丹羽と稲石で争われる事になった。
稲石はトリッキー、丹羽は間合い操作と独特の世界観を持つ者同士の一戦。どちらがお互いのワールドに相手を引き込むことができるか。そこが見所だと両者は口を揃えている。
1R、ドタドタとした足取りで接近した稲石がローで先制。丹羽は慌てず前蹴りで距離をとる。丹羽が右を打った直後に稲石が右を打ち返して丹羽がダウンを喫する。稲石は練習仲間でもある那須川天心と同じ、トリケラトプス拳のポーズをとって場内を沸かせる。さらにセンチャイキックやバックハンドブローを放つなど大暴れ。
2R、逆転を狙って前に出る丹羽は右ストレートを繰り出すが、すぐに稲石がフックを打ち返す。稲石はのらりくらりと動き、カモンゼスチャーで挑発。しかし、攻めの姿勢を見せる丹羽の右ストレート、右フックが稲石にヒットする場面が目立った。
3Rも逆転を狙い、右ストレートで前へ出る丹羽。稲石はそれをのらりくらりとかわし、クリンチも多用。それだけではなくしっかりフックも打つ。必死に前へ出て攻める丹羽の右ストレートがついに稲石を捉え、稲石がヒザをついたためダウンとなる。
判定は執念でダウンを奪い返した丹羽が勝利。悲願だったベルトを巻くことに成功した丹羽はリング上で号泣する。
丹羽はマイクを持つと「2010年にデビューしてようやくベルトを巻くことができました。これは僕の勝利ではなくて僕たちのチームの勝利だと思っています。念願だったベルト、ひとつみんなに恩返しができてよかったと思います。これからもリングの戦い以外のいろいろな明日への活力になるようにやっていくのでまた力を貸してください」と、涙ながらに語った。
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▼52.5kg契約 3分3R(延長あり)REBELS-MUAYTHAIルール〇老沼隆斗(STRUGGLE/REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)判定2-0 ※29-29、29-28、29-28●サンチャイ・ TEPPEN GYM(TEPPEN GYM/元ラジャダムナン認定ミニマム級王者)
2月の『PANCRASE REBELS RING.1』で他団体王者・森貴慎をKOで下し、リング上で『そろそろタイ人とやらしてください!』とアピールしたREBELS軽量級エースの老沼に、TEPPEN GYMから刺客が送り込まれた。
サンチャイは現在、那須川天心らが練習するTEPPEN GYMでトレーナーを務めているが、ムエタイ戦績は97勝(34KO)25敗3分。ラジャダムナンスタジアム認定ミニマム級王座のほかにS-1チャンピオンシップ102ポンド(46.26kg)王座にも就いたことがある。
1R、右ローを蹴っていく老沼にサンチャイは右ストレート、ヒジ打ちを狙っていく。さらに組み付くと老沼をコカしてマットに叩きつけ、身体を浴びせるなどラフな展開が目立つ。
2Rは蹴り合いとなり、お互いの蹴りが交錯する。サンチャイは巧みにヒザ蹴りを入れ、組み付くと老沼に身体を浴びせ倒し、マットに叩きつける。終盤、老沼の後ろ廻し蹴りがヒットした。
3R、老沼は右ローを徹底的に蹴り、明らかなダメージを与えていく。しかし闘争心旺盛なサンチャイはロープに追い詰められるとロープの反動を利用して襲い掛かり、ヒジを繰り出す。乱戦模様となったが老沼のローは確実にダメージを与えており、老沼は後ろ廻し蹴りを繰り出す。サンチャイはその蹴り足をキャッチすると投げるラフファイト。
荒れた試合を判定で制し、タイ人と初対戦で初勝利をあげた老沼は「自分はREBELSの顔になりたいので皆さんの前で勝てたのが嬉しい。今日、内容は良くなかったかもしれませんが、もっと会長に教わって強くなっていきます。もっと頑張るのでもっと期待してください」とアピールした。
▼第8試合 62kg契約 3分3R(延長あり)REBELSルール〇スアレック・ルークカムイ(スタージス新宿/REBELS-MUAYTHAI スーパーライト級王者)TKO 2R47秒 ※セコンドからのタオル投入●深田一樹(ファントム道場/SB日本スーパーフェザー級王者)
今大会から開幕した「REBELS対シュートボクシング対抗戦」で、REBELS-MUAYTHAI王者スアレックvsシュートボクシング王者・深田の王者対決が実現。
スアレックはパンチ&ローキックを中心としたアグレッシブなファイトスタイルから「超攻撃型ムエタイ」と呼ばれ、K-1を始めとする日本のリングで活躍し、多くの日本人トップファイターから勝利を収めてきた。
深田は昨年9月にSB日本スーパーフェザー級王座を獲得し、2階級制覇を達成。多彩な攻撃手段と無尽蔵のスタミナを武器とし、那須川天心とも対戦した内藤大樹にも勝利している実力者。
