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【RIZIN】朝倉海が扇久保を1R TKO、バンタム級新王者に。元谷が一本勝ち。フェザー級で斎藤が摩嶋にTKO勝ち、青井が朴を下す。原口が大雅との再戦制す=RIZIN.23

2020/08/10 04:08
 2020年8月10日(月・祝)、神奈川・横浜みなとみらいの「ぴあアリーナMM」にて「RIZIN.23- CALLING OVER -」が開催された。  横浜2デイズの初日に続く2日目のメインの第9試合で「RIZIN第3代バンタム級(61kg)王座決定戦」に臨む朝倉海(トライフォース赤坂)は60.75kg、扇久保博正(パラエストラ松戸)は60.20kのともに契約体重のアンダーで前日計量をパスしている。 ▼第9試合 RIZIN第3代バンタム級(61kg)王座決定戦 5分3R ※ヒジあり○朝倉 海(トライフォース赤坂)60.75kg[1R 4分31秒 TKO]×扇久保博正(パラエストラ松戸)60.20kg/修斗世界フライ級(56.7kg)王者※朝倉海が新王者に。  横浜2デイズのオオトリは「第3代RIZINバンタム級(61kg)王座決定戦 5分3R(※ヒジ有り)」。扇久保博正(パラエストラ松戸)と朝倉海(トライフォース赤坂)が対戦する。  極真空手をベースに持つ現修斗世界フライ級王者の扇久保は、2019年12月31日のさいたまスーパーアリーナ『RIZIN.20』にて、「RIZINバンタム級王座挑戦者決定戦」で石渡伸太郎(CAVE)を判定2-1で破ってタイトル挑戦権を手にし、2020年4月19日の横浜アリーナ『RIZIN.22』で王者マネル・ケイプに挑戦するはずだったが、ケイプがUFC入りを決め、王座戦が消滅。さらに新型コロナウイルスの影響で大会自体も中止となっていた。  2016年にはUFC登竜門番組「The Ultimate Fighter」のシーズン24にも出場し、準優勝となるもUFCは扇久保と契約せず。扇久保に敗れた選手がオクタゴン入りを決めるなど、フラストレーションが溜まるなか、RIZINからのオファーで参戦を決めた。  初戦で堀口恭司に敗れるも、元谷友貴、石渡伸太郎に競り勝ち、2連勝。互いに一歩も退かない熱戦は、自身と契約しなかったUFCを見返してやりたいという思いもあるという。公開練習では陽動作戦か、足関節でのトランジッションを披露している。  対する朝倉海は、初代THE OUTSIDER 55-60kg級王者。ROAD FCを経て、RIZINに参戦。2019年8月の『RIZIN.18』で、RIZIN&Bellator世界バンタム級王者・堀口恭司を1R1分08秒、KOで破り、一躍“時の人”に。2017年12月のRIZIN参戦以来、才賀紀左衛門、マネル・ケイプ、トップノイ・タイガームエタイ、ムン・ジェフン、堀口恭司、佐々木憂流迦に勝利し、6連勝を飾るも、2019年12月31日「RIZIN.20」のバンタム級王座決定戦で、ケイプに2R TKO負けし王座獲得に失敗。今回が再起戦となる。  海は、パワー不足を感じたケイプ戦の敗戦を経て、バンタム級仕様にいったん身体を大きくした状態から落としてきている。パワーアップに加え、扇久保の確認できる全試合の研究、打撃・レスリング・寝技と全局面を融合してきている。  半年ぶりに再開するRIZINでベルトを巻くのは、扇久保博正か、朝倉海か。  先に入場は青コーナーの扇久保。吉田拓郎の『落陽』をバックにリングに駆け上がり、観客席に向かい、両手を挙げてからイングイン。十字を切った。続けて赤コーナーの朝倉海が入場。朝倉未来が脇を固める。リングを登り、右手を上げてからリングイン。リングを一周、サイドステップで回る。榊原信行CEOによるタイトルマッチの認定宣言後、両者コールでゴング。  1R、対峙すると身長差が際立つ。ともにオーソドックス構え。左ジャブ、フックを振る朝倉に、左を返す扇久保! 朝倉は左ハイ! ブロックする扇久保。海は右ストレート。さらに左跳びヒザも扇久保はキャッチ。離れる海はボディを突く。左ローは扇久保。さらに左ハイとダブルで突く。左ボディを当てる海。さらに左の攻撃で攻めると右! 下がる扇久保はサークリング。コーナーから出ると左ロー。左ボディから右フックの対角線攻撃は海。回る扇久保は左ハイを返す。  右跳びヒザ、右カーフキックを打つ海! 右アッパーを効かせた海はコーナーに詰めて左跳びヒザ! 効かされた扇久保はダウン。亀になったところからの立ち上がり際に、海は左のサッカーキック! 