MMA
コラム

【UFC】ハビブ・ヌルマゴメドフの旅路──念願のパウンド・フォー・パウンド1位に

2020/10/28 22:10

クレイジーなゴールを目の前に置きたくないんだ


【写真】2019年9月の「UFC 242」の試合後にダスティン・ポイエーとそれぞれのオリジナルTシャツを交換したハビブ。オークションにかけてポイエーが家族で運営している恵まれない子どもたちのための慈善団体「グッド・ファイト基金」に寄付をしたいと表明。10万ドル(約1,000万円)で落札されるとそのまま寄付した。(C)Zuffa LLC

 名実ともにパウンド・フォー・パウンド、そして成功を収めたハビブだが、試合2週間前のESPNの動画に、セレブとして過ごすことに興味を持っていないことを語っている。

「生きるために、僕はあまり(金を)必要としない。億万長者であっても、1日に2杯以上のパンを食べることもない。大事なことはお金や人気ではなく、近しい人や家族とどれだけ親しくいられるかだ。なぜなら今日のチャンピオンが明日はどうなるか分からないのがこの世界だから。自分にとって大事なのは家族や仲間だ」

 このダゲスタンファイターは、いったんは故郷へ戻ることになるのだろう。

「僕は“イーグル”。飛びたいんだ。“僕の時”が来たら僕は死ぬだろう。でもその時間になる前に飛びたい。家族、友達、人々と一緒に時間を過ごしたい。自分の村に住みたい。クレイジーなゴールを目の前に置きたくないんだ」

 そう語っていたハビブ。故郷、北カフカスはロシアで決して裕福な地域ではないが、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教と多様な文化を育んだ歴史を持つ。そして、不屈の魂とともに、家族のつながりをとても大事にすることで知られている。

 2013年、ハビブはパティマットと結婚し、3人の子供を授かった。パティマットは“イーグル”の初恋の相手だという。ヌルマゴメドフ一家が首都マハチカラに引っ越す前に、1年間だけ学校で席を並べていた。パティマットとは故郷の村で結婚式を挙げている。

 敬虔なイスラム教徒として知られるハビブは、アルコールを飲まず、ラマダンの月には戦いたくないことも示している。と、同時に人生をもっと楽しみたいとも思っているようだ。故郷の村で家族や友人とより多くの時間を過ごすこと。そして、ハンバーガーを食べること。

 2019年9月にダスティン・ポイエーに3R、リアネイキドチョークで一本勝ちしたハビブは、試合後のケータリングで様々な料理があるなかでハンバーガーを選んでいる。そして、今回の「UFC 254」でもジャスティン・ゲイジーとの戦いを終えた後の食事に選んだのはハンバーガーだった。

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