「テレ・マーカー Presents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1」2020年2月11日(火・祝)東京・大田区総合体育館
▼メインイベント(第15試合)無法島GRANDPRIX決勝戦 64kg契約 BLACKルール 3分3R・延長1R×バズーカ巧樹(菅原道場/MA日本キックボクシング連盟スーパーライト級王者)判定0-3 ※29-30、29-28×2〇西岡蓮太(龍生塾/シュートボクシング日本ライト級王者)※西岡がトーナメント優勝。
7時間以上にわたるロングラン興行の最後を締めくくるのは、優勝賞金200万円と初代KNOCK OUT64kg契約BLACKルール王座を懸けた「無法島GP」トーナメント決勝戦。勝ち上がってきたのはバズーカと西岡だ。
1R、西岡がいきなり放った左ハイがヒット。一瞬アツくなったバズーカだが、すぐに冷静さを取り戻して距離を保っての左右ロー。ダメージの見える西岡の足を狙う。西岡は打ち合いを仕掛け、両者の左右フックが寸前のところで空を切る打ち合いが見られた。
2R、西岡が身体ごと叩きつけるようなワンツー。その後、両者のワンツーがたびたび交錯する打ち合いが見られる。お互いに決定打はないが、やや西岡のヒットが目立ったか。
3R、西岡がワンツーをヒットさせると、2Rと同じような打ち合いに。両者かなり大きい振りのパンチだが、西岡の左フックが当たり始める。それが繰り返される中、西岡の虚をつく左ハイでバズーカはダウン寸前に。バズーカは逆転を狙ってパンチを放つが、足元がおぼつかず転倒を繰り返す。
判定3-0で西岡が勝利。見事、無法島GPを制した。西岡はマイクを持つと「みんなやっぱり優勝する気満々の人が多くてKOが少なかったですけれど、その気持ちが僕を奮い立たせてくれてこのベルトを巻くことが出来たと思います。皆さん、気を付けて帰ってください。シュートボクサー西岡蓮太でした」と、他の7選手の気持ちが自分にも伝わって力になったと話した。
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▼セミメイン(第14試合)70.0kg契約 BLACK(ヒジ打ちなし)ルール 3分3R+延長1R〇日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS 70kg級王者)判定3-0 ※29-28×3×ダニエル・マーシャル(オーストラリア/Muay U/WKBFオーストラリア王者)
8月のKNOCK OUTで元プロボクシングOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者ジョムトーン・チュワタナ(タイ)に敗れた日菜太だが、11月大会ではラーシーシン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)を撃破。
ジョムトーンとの再戦を目指す日菜太が今回対戦するマシーシャルはWKBFオーストラリア王者で、戦績は13勝(5KO)7敗。ムエタイスタイルでディフェンスが固く、フェイントを多用して左右ミドル&ローを蹴って来るタイプ。一発の怖さはないが上手いタイプのようだ。日菜太とのミドルの蹴り合いも辞さなそう。
1R、日菜太の左ミドルにマーシャルは右ミドル&ローで対抗。日菜太はワンツーでも攻めてマーシャルにロープを背負わせたまま。マーシャルの右ミドルを腕でブロックしながらもバランスを崩す日菜太。左ローを返し、左ボディストレートで反撃する。しかし、日菜太の奥足へのローキックで度重なるローブローがあり、日菜太にはレッドカード(減点)が提示された。
2R、日菜太は左ストレートから左ミドルで攻めるが、左ローを蹴るとまたもローブローでマーシャルは座り込む。再開後、スピードのある右ストレートと右ミドルで攻めるマーシャルに日菜太は軸足蹴りを連発。そして左インローを集中させる。
3R、左インローを連発する日菜太は、マーシャルが右ミドルを蹴ると軸足蹴りも。さらに左ストレートを放つ。しかしマーシャルもタフだ。足を真っ赤に染めながらも右を蹴り返して右ストレートも放つ。日菜太がコーナーへ詰めての左ストレートをヒットさせて試合終了。
減点がなければ完勝だった日菜太。しかし、スッキリしない結末にその表情に笑顔はなかった。
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▼第13試合 株式会社H・Tハウジング Presents 61.5㎏契約 REDルール 3分5R×良太郎(池袋BLUE DOG GYM/REBELS-MUAYTHAIライト級王者)判定0-3 ※47-50、49-47、50-46〇スアレック・ルークカムイ(スタージス新宿/REBELS-MUAYTHAIライト級暫定王者)
1R、序盤は様子見となったが、残り1分になると良太郎がパンチ連打からのヒジ打ちで仕掛ける。スアレックもボディへの右ストレート、右フック強打、左フックからの右ロー。
2Rはショートの距離でのパンチとヒジの打ち合いが多くなり、必然的に首相撲の展開に。ここではスアレックがヒザを突き上げる。さらにスアレックが右フック。
3R、良太郎が右ストレートからのヒザ蹴りで攻めれば、スアレックは左右フックを打ち返す。ガードを固めて前へ出る良太郎にパンチとヒジを打つスアレックだが、ヒットを奪えずボディへパンチを打つ。良太郎も右を返すがスアレックのパンチのヒット数が優った。