2発目のサッカーキックも防御しながらも後方に飛ばされたところでレフェリーが間に入った。  リング上で朝倉海は、「こんにちは朝倉です。今回、たくさんの人の支援のおかげで大会を開催することができてほんとうに感謝しています。(ベルトは)ほんとうは去年の大晦日に獲りたかったですけど、皆さんお待たせしました。ほんとうに悔しくて、ほんとに必死こいて練習してきました。自信を持って戦うことができました。やっていたことは間違いなかったなと」と戴冠を語った。  さらにフィニッシュを振り返り、「扇久保選手が下を向く癖があったんで、アッパーとヒザは狙っていました。効いたら一気に畳みかけようと思ったので、一発効いたら絶対仕留めるつもりした」と勝因を語った。  続けて、「ほんとうに気持ちいいです。でもみんながみたいのは僕と堀口(恭司)選手の試合なので、実現させてください。何度も言っていますが、僕は日本の格闘技を盛り上げたいので、僕が先頭に立って盛り上げます! 応援よろしくお願いします」と力強く語った。  また、バックステージで海は「素直に嬉しいですね。やっとチャンピオンになれて。マネル・ケイプにもやられてるし、やり返さないといけないし。こっからが勝負、勝ち続けないといけないと思います」と王者の抱負を語った。  さらに解説で出稽古先であるアライアンスジム代表である高阪剛代表から「距離設定」について問われ、「リーチ差があるので、自分だけ当てて、相手の攻撃は当たらないところで戦いました」と明かした。  また、新型コロナウイルスの自粛期間の影響について、「いい時間でした。自分を見つめ直すことが出来ました。ここから身を引き締めて、もっと僕自身も強くならないといけないと思います」と振り返り、今後について、「今回、負けたら終わりくらいに考えていました。(次は)いつでもできますが、堀口選手との試合を実現したいので、それに向けて調整したいと思います。来週くらいには練習に行きたいと思います」と語った。  一方、敗れた扇久保は、「強かったです。(リング上で海に)強かったね、と言いました」と語ると、今後について「ちょっとまたゆっくり考えたいと思います。(フィニッシュについて聞かれ)あと何秒くらいでした?(30秒の声に)うーん、思ったより速くて打撃が強かったです」とあらためて王者を称えた。  そして最後に、「こんな大変ななかご来場いただき、クラウドファンディングにも協力していただき、また、個人的にもファンの方に応援・サポートしていただき、感謝しています」と、感謝の言葉を述べた。  扇久保は試合後の会見場ではレフェリーストップについて「立ち上がるところでした。でも動画で振り返ると止められても仕方ないかなと思いました」とも語っている。 [nextpage] ▼第8試合 61kg契約 5分3R ※ヒジあり○元谷友貴(フリー)60.90kg[3R 2分19秒 ギロチンチョーク]×魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)61.00kg  プロデビューから僅か1年、22歳の時にDEEPフライ級の頂点に立った元谷は、和田竜光との2度の死闘(1勝1敗)を経て、2016年10月にバンタム級転向。2016年12月にはRIZIN初参戦でアラン・ナシメントにスプリット判定勝ち。17年4月の「RIZIN.5」で堀口恭司に敗れるも判定まで持ち込んでいる。その後、ムン・ジェフン、祖根寿麻、釜谷真、ジャスティン・スコッギンスを相手に4連続フィニッシュ勝利、5連勝を飾っている。  2019年は、3月のDEEPでビクター・ヘンリ―にスプリット判定負け、7月のRIZIN.17で扇久保博正にスプリット判定負けと接戦を落としており、大晦日の「RIZIN.20」ではBellator対抗戦でパトリック・ミックスのギロチンチョークにタップアウトと厳しい戦績に。  しかし、2020年第1戦目となった3月のDEEPでは実力者・大塚隆史に判定勝利を収め、連敗から脱出を遂げている。国内外の強豪を相手に戦ってきた元谷は会見で、「今回の対戦相手はちょっと美味しいかは分からないですけど」と魚井フルスイングをとらえながらも、「良い勝ち方して自分の存在を出していければ良いかなと思います。頑張ります」と意気込みを語った。  対する魚井は、RIZIN2戦目。“フルスイング”の打撃を武器に、2016年2月から驚異の8連勝。2017年10月に論田愛空隆とドロー後、祖根寿麻、根津優太に判定負けで2連敗を喫するが、土屋大喜、藤井伸樹、加藤ケンジを相手に3連勝(2KO)。