MMA
レポート

【PANCRASE】松本が上迫に執念の勝利! 春日井がTSUNEとの接戦制す。アキラが田村をKO、透暉鷹が半蔵下す、前田日明の弟子Ryoは判定勝ち

2020/10/25 15:10
2020年10月25日(日)、東京・新木場スタジオコーストにて『PANCRASE 319』が有観客&ライブ配信で開催された。 ▼第10試合 メインイベント ライト級 5分3R×上迫博仁(チームクラウド/和術慧舟會HEARTS)20勝10敗2分[判定0-3] ※28-29×3〇松本光史(M PLATIC)19勝9敗  上迫は当初、4月12日に粕谷優介戦が予定されていたが、その後、新型コロナウイルスの影響で7月5日大会に延期。さらに7月大会も中止で、9月27日の「PANCRASE 318」にて粕谷と対戦予定だったが、コロナ禍で粕谷が試合を辞退した為、対戦相手が空白となっていた。  ここまで上迫は、2018年10月からPNACRASEに参戦。初戦で冨樫健一郎に3R TKO勝ちすると、2019年3月には後に王者となるサドゥロエフ・ソリホンと対戦。2R、カーフキックでTKO勝利を収めた。その後、2019年8月にRIZINに初参戦。イーブス・ランドゥーに2R TKO勝ちするも、10月のライト級GPでルイス・グスタボに1R TKO負け。12月29日の「Bellator JAPNAN」ではRIZINルールで矢地祐介と対戦し、2Rに右のダブルで先にダウンを奪いながらも、最終回に矢地の右フックからのサッカーキックで逆転KO負けを喫している。  対する松本は、4月12日大会で、松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)と対戦予定も、コロナ禍で8月23日大会にスライド。その8月大会では前日計量も済ませていたが、大会当日に出場選手に新型コロナウイルスの陽性反応が確認され、開場10分前に大会が中止となっていた。  ここまで松本は、2015年4月の修斗環太平洋ウェルター級(-70.3kg)チャンピオンシップで大尊伸光に判定勝ちし第8代環太平洋王座を獲得。2016年4月には、修斗世界ウェルター級王座決定戦で川名雄生に一本勝ちし、第12代王者となった。2016年9月にエフレイン・エスクデロに判定負けも、以降、大尊伸光、星野大介、岡野裕城相手に3連勝。2018年5月の「RIZIN.10」ではダロン・クルックシャンクの左ハイにKO負けを喫したが、2019年3月の小谷直之戦では年間ベストバウト級の激闘を繰り広げ、4R KO勝利。ライト級王座2度目の防衛に成功している。前戦は2019年10月の「ONE Championship」での修斗vs.PANCRASEの対抗戦で、久米鷹介(ALIVE)と対戦し、判定3-0で敗れているため「もう1回、PANCRASEで戦って、久米鷹介とやってみたい」と再戦を希望している。  PANCRASEライト級戦線では、当初2月にサドゥロエフ・ソリホン(※怪我で欠場。王座返上)が持つ暫定王座に挑戦予定だった同級3位の雑賀ヤン坊達也(総合格闘技道場DOBUITA)と、同級2位の林源平(和術慧舟會IggyHandsGym)が、3月8日の「PANCRASE 313」でライト級暫定キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ(5分5R)として対戦。雑賀が暫定王者に就いている。  また、正規王者の久米鷹介が2019年10月のONE Championshipで松本光史に判定勝ち後、2020年9月27日の「RIZIN.24」では北岡悟にも判定勝ち。久米陣営はPANCRASEでの防衛戦も望んでいる。そして、カードが消滅した松岡嵩志にはどんな相手が用意されるのか。それらの動向もにらみながら、上迫と松本はライト級の上位戦線サバイバルマッチに臨む。  1R、開始早々に右を当てた上迫、右ロー、右のオーバーハンドを狙う松本。上迫のアッパーにダブルレッグを合わせるも深追いせず。足を使って出入りし、松本の頭の傾きに左の蹴りを狙う上迫は、左カーフキック! アウトキックボクシングの上迫。松本は右ミドル、ジャブを当て、上迫は右目尻から出血する。3者上迫のラウンドに。  