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レポート

【ONE】和田竜光がまさかの判定負け。ノンオーがロートレックを鮮烈KO防衛、キックライトヘビー級王座はローマンが防衛

2020/12/18 22:12

▼フライ級 5分3R
×和田竜光(日本)61.15 kg, 1.0214
[判定1-2]

○ヨッカイカー・フェアテックス (タイ)61.20 kg, 1.0040

 フライ級戦。日本の和田竜光が、タイのヨッカイカー・フェアテックスと対戦。

 和田は、2020年1月のイヴァニルド・デルフィノ戦以来となる。前戦では無敗のブラジリアンを相手に得意のカーフキックを効かせ、近づけば首相撲&ヒジ・ヒザ、そして柔道の小外刈りテイクダウンを合わせるなど、12年目のプロMMAファイターとして格闘技の多様性を見せつける完勝劇を披露している。

 コロナ前の2019年8月には、フィリピンでデメトリアス・ジョンソンと戦い、バックを奪うも判定負け、頂点に触れた。そして、今回、11カ月ぶりの試合に向け、TRIBEやロータス世田谷、TRY.Hスタジオに加え、福島でいわき合宿として田代勝久トレーナーとのミット打ちも行って来た。

 ヨッカイカーはムエタイで90戦の実績を持つ。MMAでは2015年のプロデビューから6勝2敗1分で、2020年8月にはアレックス・シルドをローキックで粉砕した。

 1R、オーソドックス構えの和田はいきなり右で差して金網まで詰める。サウスポー構えのヨッカイカーも左を振るが、組んだ和田は右で差し上げるが、左手を元に戻す。右アッパーを突く和田はすぐに右で差す。

 ヨッカイカーは頭を和田の首につけて凌ぐ。互いにヒザを突き、和田はついに崩して左脇を潜り、バックから4の字&オタツロックを極め、ヨッカイカーを正対させない。背後からパウンドする和田。ゴング。

 2R、右で差して組む和田に、ヨッカイカーはヒザを突き、ヒジを狙う。離れる和田。サウスポー構えのヨッカイカーは左を振って離れる左インローを前足に突くヨッカイカー。ヨッカイカーの続くインローはかわす和田。ヨッカイカーは左ハイをブロック上に突く。さらに左インローをまともに和田の金的に入れる。中断。

 再開。組んで右で差して金網まで押し込み、右の小外をかけて崩し、前方に脇を差し上げ煽って崩す和田がテイクダウン。ハーフのヨッカイカーをパスしサイドを奪うが、ヨッカイカーは立ち上がる。左で差して押し込むのはヨッカイカー。体を入れ替え、再び右で差し上げるが、ヨッカイカーはいなして離れ、左右を蹴る。

 3R、 ノーモーションの右を当てる和田! ヨッカイカーの左ローはかわす和田。そのまま無理はせず、ヨッカイカーのローをかわしてサークリングしてゴング。判定へ。

 キツめの金的を受けた和田。1Rにバックを奪い削ったかに見えたが、インローとガード上のハイキック、右アッパーなどの手数でヨッカイカーが上回ったのか、判定は割れて2-1でヨッカイカーが勝利。和田はコールに一瞬、両手を広げて不服の表情を見せた。

 ラウンド毎ではなく全ランドを通したトータルジャッジで、判定基準は「ニアフィニッシュ」が優先され、次に「ダメージ」、さらに「打撃のコンビネーションとグランドコントロール」、「テイクダウンとテイクダウンディフェンス」、「積極性」と続く、ONEの判定の優先順位。和田のテイクダウン、バックテイクから極めに至らず削った動きは上位の判定基準に達せず、ヨッカイカーの打撃がニアフィニッシュはならずともダメージを与えたと判断されたということなのか。いずれにしても組み技は極めに近づかないと勝てない、というグラップラーにとって厳しい判定であることは間違いない。

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