RIZINデビュー戦となった2019年6月の「RIZIN.16」では強打者カナ・ハヤットとの打撃戦を制し、地元神戸で凱旋勝利を決めている。  その後、修斗で2019年9月に田丸匠にスプリット判定負け、2020年1月の手塚基伸戦では、手塚のシングルレッグに前のめりに左腕をマットに着いた魚井が左ヒジを負傷しTKO負け。その光景がニュースになるなど、悔しい2連敗の最中にいる。RIZIN再開とともに再起なるか。  1R、オーソドックス構えの元谷、サウスポー構えの魚井。右の蹴りで牽制する元谷。魚井は左フックを軽くダブルで突く。さらに元谷の入り際を狙う。  圧力をかける元谷。下から突き上げる右ミドルを放つ元谷。左右を振って様子を見る元谷。そこに魚井はフックを狙う。踏み込んでの右アッパーを仕掛ける魚井。さらに左フックも空振り。  元谷は右ミドルを突く。魚井は踏み込んでの左フックも元谷はステップバック。徐々にコーナーに詰める元谷は右を押し込むように突くと、右ミドル。魚井も左の前蹴りで押し返すが、元谷がコーナーに圧力をかけたところでゴング。  2Rも圧力をかける元谷。右インローをヒット。魚井の右フックは遠い。さらに右ハイも。右ミドルを当てた元谷は右で前に! 魚井をコーナーに詰めると右ミドルから右を振って左で差して組みに。ロープが入ってしまい、ブレーク。  左ハイは魚井。さばく元谷が前に詰めると、魚井も左フック。避ける元谷は詰めてガード固めて右の蹴り。元谷の入りに左アッパーを狙う。  またもコーナーに詰めた元谷は右の跳びヒザ! パンチと思ったか左のアッパーを狙っていた魚井はカウンターで受け崩れる。パウンド連打されるが足を効かす魚井に、いったん離れてフットスタンプは元谷! さらにパウンドも魚井の上半身がロープ外に出て、ストップドントムーブ。ゴングに魚井は若干時間をかけて立ち上がる。  3R、詰める元谷。魚井も左のフルスイングを狙う。右ミドルは元谷。コーナーに詰めると、左を出して回転してバックフィストで近づき、左フックを振る元谷に、魚井はシングルレッグへ。そこに元谷はアームインギロチンチョークを合わせてタップを奪った。  試合後、元谷は、「緊迫感ある試合でしたが、手数少なくて、最後一本取れて良かったと思います。みんな応援してくれてこういう舞台があってよかったです」と挨拶。  続けて「回転技は狙っていました。2019年は調子悪かったですが、前回の試合で勝って、ここ半年間ほど東京で練習して進化しているので、またトップ選手にからんでチャンピオンを目指したいと思っています」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 66kg契約 5分3R○斎藤 裕(パラエストラ小岩)65.95kg/修斗フェザー級(65.8kg)世界王者[2R 0分24秒 TKO] ※ヒザ蹴り×摩嶋一整(毛利道場)65.85kg/Rebel FCフェザー級(65.8kg)王者  秋田県能代市出身の斎藤は、2016年1月に中村ジュニアを破り第10代修斗世界フェザー級王座獲得。その後、宇野薫、ドレックス・ザンボアンガ、リオン武、マーカス・ヘルドらに勝利し、2019年9月の前戦では、高谷裕之を1R 77秒でKOに下している(※この試合後、高谷は引退)。「打・倒・極」が融合したMMAを持ち味とする斎藤が、フェザー級で国内トップの実力の持ち主であることは疑いようがない。  RIZIN参戦会見で斎藤は、「第10代修斗世界フェザー級チャンピオンの斎藤裕です。今回RIZINに参戦するにあたりまして、修斗の坂本(一弘)代表に送り出していただけたことを感謝申し上げます。今回初参戦なんですが、とにかくインパクトを求められると思っています。良い勝ち方をして、他の階級に負けないくらいフェザー級を盛り上げていきたいと思いますので応援よろしくお願いします」と、RIZINフェザー級戦線を牽引する構えがあることを語っている。  対する摩嶋一整は、山口県の毛利道場所属。高校の柔道部時代にはインターハイ、国体に出場し、2013年、21歳でプロデビュー。2015年の修斗新人王決定トーナメントライト級(-65kg)で優勝し、2018年には、「Rebel FC 7」のフェザー級タイトルマッチで王者のホドルフォ・マルケスと対戦し、2Rにリアネイキドチョークで一本勝ち。王座獲得に成功した。2019年5月にはPANCRASEで元UFCの田村一聖に肩固めで一本勝ちしている。  摩嶋は「RIZINには初参戦になりますが、自分が参戦することによって、フェザー級の戦いが面白くなるんじゃないかなと思っています。