(C)RIZIN FF
2020年12月31日(木)にさいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.26」にて、中原太陽(佐山道場)と、63kg契約・5分3R・ヒジ有りルールで対戦する倉本一真(修斗GYM東京)が21日、都内ジムにて公開練習&囲み取材に応じた。
練習仲間でもある佐々木憂流迦、井上直樹とともに公開練習に臨んだ倉本は、グレコダミーを相手に2分1Rの投げ技&パウンドを披露。
グレコローマン出身らしく豪快なバックスープレックスとともに、RIZINでは「スパイキング」で反則となる可能性が高いパイルドライバーも見せ、「自分はあれ、やる気満々だったけど……ついさっき、あの技は反則だと聞いたので、とりあえずダミー相手にはやりました」と苦笑。
しかしRIZINでは反則とならないケビン・ランデルマンばりのバックスープレックスは有効。「RIZINに参戦するのは、ルールの部分も大きい。頭から落とせないと自分の良いところがだいぶ無くなるけどRIZNではOKで、それに頭を蹴れる(サッカーキック)と楽しい」と、過激ルールが楽しみとした。
グレコローマンレスリング時代には、DREAMで山本“KID”徳郁を破ったジョー・ウォーレン(元Bellator2階級王者)にも勝利している倉本。日本代表の座を争った太田忍が同じ大晦日に参戦するが、MMA7連勝からの苦い敗戦を経て、「全てにおいて足りてなかった」と、よりMMAファイターとして進化を遂げているという。
RIZINデビューするもう1人のバンタム級のプロスペクトは、「今回のRIZINでしっかり、しっかりと勝って、次に繋げられるようにします」と、噛み締めるように語った。
(妻の登坂絵莉からは)もう『頑張れ』ってことだけですね
──(オフィシャルからの質問)倉本選手、試合を10日後に控えての現在の心境はいかがでしょうか。
「気持ちも身体もいい感じに整っています」
──大晦日に初めて倉本選手の試合を見るファンもいるかと思うので、ご自身のここに注目してほしいというポイントを教えてください。
「自分はレスラーなので投げ、ダイナミックな投げやパワフルな力強い技を楽しみにしていてください」
──以下、『ゴング格闘技』から質問です。さきほどの練習で投げたダミーは何kgぐらいですか?
「100kgじゃないですかね?」
──真顔で冗談言わないでください(一同笑)。さて、練習で豪快なスープレックスをやっていましたが、パイルドライバーもあったように思いましたが、あれはもしかしたら弧を描いていないので「スパイキング」にあたるのでは……。
「自分はあれ、やる気満々だったのですが……、ついさっき、あの技は反則だと聞いたので、とりあえずダミー相手にはやりました」
(※上の写真の落とし方は反則。JMOCによれば、スパイキングは、①相手の両足を空中で上に、そして②頭が下になるように、③相手のからだをコントロールした状態から、④相手の頭を床に強く打ち込む行為です。これら4つが揃った行為(投げ)が反則となる。スパイキングでない限り、たとえ結果として危険な落ち方をしても、反則とはならない。2004年のPRIDE GPにおいて、ケビン・ランデルマンの投げでエメリヤーエンコ・ヒョードルが危険な落ち方をしたが、この技は、現在の解釈に照らしても正当な技と見なされる」)
──2分間、全部投げそうな雰囲気でしたが、最後は素手でパウンドをしていましたね。
「ちょっと疲れて(苦笑)。打撃をするつもりなかったので、オープンフィンガーグローブも着けてなくて素手でやりました」
──いまの練習環境を教えて下さい。
「前回の試合で初めて負けて、そこから所属している修斗GYM東京だけでなくMe,We、RISINGSUN、直樹君もいるSONIC SQUADだったりで練習させて頂いて、すごく充実した毎日を送っています」
──デビューから負け無しの7連勝から5月の岡田遼戦で初めて黒星がつきました。新たに気付いた点はありますか。
「全てにおいて足りてなかったです。経験不足でもあるし、もちろん努力不足でもあるし、技術不足でもあるし。全てが足りてなかったので、そこからいろんな出稽古先でも真摯に教えていただいて、全部を良くしてきました」
──今回の対戦相手の中原太陽選手は、いまは佐山道場所属ですが、かつて和術慧舟會で一緒だった佐々木選手からも、どんな選手か聞いていますか。
「ちょっと聞いたんですが……これから問い詰めて行こうかなと思います(笑)」
──現時点では中原選手をどのようにとらえていますか。
「ステップが良くて、あとはグラップリングで下からも上手く狙える選手、そのイメージです」
──いくつか選択肢があったかと思います。RIZINを選んだ際に、気持ちの部分で大きかった点はどこにありますか。
「もともと総合を始める時に、RIZINだったりUFC、世界を見据えて始めたので、それで『今、行ける』って話だったので、それでRIZINに出させていただきました」
──頭から落としてもOKのルールがあるというのも参戦の理由のひとつでしょうか。
「そうですね、頭から落とせないと自分の良いところがだいぶ無くなるので、それに頭を蹴れる(サッカーキック)と楽しいので」
──今回、グレコローマンレスリングで活躍したライバルでもある太田忍選手も参戦し、倉本選手の試合と比べられると思いますが、それについてはいかがですか。
「自分、ずっと全日本のレスリングで一緒の時代で戦った仲なんで、彼がオリンピックに行けてメダル取って、自分はオリンピックに行けなくて辞めたんですけど、今はライバルというわけでもなく、自分は自分という感じです」
──RIZIN参戦にあたり、奥様の登坂絵莉さんからはどんなアドバイスがありましたか。
「もう『頑張れ』ってことだけですね、そんな何にも。レスリングと総合は違うので、技術的なことは何も言えないので。たぶん会場に来ると思いますが、まだ都合は分かりませんが」
──ところで、倉本選手はレスリング時代にジョー・ウォーレン(元Bellator世界バンタム&フェザー級王者、2006年世界選手権グレコローマン60kg級金メダル、DREAMで山本“KID”徳郁に勝利)と対戦したことがあるそうですね。
「はい。米国のコロラドスプリングスのオリンピックトレーニングセンターで開催された『デーブ・シュルツ国際大会』で対戦しました。ジョー・ウォーレンが世界チャンピオンになった後ですかね。試合をして勝ちました」
──凄い実績ですね。MMAでは、いまここにいる3人とも階級が同じなので、いずれ戦うかもしれないのですが、バンタム級での目標と、今後戦いたい相手がいれば教えて下さい。
「まだ自分はRIZIN初戦なので、偉そうなこと言える立場ではないですが、今回のRIZINでしっかり、しっかりと勝って、次に繋げられるようにします」
──『ゴング格闘技』からの質問は以上です。
──(オフィシャルから)最後にファンへメッセージをお願いします。
「初めてRIZINに出させていただきます。僕のことを知らない人がいっぱいいると思いますが、面白い試合をして盛り上げるんで、楽しみにしていてください」