2R、互いにジャブ&ロー、走り込んでの蹴り、カーフキックを当てる上迫に、松本も右ローを当てて上迫の足を流すと、ダブルレッグ、あるいは右ボディストレートの動きから右オーバーハンドを打つ。さらに松本は上迫の蹴り足を掴んで崩すも抑え込まず、金網に押し込んで、近い距離で右フックを振る。3者松本のラウンドに。これでポイントはイーブンに。  勝負の最終3R、左ジャブをヒットさせる松本。さらに右ローで上迫を追う。回る上迫は跳びヒザを狙うがそこで畳みかけず離れる。松本は右オーバーハンド、さらにダブルレッグからハイクラッチでのテイクダウン狙いの組みを織り混ぜる。切る上迫は右を当てて、松本の動きを一瞬止めるが、すぐに松本はクリンチからテイクダウン狙い。  判定3-0(29-28×3)でPANCRASE初戦を勝利した松本は、「修斗のベルトを捨てて、キングのベルトを獲りにきました。今後、よろしくお願いします。(来た目的は?)えーと『待ってろ』と(笑)。3回延びたのに、オファーをいただき、PANCRASEに感謝します」と挨拶した。 [nextpage] ▼第9試合 セミファイナル バンタム級 5分3R〇春日井寒天たけし(志村道場)#4位/HEAT同級第2代王者/24勝7敗1分1NC[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×TSUNE(リバーサルジム新宿Me,We)#9位/14勝11敗4分  春日井は翔兵、福島秀和、赤尾セイジといった実力者に勝利も、2019年10月にアラン“ヒロ”ヤマニハに判定負けし、王座戦線から一歩後退。今回が再起戦となる。  対するTSUNEも、2019年7月の前戦でヤマニハと対戦。右を浴びながらもテイクダウンを奪ったが、下からスイープされて3R TKO負けを喫した。2018年7月以降、PANCRASEでは瀧澤謙太、金太郎、ヤマニハ相手に3連敗中で、負ければランキング圏外の可能性もある。  DEEPでバンタム級タイトルマッチにも挑戦したことがある恒村俊範ことTSUNEだが、馬場勇気をKOした左の強打、2018年11月には「WLF」で現在ONE参戦中のシェ・ウェイ(中国)にも判定勝ちを収めており、持ち前の粘り強さを春日井相手に発揮できるか。   1R、慎重な出足。サウスポー構えのTSUNEは左ストレート狙い。春日井は左右のローを前足にこつこつ当てる。終了間際、TSUNEがダブルレッグテイクダウン。春日井は下から打撃返し、上半身を立てる。ジャッジは1者がTSUNEを支持、2者が春日井を支持。  2R、右インローで快音を響かせる春日井。TSUNEは左ミドルを当てる。追うTSUNEはダブルレッグも差し上げ体を入れ替える春日井。しかしその際で上を取ったのはTSUNE! 抑え込みに行くが、上体立てる春日井が立ち上がりボディロックからリフトしテイクダウン! 立ち際にすぐにバックに回りリアネイキドチョークを狙う。ジャッジ3者が春日井支持のラウンドに。  3R、後が無いTSUNEは左ストレートから詰め、ダブルレッグから春日井の立ち際にパンチをまとめる。左回りの春日井。追うTSUNEは再びダブルレッグから詰めてテイクダウン、背中を着いてガードの春日井。足は越えさせず下から打つ。TSUNEは決定打を打てず。判定は2-1で春日井が接戦を制した。  接戦を勝利も笑顔は見せなかった春日井は、「勝ちたくて、手術もしてセミファイナルに相応しくない試合をしてしまいました。応援ありがとうございました。HEATのチャンピオンは強いんだぞ、と言いたかったのですが、またすぐに練習に復帰して頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 フェザー級 5分3R×田村一聖(KRAZY BEE)#7位/第6代フェザー級K.O.P.13勝10敗[2R 0分42秒 KO] ※パウンド〇アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&mosh)14勝9敗3分  第6代フェザー級王者の田村は元UFCファイター。2017年3月にナザレノ・マレガリエに敗れ、PANCRASE王座から陥落したものの、2017年11月に鈴木琢仁に判定勝ち、2018年3月には元UFCの堀江圭功にも2R TKO勝ちしている実力者。しかし、その後、2018年9月に中島太一に判定負けし、2019年5月には摩嶋一整に3R 肩固めで一本負けを喫した。