1Rから両者パンチを強振するスリリングな展開。スアレックがパンチでガンガン前へ出れば、深田も強気に打ち合う。相打ちがたびたび見られた。
2R、スアレックは強烈なローを2発蹴り、右ミドルを蹴ると深田が蹴り足をキャッチ。パンチを見舞っていくが、すかさずスアレックが右フックで反撃。右ボディフックからの右フックでダウンを奪う。
続いて右ローと右フックで仕留めにかかるスアレックに深田も応戦したが、右フックからの左フックを喰らって大の字にダウン。立ち上がろうとしたが、セコンドからタオルが投入され、スアレックがTKO勝ち。
この結果により、対抗戦第1弾はREBELSの2勝2KOとなった。対抗戦第2弾は4月27日(土)に同じ後楽園ホールで開催されるシュートボクシングの大会『SHOOT BOXING 2019 act.2』で行われる。
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▼第7試合 60kg級 3分3R(延長あり)REBELSルール〇鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺)TKO 3R52秒 ※レフェリーストップ●上田一哉(シーザージム新小岩/SB日本ライト級3位)
REBELSとシュートボクシングの対抗戦が、この一戦より幕を開ける。鈴木は往年の名ボクサー・高橋ナオト氏からパンチの指導を受け、9戦9勝(6KO)無敗のREBELSが誇るホープ。対する上田はまだ18歳で、昨年9月には深田一樹とのSB日本スーパーフェザー級王座決定戦に抜擢されたほど期待されているホープだ。
1R、お互いに強いミドルとローを蹴り合い、鈴木は強烈な右ストレートを叩きこむ。それでも上田はガードを固めて左右ローを蹴り続ける。
2Rは一気にヒートアップ。両者とも強いローを蹴り合い、強打を繰り出して打ち合う。パンチの威力で優る鈴木が上田をコーナーへ追い詰めるが、上田もローを蹴り返して応戦する。
3R、左ミドルを連打する上田に鈴木はパンチで強引に入り込み、右フックでダウンを奪う。続いて右ボディから右ヒザ蹴りを突き刺し、2度目のダウンを奪ったところでレフェリーが試合をストップした。
鈴木はマイクを持つと「上田選手、シュートボクシングの選手なのにレベルスルールで試合をしてくれてありがとうございました。ローとミドルがめちゃ強くて1Rもらっちゃいましたが、会長に喝を入れられて勝つことができました」と試合を振り返った。
▼第6試合 58kg契約 3分3R(延長あり)REBELS-MUAYTHAIルール●八神剣太(レジェンド横浜/REBELS-MUAYTHAI フェザー級王者)KO 1R2分26秒 ※左フック〇栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)
八神といえば、独特の動きで相手を翻弄し、得意のパンチで対戦相手を沈めてきた“トリックスター”。栗秋はKING強介戦では敗れたとはいえ、1R早々に左フックで眼下底骨折を負わせている。
1R、栗秋はいきなり飛び込んでの右ストレート、ノーモーションから繰り出す飛びヒザ蹴りを見せ、場内を沸かせる。八神はローを蹴るが、栗秋がジャンプしての右ハイキック。これでよろめいた八神にもう一度右ハイを蹴ってダウンを奪い、最後はパンチ連打からの左フックでマットに沈めた。
KO勝利した時の恒例パフォーマンス、コーナー最上段からのムーンサルトを決め、マイクを持った栗秋は「知っている人は知っていると思いますが、SNSで喧嘩を売ってきた大沢選手、いま対抗戦が盛り上がっているので、よかったらこのレベルスに上がってきてください」と、K-1やKRUSHで活躍する大沢文也に対戦を呼び掛けた。
敗れた八神もマイクを持ち、「体調が良くないのでこういう試合になってしまいました。もちろん栗秋選手が強いんですが、昔の僕なら見えたかもしれません。チャンピオンとしてはこの試合は僕の美学に反するので、フェザー級のベルトを返上します。栗秋選手とどなたか当てて、僕以上に盛り上げてくれるチャンピオンを生んでください」とタイトル返上を申し出た。
▼第5試合 59kg契約 3分3R(延長あり)REBELSルール〇安本晴翔(橋本道場/INNOVATIONスーパーバンタム級王者)判定3-0 ※30-26、30-26、30-25●般若HASHIMOTO(クロスポイント吉祥寺)
般若は前日計量で1.75kgオーバー。主催者判断で般若は失格、試合中止を双方の陣営に伝えたところ、安本側から試合がしたいとの希望があり、般若は減点2からのスタート、グローブハンディを付けて試合を実施することとなった。