地元山口県の皆さんにも応援していただき、一緒に盛り上げたいです」と、フェザー級のジョーカー的存在になる自信を語り、対戦相手の斎藤裕について、「修斗のチャンピオンだけあって当然強いと思います。初戦で国内のトップクラスの選手と戦えることが楽しみだし、斎藤選手を倒せば、自分の実力をRIZINファンの皆さんに示すことができると思います。そして地方に、毛利道場という強いジムがあることも知ってもらいたいです」と、仕事をしながら地方からでも強くなれることを証明したいとしている。  煽りビデオで朝倉未来による「日本人選手が集まってきたので、1回、格の違いを見せたい」をの言葉が流れた後で、両者が登場。  1R、オーソドックス構えの斎藤に対し、サウスポー構えの摩嶋。左ジャブを伸ばす斎藤は右! さらに崩して回すがすぐに立つ摩嶋。四つに組んでコーナーに押し込む。いったん引き出す摩嶋。引き出させない斎藤。摩嶋は小外がけも狙うが、上になるのは斎藤。  摩嶋はシングルレッグから立つとさらにダブルレッグへ。斎藤の立ち際にバックを奪う。下で正対する斎藤。足を戻そうとするが、摩嶋はパスガード。サイドから細かいパウンドを入れる。エビを打つ斎藤はハーフからフルガードに戻す。  ヒジ無しルールでクローズドガードに入れる斎藤。コーナーまで持ち込むと上体をコーナーに立てて立つ斎藤。片足をかける摩嶋は左で差してテイクダウンしたところでゴング。  2R、サウスポー構えから圧力をかける摩嶋。右ボディアッパーは斎藤。摩嶋はヒザ着きの低いダブルレッグに入るが、それを切った斎藤は顔面に右のサッカーキック! 斎藤はさらに足を手繰ろうとする摩嶋にパウンドで足を抜き、摩嶋の頭を押さえ、左のヒザを連打! 摩嶋の身体から力が抜け、レフェリーが間に入った。  激勝を決めた斎藤は、試合後「修斗から来ました。斎藤です。こんな大変ななか来場いただきありがとうございます。これからRIZINのフェザー級もっと盛り上げますんで、もっと騒いでください」と挨拶。  アナウンサーから放送席の朝倉未来の言葉『やってやろうか』の言葉の紹介に、斎藤は『まあタイミングが合えばお願いします』とリング上で答え、未来もうなずいた。  未来は放送席で「これがフェザー級の1位の戦いでしょうか。これが1位の戦いなら、俺がやってやりましょうかね。僕もベルトを獲るので、次の大会でやります」と復帰戦とフェザー級の頂点獲りを明言している。 [nextpage] ▼第6試合 61kg契約 3分3R キックルール○原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)60.95kg/RISEライト級(63kg)王者[1R 2分50秒 KO]×大雅(TRY HARD GYM)60.90kg  キックボクシングルールで、大雅(TRY HARD GYM)と原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)の再戦が決定。両者は2018年9月のRIZINで対戦しており、ドローに終わっているため決着戦となる。  大雅2012年1月に16歳でプロデビューし、2016年にK-1 WORLD GP 2016 -60kg日本代表決定トーナメントで優勝。翌17年2月にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を奪取した。RIZINには2018年9月から参戦し、2019年7月に町田光には勝利したが5戦して1勝3敗1分とまだ本領発揮には至っていない。  原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。チャンヒョン・リー、森井洋介からも勝利を収め、2020年1月大会で秀樹を降してRISE王座に就いた。前戦は7月にヴィトー・トファネリを一蹴。殺傷能力の高いパンチと蹴りを持つ。  1R、RISEライト級チャンピオンベルトを掲げてから入場した原口。大雅のセコンドにはHIROYA。サウスポー構えの大雅。オーソドックス構えの原口は右ミドルから入る。  前足に右ローは原口。さらに右ハイは大雅がかわす。圧力をかける原口にサウスポー構えの大雅は回る。前蹴りの原口に、跳びヒザは大雅。原口も跳びヒザを返すと、ロープに詰めて左フックを見せてから右でダウンを奪う!  立ち上がった大雅に原口は詰めて左右ラッシュ。大雅がロープを背にガードを固めて右を振り返したところにカウンターの右は原口! 大雅がダウンし、原口がKO勝ち。  