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レポート

【ONE】スタンプがMMA初黒星の一本負け! 佐藤将光が新鋭アンドラージに判定負け、澤田龍人は一本勝ち

2021/02/05 21:02

▼MMAバンタム級 5分3R
×佐藤将光(日本)65.40kg, 1.0095
[判定0-3]

○ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)65.70kg, 1.0214


 33歳にしてMMA35勝16敗3分1NCというベテランの佐藤は、PANCRASEから修斗を主戦場に2017年に第10代世界バンタム級王座を獲得。2019年5月よりONE Championshipに参戦し、マーク・アベラルド(ニュージーランド)、ファン・チャンファン(韓国)、ハファエル・シウバ(ブラジル)、クォン・ウォンイル(韓国)相手に負け無しの4連勝。全試合を2Rまでにフィニッシュしている。

 現在、ONEバンタム級2位につけており、2020年12月には修斗世界バンタム級王座を返上、ONEバンタム戦線で王座獲得を目指しているが、そんな佐藤に組まれた相手は、ランキング外のファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)。


“ワンダーボーイ”と呼ばれる23歳のアンドラージは、タイガームエタイ所属で立ち技の「Kunlun Fight」や「WLF(武林風)」で活躍。キックボクシングでは28勝1敗の戦績を誇る。柔術も学び、2020年7月のONEデビュー戦では、佐藤と2Rまで戦った強打者アベラルドを同じく2R、リアネイキドチョークで極めている強豪だ。

 現在、ONEバンタム級ランキングは、

 王者 ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
  1位 ジョン・リネカー(ブラジル)
  2位 佐藤将光(日本)
  3位 ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
  4位 ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)
  5位 上久保周哉(日本)

 と日本人2選手がトップ5に入っており、4連続フィニッシュの佐藤は王座戦線にからんでもおかしくない状況だったが、UFCで16戦12勝4敗のリネカーが、ムイン・ガフロフ、ケビン・ベリンゴン相手に2連勝したことで、佐藤を飛び越えて一気に1位に。今回、佐藤はランク外でノーリスクのアンドラージにチャンスを与える形となった。見方によっては、日本人ランカー潰しのカードと言ってもいい。
 そんなイキのいい新鋭アンドラージを約1年ぶりの試合でぶつけられた佐藤は、「とりあえず試合が決まってくれて良かったなというのはあります。勝っていけばいいだけなので」と、淡々と語る。


 しかし、リネカーがランク上になるなど、ONEでの日本人選手の存在感について聞くと、「世界的に見て、ジョン・リネカーのほうが僕より全然名前あるし、ビビアーノとぶつけてどっちが面白いかといったらリネカーなので、そういう風には取れますけど、腹の底では“ふざけんなよ、なめんなよ”というのはあります。僕がこれから勝っていけば──世界的にちょっと下に見られちゃっていますけど──日本の格闘技で実績を積んだ選手たちが、これから活躍していけばまた評価は取り戻せると思うので、そういう気持ちで臨みます」と、日本代表の矜持を見せた。


 1R、オーソドックス構えから入るアンドラージ。佐藤もオーソドックス構え。圧力をかけるアンドラージが右カーフキック。佐藤も右カーフを狙う。アンドラージは再び右ロー。鋭い右を当てる! テイクダウンフェイントも入れる佐藤に下がらないアンドラージ。

 佐藤は左で差して組み付き押し込むが、体を入れ替えるアンドラージに、佐藤は予告通り、カニ挟み狙いから潜りで自ら下になり足関節、内ヒールフックへ。しかし、早めに対処するアンドラージは離れる。


 ニータップ気味にテイクダウンを狙う佐藤。しかし、相手を崩せずのダブルレッグはアンドラージに切られる。アンドラージの右をかわして右を振る佐藤だが、かわすアンドラージ。右のカーフキックも打つ。

 細かいステップを踏む佐藤だが、右を振るアンドラージ。佐藤は右のカーフキック! さらにシングルレッグで組むが、右を差して体を入れ替えるアンドラージ。しかし、佐藤もワンツーからの連打、得意の前進しての連打でアンドラージとの打ち合いに退かず。


 2R、すっと間合いを詰めて右を振る佐藤。さらに右カーフキック。アンドラージの入りに左で差して組む佐藤。しかしアンドラージは金網を背にしない。金網際で得意のかかと蹴りを見せる佐藤、さらに引き込みを見せるが、アンドラージは付き合わない。

 ワンツーの右を振る佐藤。圧力をかけるアンドラージはサウスポー構えに。左ハイをかわす佐藤。アンドラージは左ミドルを当てる。アンドラージがオーソドックス構えになると佐藤は右のカーフキック。佐藤は右のアッパーをヒット! アンドラージも左ミドルを返すと佐藤も右ハイ! さらに組みもアンドラージは突き放す。


 サウスポー構えになるアンドラージ。右を振り頭から入る佐藤にアンドラージは左ヒザ蹴りもローブローに。中断、再開。

 アンドラージの入りにカウンターのダブルレッグは佐藤。差し上げたアンドラージに左で差して崩すが凌ぐアンドラージ。佐藤はヒザ蹴り、バックフィストも見せるが、アンドラージもヒザ蹴りを入れていた2R。


 3R、オーソドックス構えからスイッチしての左ローを打つ佐藤。アンドラージはオーソドックス構えで圧力をかける。アンドラージはオーソドックス構えから左ミドル! 佐藤は角度をつけてアッパーから入るがさばくアンドラージ。組み際のヒジ&ヒザは佐藤も、アンドラージもヒジを打つ!


 出血した佐藤の入りに下がりながら右を打つアンドラージ! 佐藤はダブルレッグからボディロック、小外を合わせてテイクダウン、下からヒールフック狙いで立ち上がるアンドラージにバックテイクは佐藤! しかし、前方に落とすアンドラージ。


 右カーフキックをヒットさせるアンドラージ! 佐藤も右カーフキックを効かせると、アンドラージはサウスポー構えに。佐藤はここで休まずダブルレッグテイクダウン! しかしヒジ打つアンドラージに佐藤はなおも出血。バックテイクも落とされる。スタンド。バックフィストは佐藤。さらに追うが、アンドラージは逃げ切り体制でさばいてゴング。


 3Rトータルマスト判定のONE。判定は3-0で、佐藤の組みを凌ぎ、的確な打撃を当てた、23歳のアンドラージが勝利した。最後まで動きが落ちずアタックし続けた佐藤だが、王座戦線から一歩後退となった。

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