2016年にハビブが語っていた引退「無敗の、誰もが認めるUFC世界ライト級王者としてキャリアを終えることが自分のゴール」
ロシア最南端のカスピ海西岸に位置し、トルコ語で“山の国”を意味するダゲスタンの民は、誇り高き不屈の山岳民族としても知られる。
「たぶん、(長期離脱することがあっても)UFCが僕を信じてくれたのは、新しいスターを必要としていたから。それに、UFCに多くのタフな選手がやってきては敗れていくのは、メンタルの問題だと思う。僕は最もメンタルが強靭な選手だから。無敗の最強チャンピオンになることは、自分や自分の国にとっても良いことだけどUFCにとってもそうなんだ。だから、僕は続けなきゃいけない」
「歴史に残る、と?」と問われたヌルマゴメドフ。
「そうなりたい。それが目標。史上最強のライト級ファイターとしてベルトを獲って、無敗の、誰もが認めるUFC世界ライト級王者としてキャリアを終えることが自分のゴール。ダメかな? いいだろ? 自分になら出来る」
4年も前のインタビューで、無敗の最強王者として引退することを語っていたハビブ。UFCのダナ・ホワイト代表は、今回の試合後会見でヌルマゴメドフについて、こう語っている。
"We're all lucky that we got to see him fight tonight."
— UFC (@ufc) October 25, 2020
🎤 @DanaWhite talks about the greatness of Khabib.
[ #UFC254 | #InAbuDhabi | @VisitAbuDhabi ] pic.twitter.com/WBiMLsKXBt
「この男が経験してきたこと、今夜彼の試合を見ることができたのは幸運だ。陣営によれば、彼は3週間前に病院にいて、足の指が2本も折れていたのに、いつものように仕事をこなした。彼はそのことを誰にも言ってなかったんだ。前日計量や今日の様子を見てヤバいんじゃないかと思ってた。彼が彼じゃないように見えた。呼吸も荒かった。だが結果は衝撃的だった」
「彼は地球上で最もタフな人間の一人であり、世界No.1のパウンド・フォー・パウンド・ファイターだ。真面目な話、他の誰かが“GOAT”(Greatest of All Time=史上最高)だと言っても、彼を“GOAT”の地位に上げなければならない」
そして、統一王者に輝き、引退を表明したことについても、「確かにハビブは戻ってこないだろう。ファイターは戦いたい時に戦う、戦いたくない時には戦わない。彼を休ませようじゃないか。父親を亡くしたことで肉体的のみならず、精神的な癒やしが必要だ」と、ヌルマゴメドフの腰に何度もベルトを巻いて来たダナは語った(※試合1週間後にダナ代表は「彼に時間をあげたい。彼は今でもチャンピオンのままだ。空位のタイトルも、暫定タイトルも今のところ挑戦できない」とヌルマゴメドフの気持ちが落ち着くのを待つとしている)。