▼第6試合 フェザー級 次期挑戦者決定戦 5分3R
〇中島太一(ロータス世田谷)4位
[判定2-1] ※29-28×2, 28-29
×堀江圭功(ALLIANCE)5位
中島は強靭なフィジカルとスタミナを活かした組技主体のスタイルで、テイクダウンからグラウンド&パウンドを武器とする。パンクラスでプロデビューするとロシアのプロモーション、ACBなど海外団体でも経験を積み、2018年、再びパンクラスのマットへ。2019年には今回と同じフェザー級次期挑戦者決定戦でカイル・アグオンに判定で敗れたが、前戦の2020年2月大会ではロシアのボリス・フェドロフを相手に判定勝利を挙げ、今回、2度目となる挑戦者決定戦を迎える。
対する堀江は伝統派およびフルコンの両空手をベースとした速いステップからの鋭い打撃を武器にプロデビューから6連勝。2018年には田村一聖を相手にキャリア初の敗戦を喫するもそこから2連続KO勝利で2019年にはUFC参戦。デビュー戦でカナダのハキーム・ダオドゥと対戦も3ラウンドKOで敗れ、この1戦でリリースされた。再起戦となったパンクラス2020年2月大会ではKOパンチャーの内村洋次郎と打撃で打ち合いながらもタックルで幾度となくテイクダウンを奪い、オールラウンドファイターとして進化した姿を見せた。今回は再びUFCを目指す堀江にとっては躓くことのできない一戦だ。
ケージに入った時から堀江はすでに殺気に満ちた表情。中島はどっしりと腰を落としてコールを受ける。
1R、堀江の強いローに合わせ中島は右のオーバーハンドを飛ばす。互いに細かいフェイントをかけ合いながら打撃のタイミングを測り、距離が詰まると中島が突進するようなダブルレッグ。ケージに押し付けるとシングルに持ち替えてテイクダウンを狙うが堀江はしっかりと受け止めると下から脇を差し上げ中島を振りほどく。離れた状態から飛び込んでの一発を狙う堀江だが中島はすぐに詰めて今度は四つからテイクダウンを狙うも堀江は許さない。スタンドでは思い切りオーバーハンドを振るっていく中島だが堀江は冷静に見てガードし蹴りを上下に打ち分ける。1Rのオープンジャッジは三者とも10-9で堀江に。
2Rも中島はテイクダウンを狙って距離を詰める。何度となく堀江をケージに押し込んでシングルレッグからテイクダウンを試みるが、堀江も徹底した対策をしてきたか、必ず中島の脇を差し上げてハーフネルソンの形を作り、投げるようにして振りほどく。飛び込んでパンチを当てたい堀江に対し、中島も距離を詰めてくるので打撃では距離が近くなりすぎるのか頭が当たりそうになる場面も。それでも堀江は徐々にタイミングを合わせ、左ボディやワンツーを的確にヒットさせていく。2R のオープンジャッジは10-9で中島が二者。堀江が一者と、このラウンドは中島優勢。
最終ラウンドになっても中島のスタミナは衰えを見せず、パンチも見せつつ堀江を追ってはケージに押し込む。そして終盤、初めて堀江に尻餅をつかせるが、堀江はすぐに立ち、バックについた中島と正対。離れてジャブ、ストレートを当てる。何度でもテイクダウンに来る中島と、何度でも切る堀江。意地がぶつかり合うような15分間は互いに譲らないまま判定に。まずは両者に一票ずつが入り、最後の一票は中島。タフな接戦を制し、中島がISAOへの挑戦権を手にした。