チャンピオンベルトを肩にリング上で原口は、「正直、2年前といまのぼくは全然違うので、でも大雅選手に(元)K-1王者の貫禄にビビることはありました。ただ大雅選手とは戦ってきた相手が違うので、負けられなかったです。僕を倒せる人がいたらどの場所でもやるのでよろしくお願いします」と自信満々に語った。 [nextpage] ▼第5試合 66kg契約 5分3R ※ヒジあり×朴 光哲(KRAZY BEE)65.95kg[判定0-3] ○青井 人(BLOWS)65.75kg  朴は、元修斗環太平洋ライト級王者&元ONE世界ライト級王者当初は4月大会で朝倉未来と対戦が予定されていたが、大会が中止になっていた。  会見で朴は、「とにかく(試合を)やることに意義がある。これで負けてもどっちみち辞めると思うので、『ロード・トゥ・朝倉未来』を目指して頑張ります」と語り、コロナ禍の練習環境について、「自分は毎日トレーニングしないと逆にダメになってしまうので、朝起きてから夜寝るまでビンビンです。コロナ前よりも絶対に強くなっていると思う」と、自信を見せている。  対戦相手の青井が2017年10月の修斗で同門のKRAZY BEEの高橋遼伍選手と対戦し、高橋が判定勝ちしていることもあり、セコンドに高橋がつくといい、「若くて勢いがある攻撃に飲み込まれないように、自分のペースで戦えるようにしたい」と語っている。  対するフェザー級環太平洋7位の23歳・青井は、2015年6月のプロ修斗デビュー戦から1分を挟み6連勝。2017年10月に高橋遼伍に判定2-0負けで左足腓骨骨折もあり長期欠場後、2019年1月の再起戦で仲山貴志に1R リアネイキドチョークで一本負け、同年7月には内藤太尊にも2R KO負けで3連敗を喫したが、2020年2月の修斗で久保村ヨシTERUを右フックで1R TKOに下し、再起を果たしている。  第5試合前に朝倉未来が解説席に登場。リングサイドでフェザー級勢の試合を見守る。  1R、ともにオーソドックス構え。いきなり大きな右を振った青井。かわした朴は左手を前に細かくステップし圧力をかけていく。さらに左を出す青井。左ジャブを伸ばす朴に右フックを被せる青井! バックステップし回る朴。  左フックを伸ばす朴、ブロッキングする青井。圧力をかけると青井は右を振って牽制。右ハイを蹴り、ワンツーで飛び込む。ブロックする朴。半身気味にジャブから入りを狙う。ジャブに右を合わせに行く青井は後ろ蹴りも。朴はしっかり自分の距離を取り直す。  左ジャブを刺す朴。右を振る青井。朴は左ボディを当て左フックを狙うと、青井も押し返して右を狙う。互いに決定打は許さず。  2R、左を振る青井。さらに右ローをチェックさせて片足にさせて左フック! 下がる朴を詰めてラッシュも朴はクリンチ。四つに持ち込み突き放す。  スタンド。右ローから入る朴。フェイントをかける朴に右ローを当てる青井。左ジャブに対し朴は右ストレートを返す。青井は左ボディを当て、右から左の逆ワンツー。近づくとヒザも突くが、朴も勇気を持って左ボディを突く。朴の右をかわして右を当てる青井。ジャブの刺し合いからワンツーで詰める青井だが朴は外す。離れ際の右フックは青井も朴は顔を流す。圧力をかけ直す朴。青井を下がらせゴング。  3R、先に走って中央を取る朴。青井は後ろ蹴りで迎撃。左ジャブを突く朴に右を返す青井はアッパーも。朴はジャブで連打を許さず。青井の左ローに右ストレートを合わせる朴。青井はスタミナ厳しいか。左ジャブを突く朴。さらにワンツーの右は朴! 青井も沈んでから飛び込んでの右狙い。さらに跳びヒザの二段蹴り狙い。さらに朴は右アッパー狙い。互いの拳が交錯する。右の関節蹴りは青井。朴も右ハイを返す。互いにジャブ、朴は得意の右を伸ばして追う。下がりながら左を振る青井もジャブから右ストレート! 左アッパーで入る青井。さらにラッシュでゴング。  試合は判定3-0で青井が勝利。妻と9カ月の愛娘の目前で敗れた朴は、リングを下りた。ベテランvs若手の厳しい試合は、朴の最後の試合となるのか。  試合後、リング上で青井は「一本・KOで勝ちたかったんですけど、レジェンド相手に実力不足でした。勝てて良しとしますが、フェザー級で戦っていくには実力不足かなと思います。また試合をしますが、ちょっと手を怪我したんで、少し時間がかかるかもしれません。今回の試合前に追い詰められましたが、ジムの代表の中蔵さんの期待に応えられるように、恩返しできるようにやっていくので、これからも応援よろしくお願いします」と語った。 ◆BAD HOPが応援ライブ  第5試合前に、リング上でBAD HOPがライブ。