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2019年12月の「Bellator JAPAN」で3連勝だったブラジルのイララ・ジョアニをパウンドアウトした渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)が、その1年後の2020年12月に、Bellatorと契約をかわした。
【写真】渡辺が武器とする柔道&フィジカルのストロングポイントが共通し、リーチがありボクシングも脅威なのが新王者だ。
柔道技がスコット・コーカー代表の目に留まった渡辺の主戦場となるBellator女子フライ級(56.7kg)戦線では、同じ12月に“絶対王者”と目されていたイリマレイ・マクファーレンが王座陥落し、ジュリアナ・ヴェラスケスが新王者に輝いている。
【写真】前日計量でのマクファーレンとヴェラスケス(右)、体格差は歴然。
70kg以下級で活躍していたという“ブラジルの元柔道家”ヴェラスケスの実像とは何か? Bellator新世界女子フライ級チャンピオンのインタビューが、2021年1月22日(金)発売の『ゴング格闘技』3月号(NO.312)に掲載される。
そのインタビューから、スペースの関係上掲載しきれなかったマクファーレン戦の柔術対策と、記事中からフライ級で戦うようになった経緯を抜粋して、ヴェラスケスの言葉を、MMAPLANETとのコラボレーションで、ここに紹介したい。
──ヴェラスケス選手と対戦するまで、MMA11勝無敗で4度王座防衛に成功していたマクファーレンは、柔術家である一方で、エディ・ブラボー系の10thプラネット柔術の使い手です。そのあたりのことは対策を練ることはできたのでしょうか。
「まず私のやるべきことは、ボクシングを強化し立って戦うことだったの。イリマレイが組んでくるところを殴って、キックを入れる。私の打撃が彼女に当たることは確実だったから。
そのうえで十分に柔術の練習もして試合に臨んでいたわよ。ただし、私が取り組んでいたのは柔術で攻撃することではなくて、彼女の柔術から身を守ること。実際、下になってもマットに背中を着け切ることなく立ち上がることができたから、十分に練習の成果はあったと思う。組んでくるところに打撃を入れて、最終回にテイクダウンをされたけどディフェンシブ柔術で乗り切ることができたから」
──計量の時、ジュリアナの大きさに驚きました。まるでバンタム級のように見えました。
「そうね、試合中も身長差とリーチの違いで、空間を支配できると確信していたの。そして寝技になってもフィジカル・ストレングスの差は明確に存在していた。この違いは防御面で浮き彫りになっていた。だからこそ、彼女がトップを取りに来た時も耐えることができて、攻撃に転じることが可能になったの」
──ブラジルではバンタム級で戦っていました。
「その通りね。ブラジルでは、いつも通常体重で戦っていたの。ベラトールで戦う機会が巡ってきたとき、バンタム級はなくてフェザー級に階級を上げるか、それともフライ級に下げるかという状況だった。
マネージャーのジョインア(ブラックハウスのジョルジ・ギマリャエス氏)から『フライ級に落とせるんじゃないか。一度試してみようか』って言われて、落とせるか減量をしてみたのよ。そこで『フライ級こそ私の階級だ』って確信が持てたわ。そしてフライ級で戦うようになり、思っていた通り、バンタム級の時よりもパフォーマスは良くなったの」
<ジュリアナ・ヴェラスケスが語った柔道時代、柔道家のアドバンテージ、そしてBellatorと契約をかわした渡辺華奈について語ったインタビューは、1月22日(金)発売の『ゴング格闘技』3月号(NO.312)にて掲載>