安本はジュニアキックで24本ものベルトを獲得し、16歳でプロデビュー後も連戦連勝。しかし、2月のシュートボクシングルールでの試合で初黒星を喫し、今回が再起戦となる。
1R、サウスポーの般若に安本は速い右ハイ、右ミドル、右ローを蹴る。さらに右の三日月蹴りを突き刺すと般若は失速。安本はヒザ蹴りを連打してボディを徹底的に攻める。
2R、右の蹴りを多用する安本に、般若は飛び込んでのパンチを狙う。蹴りで優勢を保つ安本にも疲れが見え始め、大きな展開はなく終えた。
3R、般若が勝負に出てパンチで前へ出ると、安本は蹴りで迎え撃つも般若のパンチにクリンチする場面が増える。最後まで倒そうと前へ出て攻める般若だが、安本も攻めさせず、安本が判定勝ちを収めた。
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▼第4試合 52.5kg契約 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール●松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者、元WPMF日本スーパーフライ級王者)判定0-3 ※29-30、28-30、28-30〇蓮沼拓矢(ノーナクシン東京)
蓮沼は昨年12月、老沼が保持するREBELS王座に挑戦したが敗れ、出直しの一戦となる。対する松崎はなんと34歳でプロデビューして43歳にして今なお第一戦で戦い、これまで4冠王・2階級制覇を達成した中年の星だ。
1R、サウスポーの松崎は左ローと左ミドルを蹴りつつ、蓮沼が前へ出てくるところにパンチを合わせる。蓮沼は途中からミドル主体に切り替え、逆に松崎が攻めてくる時を狙う。
2R、蓮沼は右ロー、右ストレート、右ミドルと右の攻撃を単発で当てていくが、松崎は動じず前へ出てローを蹴ってくる。淡々と前へ出る松崎。
3Rも同様で、蓮沼が右のパンチとミドルを単発で当てていき、松崎が左ストレートを返して前へ出る。蓮沼の右フックで松崎の古傷が開き、大量の血が流れると松崎はストップを恐れて前へ出て攻め続ける。しかし、蓮沼は逆転の一打をもらうことなく試合を終え、判定勝ちした。
▼64kg契約 3分3回戦(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール△杉本卓也(WSRフェアテックス/元J-NETWORKスーパーライト級王者)ドロー 判定1-0 ※29-29、29-28、29-29△耀織(=よしき/Y's glow)
杉本はパンチを武器にKNOCK OUTやJ-NETWORKなど様々な団体で活躍し、REBELSには10カ月ぶりの参戦となる。対する耀織は空手で活躍後、キックに転向。蹴り技を得意とする。
1Rが始まると耀織は2回転蹴り、飛び二段蹴りと蹴りの大技を連発。杉本が狙いすました右ストレートをヒットさせたが、その後は右を狙いすぎて逆に耀織にカウンターをとられる。
2Rも後ろ廻し蹴りなどの大技を繰り出す耀織。杉本は冷静にかわしてローから得意の右ストレートにつないでいく。しかし、耀織の蹴り足をキャッチしたところで耀織が片足を持たれたままで飛び蹴り。これが見事にヒットし、杉本はグラつく。後半は持ち直した杉本がパンチとヒジで逆襲に転じた。
3R、たびたび打ち合いが見られるが、耀織はスタミナ切れが露わに。杉本も慎重でやや膠着した展開が続いたが、後半に杉本がパンチで耀織をコーナーへ追い詰める。そのまま杉本ペースで終わるかと思われたが、終盤に耀織が後ろ廻し蹴りをクリーンヒットさせ、一気にパンチでラッシュを仕掛けて盛り返し、判定はドローとなった。
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▼第2試合 53.6kg契約 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール〇壱・センチャイジム(=いっせい/センチャイムエタイジム/LPNJバンタム級王者)判定3-0 ※30-28、30-28、30-27●JIRO(創心會)
“職業イケメン”を名乗る倒し屋、壱(いっせい)がREBELS初登場。沖縄出身で小学校時代は空手を学び、ボクシングを経てキックボクシングで2017年にプロデビュー。戦績は6勝1敗で唯一の黒星はフェザー級で行ったプロデビュー戦でのもの。2018年11月25日の「MuayThaiOpen 43」で、小嶋勇貴(NFG/王者)を判定で下す番狂わせで新王者となった。