2019年9月には、2連続TKO勝利中だった杉山和史を右ストレートで1R KO。再起を飾っている。  対するアキラは、強豪相手に4連敗中。2018年11月にソリホン・サドゥロエフに2R TKO負け、2019年4月に冨樫健一郎に判定負け、2019年9月「Road to ONE:CENTURY」ライト級(※77.1kg)で岡野裕城戦に2R TKO負け。2020年7月の前戦では、ライト級からフェザー級に転向し、ISAOとノンタイトルで対戦。王者に組みでも上回られ判定3-0で敗れている。フェザー級7位の強豪・田村との試合は真価が問われる。連敗脱出なるか。  1R、サウスポー構えのアキラにオーソの田村。遠間からの右の飛び込みを当てる田村。アキラはダブルレッグテイクダウンも、田村はアキラの頭を押さえ金網背に上半身を立てる。終了間際にアキラは田村に背中を着かせるがそこまで。ジャッジ3者が田村を支持。  2R、右ローを続けて当てる田村。足を流すアキラ。田村は右インローを当てるが、カウンターの左フックをヒットさせたアキラに、コーナーの石渡は「効いた、アキラ、GO!」の声。田村はステップでかわしジャブをダブルで返すが、コーナーを信じて連打したアキラが前に出て右をヒット! 崩れた田村にパウンドし、レフェリーが間に入った。  試合後、アキラは天を仰ぎ、「やっと勝てました。応援のおかげです。とりあえず勝ったことが何より嬉しいので、これから勝ち続けます」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 フェザー級 5分3R×田中半蔵(FUN'S)8位・13勝8敗[判定0-3] ※27-30×3〇透暉鷹(ISHITSUNA MMA)修斗・2019年同級新人王・5勝2敗  フェザー級8位の田中は、2019年11月10日以来、約1年ぶりの試合。前戦ではコンバ王子と対戦し、ダウンを奪われながらも組みからのパウンドでスプリット判定で辛勝。内村洋次郎、日沖発を下しながら、中原由貴、カイル・アグオン、堀江圭功と強豪相手に3連敗も再起を遂げている。14歳年下の透暉鷹相手に連勝なるか。  透暉鷹は修斗2019年フェザー級新人王。修斗BORDERで後藤陽駆、藤野康弘に勝利し、2020年7月にPANCRASE初参戦。セコンドに日沖発がつくなか、小森真誉を1R リアネイキドチョークで一本勝ちし、デカゴン初陣を飾って3連勝を決めている。8位のベテラン田中を下し、ランキング入りを狙う。  1R、サウスポー構えの田中にオーソの透暉鷹。互いに激しいバックテイク争いは透暉鷹が優位に。ジャッジは3者が透暉鷹を支持。  2R、右ハイから組んで行く透暉鷹。バック奪い背中に乗り、チョークを狙う。前に落とした田中だが、透暉鷹はケージ背に座って凌ぐ。この回もジャッジは3者が透暉鷹を支持。  3Rもダブルレッグテイクダウンは透暉鷹。ハーフの田中をついに背中を着かせ、田中の立ち際にバック奪い、両足をかけてリアネイキドチョーク狙い。最後に田中が正対しゴング。判定は3-0で透暉鷹が勝利した。 [nextpage] ▼第6試合 フェザー級 5分3R×滝田J太郎(和術慧舟會/KINGCRAFT)13勝9敗3分[判定0-3] ※28-29×3〇Ryo(RINGS)  2016年3月27日に、ディファ有明で行われた「THE OUTSIDER 第39戦」でRyoは「65-70タイトルマッチ」で王者・朝倉未来に挑戦し、2RにRyoはネックロックで主催者ストップ・TKO勝ちを呼び込むも、公式結果は「ノーコンテスト」に変更されている。  2017年5月の「THE OUTSIDER 46」では、今回対戦する滝田J太郎と初対戦。このときはRyoが2R、洗濯挟みで一本勝ち。滝田にとってはリヴェンジマッチとなる。  13勝9敗3分の滝田は浅見戦後、6勝2敗と大きく勝ち越しており、2019年8月には「第3代バンタム級王者決定トーナメント決勝戦」に進出し、ジェイク・ムラタに判定負けも、46歳にして充実の熱戦を見せている。2020年2月の前戦では、「Fighting NEXUS 初代フェザー級王者決定トーナメント Bブロック1回戦」で木村豊を判定で下し、再起を遂げている。再戦に向け、滝田は「空気は読まないJ!」と注目のRyoに勝利は譲らないとした。  