キックボクシング
レポート

【REBELS】ぱんちゃん璃奈、初のメインは判定で完勝も「いつもKOできなくて申し訳ないです」

2020/11/08 21:11

▼セミファイナル(第8試合)59kg契約 3分3R延長1R REDルール
〇安本晴翔(橋本道場/REBELS-REDフェザー級王者)
KO 2R 2分38秒 ※後ろ蹴り
×BEN"侍"Y'ZD(Y'ZD GYM)


 安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月のREBELSでは栗秋祥梧を破りREBELS-REDフェザー級王座を戴冠。


 8月のKNOCK OUTでは古豪・駿太、10月のKNOCK OUTではWBCムエタイ日本統一フェザー級王者・新人を初回KO。11月のイノベーション岡山大会ではプレム・T.C.ムエタイも初回KOで下してWPMF世界フェザー級暫定王座を獲得し三冠王に。2月のKNOCK OUTでは元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位ダウサイアム・ノーナクシンからも勝利を収めている。17勝(7KO)1敗2分で現在7連勝中。


 対するBENは『スックワンキントーン』でライト級王者になっている在日タイ人選手。戦績は50勝(11KO)11敗5分。


 1R、サウスポーの安本は左ハイ、左ミドル、右顔面前蹴りと徹底した蹴りでBENを近付けさせない。かと思えばいきなり右ストレートを打ち下ろし、続く右フックでダウンを奪う。安本は連打で一気に襲い掛かると右ストレート、右ヒジ、笑顔を浮かべながら打ち合いに行き、左右の強打を叩き込むがBENはタフだ。BENのパンチと蹴りは全でかわし、右フックを打ち込む安本。


 2R、蹴り合いから右ストレートをヒットさせる安本だが、BENも左フックをヒット。意表を突く左ボディをめり込ませた安本だが、BENは下がらずパンチ&ローで前へ出てくる。ハイキックの空振りからそのまま回転しての後ろ廻し蹴りは空振りに終わった安本だったが、その直後に放った右後ろ蹴りがズバリと決まり、安本が見事なKO勝ちを飾った。


 安本はマイクを持つと「何も考えてないんですけれど、しっかり声を張って喋れるように頑張ります。BEN選手は打たれ強くて1Rで倒せるかと思ったんですが倒せなかったので焦っちゃったんですが、後ろ廻し蹴り…後ろ蹴りでKOできてよかったです。REBELSの安本晴翔として覚えてもらいたくて、僕、一応チャンピオンなんで」と、いつもより頑張ってコメントした。

▼第7試合 64kg契約 3分3R延長1R REDルール
〇良太郎(池袋BLUE DOG GYM/REBELS-RED ライト級王者)
KO 3R 2分12秒 ※3ノックダウン
×北川“ハチマキ”和裕(PHOENIX/元REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者、元REBELS-MUAYTHAIライト級王者)


 良太郎はパンチと首相撲からのヒザ蹴りを武器に、2017年11月にREBELS-MUAYTHAIライト級王座を獲得。2019年2月には初防衛にも成功している。しかし、2019年8月に雅駿介、2020年2月にスアレックに敗れ連敗中。今回の試合に再起を懸ける。座右の銘は「潰せ、壊せ、破壊せよ」。また、街を歩けば高確率で職務質問をされるという逸話を持ち、“千の職質を受けた男”としても知られる選手だ。戦績は11勝(4KO)13敗5分。


 北川は1986年6月19日、埼玉県さいたま市出身の34歳。高校時代にボクシングを経験し、法政大学2年の時にPHOENIXに入門。2007年にハチマキのリングネームでプロデビューした。2013年7月『REBELS.17』でREBELS-MUAYTHAIライト級王座決定戦に勝利して初代王者に。2015年1月には『REBELS.33』でREBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王座決定戦に勝利して初代王者となり、2階級制覇を達成した。2018年8月、病から1年9カ月ぶりの復帰を果たすとリングネームを北川“ハチマキ”和裕に改名。


 今年6月のNKBで引退試合をする予定が、コロナ禍により中止。来年に延期されたことで、北川が愛し、北川が愛されたREBELSでの「REBELSラストマッチ」が実現。かつて北川が巻いたREBELS-MUAYTHAIライト級の現王者、良太郎(池袋BLUEDOG GYM)と対戦する。戦績は37戦16勝(2KO)17敗4敗。身長175㎝。


 1R、ワンツーで前に出る良太郎に北川は右を打ってから組み付き、ヒザをボディと太腿へ。これを徹底して行い、良太郎はほぼ何もできない。

 2R、左右フックを顔面とボディへ打つ良太郎に北川はヒジから組み付いてのヒザ。良太郎も組み勝負に応じてヒザを蹴り、離れ際にパンチを見舞う。北川はロープを背負いながらも左、右とストレートをヒットさせる。


 3R、パンチで前へ出る良太郎は組み付いてのヒジとヒザ。北川も負けじとヒザを蹴り返すが、良太郎の右ヒジでダウン。続いて前蹴りで北川が前へ身体を折り、良太郎の左右ボディで2度目のダウン。最後は左ボディからの右ストレートに崩れ落ち、良太郎のKO勝ちとなった。


 良太郎は「僕の前にチャンピオンになった偉大なチャンピオンです。REBELSのリングはこれで最後ということなので惜しみない拍手をハチマキ選手に送ってください」とマイクで訴える。

 北川はマイクを持つと「負けてしまってマイクを喋らせてもらうのは申し訳ないですが、引退前に自分がチャンピオンになって育ったリングに上がれて本当に良かったです。ずっと勝ててなくて、それでもみんなが応援してくれてなんとかもう一回勝つところを見せたかったんですけれど、僕の力不足でそれができず本当に申し訳ないです。勝つことは出来なかったですが、僕がここまで続けてきたことに後悔はないですし、間違いはないと思っています。


 僕が続けてこれたのは皆さんがいてくれて応援してくれて、もう一回勝つところを見せたかったからです。皆さんが今大変な状況の中で来てもらって感謝しています。力を与えられるような、元気を与えられるような試合をしたかったんですが、こんな結果になって申し訳ないです。REBELSで試合をするのは最後ですが、来年もう一度NKBで引退試合を行わせていただくので、そこでも僕は勝つところを見せるためにやろうと思っています。何度も心が折れそうで好きでやっていたはずのキックボクシングがずっと辛くて。でももう一回勝つところを見せたいんです。まだ日程は決まっていませんが、来年ここに見に来てくれたらと思います。最後にREBELSに上がれてよかったです」と、何度も声を詰まらせ号泣しながら語った。

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