迎え撃つJIROは2月の『PANCRASE REBELS RING.1』DAYの部で工藤“red”玲央とベストバウトと言われる試合をして勝利、再び調子を戻している。バンタム級初代王座決定トーナメントを開催する上で、重要な一戦になると言えるだろう。
1R、サウスポーの壱は左ミドル、左ローと左の蹴りを多用。JIROは左ミドルで距離をとりつつ、左ストレートを突き刺していく。壱は左ハイを狙いつつ。得意のパンチを繰り出す。
2R、壱は左ミドルを蹴ってパンチにつなぎ、首相撲で組んでのヒザ蹴り。JIROもヒザ蹴りで応戦するが、壱はヒジも混ぜてくる。さらに壱は左ミドルを得意とするJIROのお株を奪う左ミドルでヒットを奪う。
3R、壱は左ミドルを巧みに当てていき、首相撲に持ち込んでも主導権を握る。JIROもボディストレートと左ミドルで対抗するが、壱はパンチとヒジを織り交ぜながら上手く戦う。これまでは強打を生かしての戦いが目立っていた壱だが、今回はムエタイの技術を生かした綺麗な戦い方を見せ、判定勝ちを飾った。
▼第1試合 45.5kg契約 2分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール(肘なし)●Sae_KMG(クラミツムエタイジム)判定0-3 ※三者とも27-30〇ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)
ぱんちゃんはTOKYO MXにて放送されているスポーツ情報番組『BE BOP SPORTS』内にて、現役有名選手がコーチを務めアマチュア女子選手をプロに育てる企画『PANCRASE REBELS TRYOUT』に毎週出演。ルックスの良さもあってデビュー前から多方面で注目を浴び、デビュー戦では2度のダウンを奪う力強さも見せて「女子キックボクシングを変える存在」(山口元気REBELS代表)と期待されている。
対戦相手のSaeはプロキャリア約4年で今回が10戦目。10代の選手を相手に一歩も退かないファイトを見せて“鉄の女”と呼ばれている。
1R序盤からぱんちゃんは蹴りからのパンチで攻勢を仕掛ける。特に顔面前蹴りが何発も命中。続くストレートでもSaeを仰け反らせた。組みたいSaeを近づけさせない。
2R、前に出て組み付こうとするSaeを前蹴りで突き放し、ストレートで迎え撃つぱんちゃん。パンチと顔面前蹴りが次々とヒットするが、Saeは前進を止めず組み付いてヒザ蹴りを繰り出す。
3R、ぱんちゃんはワンツー、前蹴りに加えてスーパーマンパンチ、ヒザ蹴り、ハイキックと多彩な技を繰り出して前へ出るSaeを止める。ぱんちゃんは最後まで攻撃の手を休めず、攻め続けて3Rを終えて判定勝ち。笑顔で歓声に応えた。
▼オープニングファイト 第2試合 80kg契約 3分3R(延長なし)REBELSルール〇吉野友規(スタージス新宿)TKO 1R1分39秒 ※セコンドからのストップ要請●マニー・センチャイジム(センチャイムエタイジム)
剣道の国体で優勝している事で注目を集める新人、吉野が3大会連続出場。吉野は高校3年生時に国体で優勝、大学4年生時には団体戦で全日本選手権3位の実績を持つ。大学卒業後も実業団で剣道を続けていたが、29歳でキックボクシングと出会い「ハマってしまい」キックに転向した。
2018年12月の32歳でのデビュー戦では、31歳の今井亮を相手に同世代対決に臨み、互いにダウンを奪い合うなか、1R2分15秒、吉野が右フックで2つ目のダウン奪取でTKO勝ち。2月17日の「PANCRASE REBELS RING.1」オープニングファイトでは禅道会の川和真と対戦し、相手が立ったまま失神するという衝撃の36秒KO劇を見せ、現在2戦2勝2KO中だ。
当初はブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)との対戦が決まっていたが、ブハリが負傷欠場。代わって急きょ、プロ戦績2戦2敗のパッキャオに憧れる30歳、マニーが吉野の相手を務めることになった。
1R、最初はじっくりと見ていた吉野だが、パンチが一発当たってマニーが後退すると一気にパンチでラッシュを仕掛ける。左右のストレートとヒザ蹴りにマニーは背中を見て走るように離れたが、左ストレートでダウン。吉野はコーナーへ詰めてのパンチ連打でマニーを釘付けにし、マニーのセコンドがストップを要請したため吉野のTKO勝ち。
これで吉野はデビュー以来3戦3勝3KOの戦績となった。
▼オープニングファイト 第1試合 58.5kg契約 3分3R(延長なし)REBELS-MUAYTHAIルール△渉生(=しょうい/アントジム)ドロー 判定1-0 ※29-28し、29-29、29-29△新田宗一朗(=あらた・そういちろう/クロスポイント吉祥寺)