リング上でT-Pablowは「RIZINという格闘技に僕自身も何度も見に行ってました。3月に横浜アリーナでライブを無観客で行ったこともあり、今回、少しでも力になれたらと思いライブしました」と挨拶した。 [nextpage] ▼第4試合 59kg契約 5分3R ※ヒジあり×伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)58.85kg[2R 4分30秒 ギロチンチョーク]○神龍 誠(フリー)58.95kg/DEEPフライ級(56.7kg)王者 59kg契約では、伊藤盛一郎と神龍誠が激突。  2016年11月の「GRANDSLAM 5」での内藤頌貴戦の逆転勝利でRIZIN出場権を得た伊藤は、2017年4月に地元・横浜で開催された「RIZIN.5」で才賀紀左衛門に判定勝利。19年4月の「RIZIN.15」では58kg契約でマネル・ケイプと対戦。2Rにケイプの左ボディでTKO負けを喫している。MMA12勝中、7つの一本勝ちをマークするなど組みの強さに定評があるが、打撃の進化をどこまで見せられるか。  会見で伊藤は、「第3代ZSTフライ級王者、リバーサルジム横浜グランドスラムの伊藤盛一郎です。自分が今までZSTでやってきたことを出せば、必ず良い結果に繋がると思うので、当日はみんな瞬きする暇もないくらい動いて、自分が一番目立つ勝ち方で勝利を飾ろうかなと思います」と軽量級らしい俊敏な動きを予告した。  対する神龍誠は、アマチュアレスリングをベースにMMA10勝1敗1分。唯一の黒星は、2018年4月に現在ONEで活躍中の和田竜光に判定負けしたもので、以降、中山ハルキ、島袋チカラ、柴田“MONKEY”有哉、中村優作相手に4連勝を飾っている。那須川天心との練習で打撃を強化し、柴田戦の判定勝利でDEEP史上最年少となる18歳での王者となった神龍も7月で20歳になった。  会見では、「年末(2019年12月29日「BELLATOR JAPAN」で中村優作に判定勝利)に引き続き呼んでもらえてとても光栄に思います。そして対戦相手の伊藤選手、僕の“噛ませ”になってくれてありがとうございます。当日はありがたく、キャリア初一本、KO勝ちして勝利を飾りたいと思います」とフィニッシュしての必勝を宣言。「あと、僕の新必殺技『ウルトラジャンピング踏みつけ』が待っているので、足の甲を鍛えておいてください」と、新たな技も予告している。  ウルティモドラゴン風のオレンジの「神」マスクとマントで入場した神龍。対する地元横浜の伊藤は真紅のガウンでリングイン。  1R、サウスポー構えの神龍、オーソドックス構えの伊藤は右を振ってそのまま組みに行くが、突き放す神龍。首相撲からギロチンを狙う。右の足払いでこかす伊藤。しかしすぐに立つ神龍はスタンドバックから投げて頭から2度落とす! その立ち際をバックから背中に乗る神龍。伊藤はコーナーまで歩き、背中の神龍を押し付ける。左手でリアネイキドチョークを狙う神龍。後ろ手をはがす伊藤。脇を潜り、デフェンス。  背後からお竜ロックを狙う神龍は右でパウンド。しかし正対して落とす伊藤は頭をつけて押し込み、再び足払いテイクダウン。すぐに神龍は立つ。左で差す神龍にかんぬきで体を入れ替え、足を踏む伊藤。互いに離れて互ローキックでゴング。神龍のラウンドに。 2R、サウスポー構えから右を振る神龍に、伊藤がダブルレッグテイクダウン! しかしヒップスローから上を取り返す神龍に、伊藤はスクランブルでまた上にヴァンフルーチョークも狙う。この攻防に場内から拍手が沸く。  スタンドに戻した神龍。右で差してコーナーに押し込み、足を踏む神龍。右で差して体を入れ替えた伊藤はみたび足払いでテイクダウン。すぐに立つ神龍に大内刈も狙うも神龍は転ばず。  神龍のダブルレッグをがぶる伊藤。神龍の手繰りからバック狙いをさせずに上を取る。肩固め狙う伊藤はサイドを奪取。アームバーを狙うが、ブリッジから立つ神龍。跳びヒザ蹴りを伊藤は受けとめリフトするが、その首を取ってクローズドに入れた神龍はアームインギロチンチョーク! 引き込んで極めてタップを奪った。  神龍は「DEEPフライ級王者の神龍です。まだ若くてレベルアップするので年末出してほしいです。僕がMMAを引っ張っていきます」と堂々、エース宣言した。 [nextpage] ▼第3試合 73kg契約 3分3R キックルール○海人(TEAM F.O.D)72.05kg/シュートボクシング日本スーパーライト級(65kg)王者[判定3-0] ※30-28×3×ロクク・ダリ(コンゴ/TRI.H Studio)72.40kg  シュートボクシングの絶対的エースとして君臨する海人は、2017年6月に鈴木博昭を破ると怒涛の9連勝(6KO)を飾り、2018年11月にはS-cup 65kg世界トーナメントを全試合KO勝ちで制覇。健太、不可思、水落洋祐、ポンシリー・ポーシリポン、イ・ソンヒョン、“ブラックパンサー”ベイノアなど国内外トップクラスを撃破してきた。RIZINには2018年7月と8月に連続参戦、ウザ強ヨシヤにKO勝ち、小川翔に判定勝ちを収めている。 対戦相手のダリ(旧ルクク・ダリ)は幼い頃から柔道を学び、アフリカ・ジュニア王者になったほかコンゴ代表に選ばれたこともある。MMA転向後は吉田道場でも学び、圧倒的なパワーを誇るパンチを武器に、2018年12月には「GRACHAN」と「GLADIATOR」が認定する新タイトル「GRAND」ウェルター級王者となった。また、2016年7月には『巌流島』でミャンマーの英雄と呼ばれるトゥントゥンミンを1Rにパウンドで撃破、ミャンマーの過激格闘技ラウェイにも参戦して連勝している。  海人は「MMAファイターらしい動きだなと思っています。フィジカルもかなり強い印象です」とダリを評し、ダリの主武器である強打については「警戒は勿論していますが、当たる事は絶対にないです。カウンターもしっかり合わせて倒します」と“自分には当たらない”と語っている。  1R、ともにオーソドックス構え。左前蹴りで牽制はダリ。海人は右ローをカーフキック気味に決める。長い左を伸ばすダリ。額で受ける海人。さらにダリは左右で詰めるが海人はブロック。右のカーフキックを効かせる。  左インローはダリ。左前足を効かされたかサウスポー構えにスイッチすると、海人はじりじりと詰めてワンツーから右をテンカオで当てる。  2R、サウスポー構えで右から左フックを振るダリ。オーソドックス構えに戻すと、海人は後ろ廻し蹴りも空振り。ダリは左ボディストレート。右から頭を下げた左オーバーハンドもガード上に叩き込む。さらに右アッパーも力強い。しかし、海人はヒザ蹴りを入れると、右ロー! 嫌ったダリは前足を変えて細かい連打で詰める。  3R、オーソドックス構えから入るダリ。サウスポー構えの海人は左インロー! ダリはそこに右オーバーハンドを狙う。圧力をかける海人は左インローを連打! サウスポー構えに変えるダリは大きな左。今度は左ミドルを当てる海人が詰めて左ロー連打。ボディから顔面も狙うが、ダリは左フックをヒット。試合は判定へ。  判定は3-0(30-28×3)で海人が勝利も笑顔は見せなかった。●海人のコメント「しっくりこないというか満足できない試合をした気持ちです。試合前の印象と想像していたのはちょっと違う感じでした。パンチは思ったより重たかったので警戒しすぎた部分はありました。自分よりも重たい階級の選手なので、先に下(ロー)を効かせて崩れだしたら、パンチは体格差があるので効かせるのが難しいと思っていたのでヒザ、ハイキックで倒そうと思っていました。慎重になりすぎました」 [nextpage] ▼第2試合 58kg契約 5分3R ※ヒジあり×中村優作(チーム・アルファメール・ジャパン)57.80kg[1R 4分06秒 TKO] ※左オーバーハンドフック→パウンド○竿本樹生(BRAVE)58.00kg/ZSTフライ級(56.7kg)王者  日本拳法をバックボーンに持つ中村はMMA16勝6敗1分。2018年5月の「RIZIN.10」で那須川天心とキックルールで対戦(2R KO負け)後、2018年9月「RIZIN.13」ではマネル。ケイプにも3Rリアネイキドチョークで一本負けを喫したが、2019年3月の修斗でロドニー・モンダラに2R TKO勝利、同年6月の「RIZIN.16」では実力者トップノイ・タイガームエタイに判定勝利を収め、2019年は2連勝と波に乗ったかに見えたが、年末のBellator JAPANで神龍誠に判定負け。今回が再起戦となる。  第4代ZSTフライ級王者の竿本樹生(BRAVE GYM)が参戦。2018年5月に加マーク納に判定勝ちし、ZSTフライ級王者に輝いた竿本は、同年10月に前王者の伊藤盛一郎を2R判定で撃破。2019年は5月に佐々木亮太に判定勝利後、12月5日にはDEEPに初参戦。ケージの中でハシャーンフヒトに判定勝利。さらに2020年1月には、清水俊裕にも判定勝ちで、現在10連勝を飾っている。  1R、オーソドックス構えの中村のセコンドには石原夜叉坊。竿本はサウスポー鎌え。中村の飛び込みに距離を取りセンチャイ蹴りで牽制する竿本。