1R、サウスポー構えのRyoは右の足払いでテイクダウンも、滝田はすぐにシングルレッグテイクダウン。下からRyoはギロチン、頭抜かれると腕十字狙いも、外し滝田は得意の腹固めチョーク。抜いて正対するRyoにさらにシングルレッグテイクダウンは滝田。  2R、Ryoの左フックをかわしてシングルレッグテイクダウンは滝田。手繰るRyoの腕を両足でからめ再び腹固めチョーク狙いも、ここもRyoは正対。クローズドガードの中から肩固めを狙う。さらにシングルレッグに来た滝田を逆に腹固めからパウンド。Ryoがラウンドを取り返す。  3R、四つから小外で投げてテイクダウンはRyo。サイドで肩固め狙いから足を戻す滝田に、このラウンドは際で上を取るRyoは、シングルバックで背後からパウンド、ハーフで上になりパウンド、最後はうつ伏せで滑り込みスイープ狙いでゴング。  判定は29-28×3でRyoが勝利。コーナーに就いた前田日明と会話をかわしたRyoは、マット上で「こんなにお膳立てしていただいたのに、まだ弱いなと思いました。前田イズムを継承できるように頑張ります。(試合前に酒井正和代表から『PANCRASE、甘くないよ』と言われ)PANCRASEが世界標準だと認められるように、その意思に報いたいです」と語った。 [nextpage] ▼第5試合 バンタム級 5分3R〇平岡将英(KRAZY BEE)12位・2019年NBT同級優勝 7勝5敗[1R 1分07秒 TKO]×関原 翔(リバーサル東京スタンドアウト)3勝2敗  KRAZY BEEの平岡は、2019年ネオブラッド・トーナメント・バンタム級で、高杉遼介、永井佑虎、上野惇平をいずれも判定で下し優勝。2020年7月に初のメインカード入りも、花レメ紋次郎TK相手に判定負けを喫している。  関原は同じ7月大会で、聖帝・土肥にケージコントロールされプロ初黒星を喫した。29歳の関原と27歳の平岡。同世代対決を制するのは?  サウスポー構えの平岡は、オーソの関原の入りに左ストレート! 関原はダブルレッグで金網押し込むも右目上をカットし、ストップ。平岡は「パンチで倒そうと思って練習してたことができました。作戦はジャブ見せてアップ、ストレートだったんですけど、ストレートで切れました」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 ウェルター級 5分3R×近藤有己(パンクラスイズム横浜)61勝37敗9分[判定0-3] ※28-29×2,27-30〇小林 裕(フリー)12勝22敗4分  45歳の近藤は、前戦7月の「iSMOS」で餅瓶太に1R TKO勝ちから3カ月間隔での連戦。2020年は2月に村山暁洋に判定負けも、餅戦で勝利。このコロナ禍の中、3戦目に臨む。  対する小林は35歳。2018年2月に菊入正行に判定負けも網潤太郎、高橋弘に判定勝ち。しかし、2019年は、3月に阿部右京に判定負け、7月に雑賀ヤン坊達也に1R KO負けを喫しており、MMAでは1年3カ月ぶりの再起戦となる。  1R、ともにサウスポー構え。ローを当てる近藤に、左フックから組んで押し込む小林はシングルレッグ狙いから引き出すが、金網まで這い立つ近藤。小林は立ち際にパウンド、クリンチボクシングで左を当てる。離れる近藤。ジャッジは3者とも小林を支持。  2R、前蹴りを掴まれ詰められる近藤。小林は金網詰め右で差して左ヒザ。小外がけテイクダウンも金網まで這い立つ近藤は、左ローからジャブを当て小林は鼻血も、左ストレートを返す。この回もジャッジは3者とも小林を支持。  3R、互いに左ローの蹴り合いから、前蹴りの打ち終わりについていく小林、近藤は金網際で体を入れ替える。スタンドで右を刺す近藤だが、左ストレートを当てる小林。判定は3-0(29-28×3, 30-27)で小林が制した。 [nextpage] ▼第3試合 ストロー級 5分3R〇宮澤雄大(K-PLACE))#6位/8勝3敗[2R 0分47秒 TKO] ※右ストレートからパウンド×井島裕彰(GUTSMAN)#7位/12勝14敗3分  ストロー級では6位の宮澤雄大(K-PLACE))と、7位の井島裕彰(GUTSMAN)が対戦。  宮澤は2018年12月に前山哲兵に判定勝ち後、2019年5月にリトル、9月に佑勢乃花にも判定勝ちで3連勝も、2020年2月に高島俊哉に一本負け。