(C)ミネルヴァ
「2021年 新しい歳の始まりをミネルヴァが彩る」のキャッチコピーとともに、2021年1月31日(火)大阪・泉大津のテクスピア大阪で、女子キックの祭典『(株)WAON presentsミネルヴァOSAKA』が開催された。
女子だけの単独興行は2019年6月以来2度目。新春興行らしく、NJKFミネルヴァアトム級、ピン級、スーパーフライ級の3大タイトルマッチが組まれた。中でも王者・百花にerikaが挑戦したアトム級タイトルマッチは激しい攻防の連続で、メインイベントに相応しい一戦となった。また、前座ではNEXT☆LEVEL提供のアマチュア女子キックが4試合組まれ、まさに女子だけの大会となった。
大会の合間には昨年RISE大阪大会でRISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020で優勝した寺山日葵(TEPPEN GYM)が登場。2月28日のRISE ELDORADOでのロッタンの彼女(アイーダ・ルークサイコンディン)との試合をPRした。
なお、インターバル時には政所椋(政所仁の実弟)、伊藤千飛、野田蒼がラウンドボーイを務め、大会に華を添えた。(文・布施鋼治/写真・花井康成)
WAON presents ミネルヴァOSAKA
2021年1月31日(日)泉大津市・テクスピア大阪
▼メインイベント NJKFミネルヴァアトム級タイトルマッチ 3分3R
×百花(魁塾)
[判定0-3] ※28-30, 28-30, 27-30
○erika(SHIN沖縄)
※erikaがNJKFミネルヴァアトム級新王者に
1R開始早々、erika(SHIN沖縄)は組んでからのヒザ蹴りを放ち、そのまま百花(魁塾)を振り回してキャンバスに叩きつける。erikaの身長は161㎝なのに対して、百花のそれは150㎝。体格のハンディを思い切り活かした戦法だ。
その後もerikaは試合のペースを握り続ける。NJKFミネルヴァでは組んでから3秒以内の攻撃は認められている。それを最大限に活かし上から覆い被さるような体勢でヒザ蹴りを打ち続ける。ややもするとケンカ腰の勢いだったが、タイトル奪取への執念が感じられた。さらに中間距離になると、erikaは左ミドルやストレートを打ち込み、追い打ちをかける。
2Rになると百花は相手の腰を持って距離を潰しヒザ蹴りを打たせない。3Rからはワンツーや右ストレートを中心に必死の反撃を試みるが、時すでに遅し。ジャッジはフルマークでerikaの勝利を支持した。
ミネルヴァアトム級の新チャピオンとなった沖縄の新星は「パンチをもらってしまうと、向こうのリズムになってしまう。そうさせないためにはどうしたらいいかを考えたらプレス(首相撲)をかけるのが一番だと思った」と試合を振り返った。
「あとウチ(SHINE沖縄)はムエタイのジムなので、結構蹴り込んできた。今日は蹴りを一杯出して距離をとろうという作戦を立てていました。それで相手が突っ込んできたら首相撲で何もさせない状況にさせる。百花選手の長所を全部潰して勝とうと思いました」
昨年と比べると、かなりパワーが増した印象だったが、それはerikaも認めた。「正直、私には丁寧なスキルがないので、フィジカルを強化し、リーチ差や身長差を活かそうと思いました」。
試合中、erikaは差し歯だった前歯がひとつ折れたが、それよりも戴冠したことでの充実感でいっぱいの様子。「ここで終わりたくない。テクニックはないけど、もっとうえでも通用する選手を目指していきたい」──チャンピオンになったことで、今後はアトム級で首を狙われる存在になるか。