フェイントを振る中村は右を振る。竿本はシングルレッグへ。ノーアームで首を取る中村に、竿本はコーナーに詰めてテイクダウン。コーナー背に尻まで着く竿本。両足を抱えるも背中は着かずブレーク。  右のハイ、前蹴りを腹はローブロー気味の中村。竿本の入りに右のテンカオを当てる。さらにワンツー! 右インローも中村。  右ボディストレートは竿本。シングルレッグは切られるが、一瞬右ボディストレートあるいはテイクダウンのモーションで頭を下げてから左オーバーハンドフック! ダウンした中村にパウンド連打し、レフェリーを呼びこんだ。  試合後、竿本は「RIZIN出るまで5年かかりました。和歌山の高校卒業し、大学行かず、BRAVEで宮田先生や先輩の背中見てここまで来れて、倒して勝てて決して忘れない日になると思いました。宮田先生、RIZINに出られるようにしてくれてありがとうございます。58-59kgのフライ級を盛り上げられるように頑張ります」と涙ながらに語り、宮田和幸代表とハグをかわした。●竿本樹生のコメント「まさか自分がKOできるとは思っていませんでした。試合前から宮田先生にKOできた左オーバーフックを教えてもらっていて、それが上手く入った感じで倒せてよかったです。左ボディを打って同じ入り方で左フックを打つ練習をしていて、意識してやったわけでなく練習通りの動きができてよかったです。(同じZST王者の)関さんが昨日勝っていたので、もし負けたら返上しようかと思っていたので勝ててよかったですね。今年24歳になるんですが、18からBRAVEで住み込みを始めて、小さいプレハブに住んでいてインストラクターをして生活しているんですが、来年からは環境に甘えず仕事しながらやっていこうかと思っています」 [nextpage] ▼第1試合 73kg契約 3分3R キックルール○松倉信太郎(TRY HARD GYM)72.75kg[1R 1分28秒 KO] ※右フック×森 興二(FJ KICKASS)73kg  松倉はK-1甲子園70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場をRISEに移し、2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも5R判定負けで王座戴冠を逃したが、2月23日のRISEではNKBミドル級王者・西村清吾から勝利を奪っている。RIZINには2018年8月に参戦し、奥山貴大にKO勝ちしている。  森はアマチュア修斗で8勝3敗の戦績を残し、2010年にZSTでプロデビュー。2013年11月には伊藤健一を破り、第2代ZSTフェザー級チャンピオンに輝いた。MMAでの12勝は全てがKO勝ち。キックボクシングの試合でも3勝(3KO)1敗と勝利は全てがKO勝ちという強打者だ。  1R、サウスポーの森はオーソドックスの松倉が最初に出したローに左ストレートを合わせる。すかさず右ミドルを蹴る松倉に森は構わず前へ出るが右フックを合わせられる。その後も右を命中させていく松倉は右で森の左腕を蹴りつつ打ち合いに行くと左フックを効かせて右のフォローでダウンを奪う。   続けて、森が立ち上がると右から入っての連打で、打ち合いに応じた森を左フックから右をフォローしてマットに沈めた。  松倉はマイクを持つと「皆さんが毎日仕事とかで戦って稼いだお金で、僕らがリングに立ててありがたくて幸せです。この先どうなるか分かりませんが、僕は世界で一番強い男を目指しているので、用意された相手を全員ぶっ倒して、見ている人が1分1秒でも嫌なことを忘れてもらえるように全力で頑張るので応援してもらえたら嬉しいです」と語った。●松倉のコメント「僕はRIZINに2回出て2回とも失神KOで勝っているので、自分の中では100点かなと思います。相手を映像で見た時は上手く戦えると思っていたんですが、KO率100%はなかなかいない選手ですから独特の距離とか当て感があって最初は焦りました。強かったです。RIZINだといい感じでKOできるので、これから先も呼んでもらいたい。キックルールで連続KOしているのは僕くらいなので」 ※当日券は、VIP指定席100,000円<特典付>、SRS指定席30,000円、2階S自由席25,000円が購入可能。 【写真】発売中の『ゴング格闘技』では、扇久保博正、朝倉海のロングインタビューに加え、堀口恭司、マネル・ケイプ、ビクター・ヘンリーが扇久保vs.朝倉海を予想!
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