今回が再起戦となる。  井島は宮澤と同じく前山に判定勝ちも、北方大地、曹竜也、アダム・アントリンといった強豪相手に3連敗中。ランキングで競り合う宮澤相手に白星を掴めるか。  1R、ともにオーソドックス構え。左フックでフラッシュダウンを奪う井島に、ダブルレッグテイクダウンは宮澤。井島は足関節狙いから立ち上がる。  2R、右ストレートでグラつかせた宮澤は、さらに左右でラッシュ。決めどころを逃さずTKO勝ちした。  試合後、宮澤は「こうしてお客さんの前で試合が出来て本当に嬉しいです。配信のみなさんもPANCRASEを観ていただきありがとうございます。ベルト欲しいんで、チャンピオン受けてほしいです。よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 5分3R×神田T800周一(パラエストラ広島)10勝10敗1分[判定0-3] ※28-29×3〇ジェイク・ムラタ(パラエストラTB/ Fighting Nexus)11勝6敗1分・ZST第3代バンタム級王者  バンタム級で神田T800周一とジェイク・ムラタの組み技師対決が実現。ともにデビューはPANCRASEだが、現在はそれぞれの戦いの場を得ていた。  神田は、地元・広島に拠点を移し、2019年7月に平澤宏樹に判定勝ち、11月にも金物屋の秀に判定勝ちと連勝も、2020年2月のGLADIATOR 12で竹本啓哉に組み負け判定負け。  ZST第3代バンタム級王者のジェイクは、2019年10月のONE WSでのソン・ミンジョン戦の判定負け以来1年ぶりの試合。4年7カ月ぶりのPANCRASEマット登場となる。  両者ともに再起戦。じわじわと組んでポジショニングを奪うムラタに、スクランブルにも強い神田。デカゴンのケージでの戦いを制するのはどちらだ。  1R、サウスポー構えの神田にオーソの村田は前足にシングルレッグから、金網際スタンドバックで片足かけバックテイク狙うが、2度前に落とした神田が左ストレス打つ。ジャッジは2者ムラタ、1者が神田を支持。  2Rもシングルレッグはムラタ。バックから足はかけさせない神田。ムラタは引き込み気味にディープハーフから立ち上がり右で差して金網際でバックテイクを狙う。正対する神田が押し込むが、体を入れ替えるムラタがスタンドから右足を再三かけてバックを狙い、神田は両足かけさせず中腰でムラタを前方に落とす。この回も2者がムラタ支持、1者が神田を支持する。  3R、ムラタの組みを切り、左ミドルを当てる神田に、すぐに詰めてバックテイク狙いのムラタ。トラックポジションで引き込みハーフからスイープ、レッグドラッグから上を狙うムラタに、神田は下から腕十字も外すムラタが上になり、神田が立ったところでブザー。判定3-0で組みで先行したムラタが勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 バンタム級 5分3R〇河村泰博(和術慧舟會AKZA)12勝6敗[1R 1分52秒 三角絞め]×RYUKI(フリー)  また、バンタム級では、河村泰博(和術慧舟會AKZA)が、中国「英雄伝説」2017アジア王者のRYUKI(フリー)と対戦。キックからMMAに転向したRYUKIが、初参戦のPANCRASEで、グラップラー河村を捕えることができるか。  河村は、平岡将英、竹本啓哉、合島大樹に勝利も、 藤野敦史、ハルク大城、神田T800周一、平田丈二(2018年12月判定負け)に敗北。2020年8月の「ZST68」で原口央をスプリット判定で下し再起を果たしている。  サウスポー構えのRYUKIは右ローから、オーソドックス構えの河村はジャンピングガードから左で小手巻きコムロック、三角絞めで左足も手繰りスイープしながら極めた。河村は「こんなところでMMAナメられちゃいけないんで俺が仕留めました。PANCRASEバンタム級、俺がひっかきまわそうと思います」とマイクアピール。 [nextpage] 【2020年・第26回ネオブラッドトーナメント】※5分3R ▼プレリミナリー第7試合 バンタム級 準決勝 5分3R×MG眞介(パラエストラ東大阪)5勝3敗[1R 3分33秒 腕十字] ※レフェリーストップ〇井村 塁(Nexusense)3勝腕十字極めた井村に眞介はまたいで外そうとするがヒジが曲がりレフェリーがストップ。 ▼プレリミナリー第6試合 フライ級準決勝 5分3R〇山中憲次(FREEDOM@OZ)10勝8敗[判定3-0] ※29-28×3×前田浩平(GRABAKA)3勝2敗 サウスポー構えの前田。オーソドックス構えの山中。互いにケージレスリングのなか、山中が打撃で競り勝ち。 ▼プレリミナリー第5試合 フライ級準決勝 5分3R〇聡-S DATE(Team DATE)9勝12敗[2R 3分20秒 KO] ※右バックフィスト×梅川毒一郎(総合格闘技道場コブラ会)2勝3敗 サイドキックを有効に使う聡。1Rにはテイクダウンからバックマウントも奪い、2RにバックフィストでKO。 ▼プレリミナリー第4試合 ミドル級 5分3R〇岩﨑大河(大道塾/パラエストラ東京)2勝[1R 1分47秒 リアネイキドチョーク]×川和 真(禅道会 新宿道場)5勝17敗 ※岩﨑大河の怪我で9月27日大会からスライド  また、2017年の北斗旗全日本空道体力別選手権の最重量級(身体指数260以上)優勝の岩﨑大河が、6月27日の「TTF CHALLENGE 08」に続く、MMA第2戦に臨む。当初、9月27日の無観客大会に出場予定だったが、岩﨑の負傷より今回の10月25日大会にスライドとなった。  パンクラスイズム横浜でも練習する岩﨑は前戦でケージレスリングでヒカルド・サープリス(TRIBE TOKYO M.M.A)を上回り、判定3-0で勝利。MMAデビュー戦を白星発進していた。  対戦相手の川和真(禅道会 新宿道場)はMMA5勝16敗3分。前戦は2019年2月の「Pancrase REBELS Ring 1」で立ち技のREBELSルールに挑戦し、吉野友規に1R KO負けしている。MMAでは2017年7月の「PANCRASE 288」での奥村マルシオ戦で判定勝ち以降、DEEPで石田紀明、涌井忍に敗れており、3連敗は避けたいところだろう。  オーソから左ロー、右ミドルを連打で当てる岩﨑が、左フック効かせて川和にヒザをマットを着かせると、背後からパームトゥパームでリアネイキドチョークを極めた。 ▼プレリミナリー第3試合 フライ級 5分3R×赤崎清志朗(香取道場)4勝5敗[1R 2分26秒 リアネイキドチョーク]〇橋本薫汰 (K-PLACE) 5勝1敗 橋本がボディロックからテイクダウン。背後からパウンド、リアネイキドチョークを極めた。 ▼プレリミナリー第2試合 ストロー級 5分3R〇山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We)1勝[判定3-0] ※30-27×3×大塚智貴(CAVE)※デビュー戦、1994年6月14日 163cm※山北@谷村のネオブラ・ストロー級決勝戦は12月13日に実施。  Me,Weの山北は、2020年2月大会で大城正也に1R、スカーフホールドアームロックで一本勝ち。CAVEの大塚は、JMMAFで勝ち上がりランキングを上げてのプロデビュー戦。再三、バックマウント奪う山北が判定勝利。 ▼プレリミナリー第1試合 女子ストロー級 5分3R〇華蓮DATE(Team DATE)2勝[1R 4分22秒 リアネイキドチョーク]×青木文菜(リバーサルジム横浜グランドスラム)※デビュー戦  女子ストロー級で、Team DATE所属の華蓮 DATEと、勝村周一朗率いるリバーサルジム横浜グランドスラムの青木文菜が対戦。“武術四姉妹”の四女とされる華蓮は、2019年12月のPANCRASEでのプロデビュー戦でAACCのDIANAに判定3-0で勝利している。  対する青木は、伝統派空手出身。日本空手協会(JKA)の2011年少年世界空手道選手権大会で女子16-18歳個人型に出場し、準優勝。柔術にも取り組み、2020年1月ZSTのGTルールで、元ZST王者・濱岸正幸の妻である濱岸百合とドローとなっている。今回がプロMMAデビュー戦となる。“グランドスラム女子の秘密兵器”は、打撃ありのなかでどんな試合を見せるか。  先に組みに行ったのは青木。華蓮は体を入れ替えるが、青木が巧みに体を入れ替え、両脇を差す。華蓮は金網背にヒザ蹴り。青木の首投げ狙いを首を抜いた華蓮がスタンドバックに回り、グラウンドに引き込みリアネイキドチョークを極めた。
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