4Rは組みの展開が続く。両者組んでのヒザ蹴り。スアレックは2度良太郎を投げたが、良太郎はすぐに立ち上がって向かっていく。
5R、良太郎は細かいパンチを放って前へ出るが、スアレックに巧みにコカされてしまう。かみ合わない一戦はスアレックの大差判定勝ちという結果になった。
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▼第12試合 57.5kg契約 RED(ヒジ打ちあり)ルール 3分3R・延長1R〇安本晴翔(橋本道場/WPMF世界フェザー級暫定王者、REBELS-MUAYTHAI同級王者、INNOVATIONスーパーバンタム級王者)判定2-1 ※29-28、28-29、30-29×ダウサイアム・ノーナクシン(ノーナクシンムエタイジム/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位)
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。
今年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月のREBELSでは栗秋祥梧を破りREBELS-MUAYTHAIフェザー級王座を戴冠。8月のKNOCK OUTでは古豪・駿太、10月のKNOCK OUTではWBCムエタイ日本統一フェザー級王者・新人を初回KO。11月のイノベーション岡山大会ではプレム・T.C.ムエタイも初回KOで下してWPMF世界フェザー級暫定王座を獲得して三冠王に。戦績は16勝(7KO)1敗2分。
圧倒的な強さを発揮している安本だが、今回の相手ダウサイアムは強敵だ。元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級6位で、戦績は64勝15敗1分。2017年8月に佐々木雄汰に判定勝ち、2018年3月にWMC日本スーパーバンタム級王者・渡辺優太をハイキックでKO、2019年11月には興之介を飛びヒザ蹴りで2RにTKOと日本人を相手に強さを誇る。元ランカーとはいえまだ23歳と若い、アグレッシブなスタイルのムエタイファイターだ。
1R、サウスポーの安本はまず左の三日月蹴り。ダウサイアムは右の重い蹴りをロー、ミドルと蹴る。安本はワンツーを打ち込み、ダウサイアムはヒジを繰り出す。終盤、安本が三日月蹴りの連打からパンチをまとめる。
2R、三日月蹴りを狙う安本は左ボディブローも叩きつけ、ダウサイアムは右フックを返す。余裕さえ見せる安本にダウサイアムは右ロー、安本はダウサイアムのパンチや蹴りをかわし、右ストレートを打つ。さらに後ろ蹴りも命中。
3R、右ストレートを打ち込む安本にダウサイアムは首相撲に持ち込む。離れると後ろ廻し蹴りを空振りしてからのバックハンドブロー。ダウサイアムは右の強いパンチとミドルを繰り出すが、安本も強い右ストレートを打ち返す。最後は安本が胴廻し回転蹴りを放って終了。
判定は2-1と割れたが、安本が強豪タイ人を下して5連勝を飾った。
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▼第11試合 株式会社H・Tハウジング Presents 46.0kg契約 BLACK(ヒジ打ちなし)ルール 3分3R+延長1R〇ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)判定3-0 ※30-29、30-29、30-28×祥子JSK(JSK キックボクシングジム)
ぱんちゃんは 2月のプロデビュー以来6戦6勝と無敗、12月8日の新日本キックではプロ初のKO勝ちと勢いに乗る。メディアへの露出も増えており、人気急上昇中だ。
祥子はアマチュアで試合を重ね、2012年6月にプロデビュー。出産から約6年間のブランクを経て、昨年1月にリングに復帰した。現在は2人の子どもを育てながら選手として活動するとともに、所属ジムとフィットネススタジオを代表として切り盛り。戦績は4勝6敗だが、平岡琴や佐藤レイナといった強豪たちと拳を交え、4月にはJ-GIRLSピン級王座決定戦、11月にはミネルヴァ・ピン級王座決定戦とタイトルマッチも経験している。
両者は8月の『KNOCK OUT』で対戦しており、祥子の気迫のパンチと組み技に苦しめられたぱんちゃんが判定2-0(30-28、29-29、29-28)で勝利しているが、自分の中で悔いが残る試合だったようで自ら今回の再戦を希望した。 1R、ぱんちゃんがパンチの連打で前へ出れば、祥子もパンチの連打で押し返す。ぱんちゃんはローからパンチ、前蹴りからパンチと攻撃をつなげ、後ろ蹴りも繰り出す。祥子は下がらず前へ出て右ストレート。ぱんちゃんがバックハンドブローを放つと祥子もすぐに同じ技を返す。終盤、ぱんちゃんは右ローを連打し、祥子はパンチで応戦。
2Rも右ローを連打していくぱんちゃん。祥子はパンチを繰り出すが、ぱんちゃんのローで大きくバランスを崩す。パンチから右ローで徹底的にローを蹴るぱんちゃんは右ストレートもヒット。祥子は前蹴りでぱんちゃんを突き放すが、ローのダメージは明らかに。
3R、ぱんちゃんは右ローの集中砲火、祥子が組み付いてくるとヒザ蹴り。祥子もガムシャラに左右の連打で前へ出る。ぱんちゃんは前蹴りとワンツー、そして右ロー。祥子は必死に食らいつくがクリンチが多くなる。前蹴りと徹底した右ローで攻めたパンちゃんだが祥子の粘りにまたもKO勝ちを逃し、試合終了のゴングが鳴ると首を横に振る。
判定は3-0でぱんちゃんが祥子を返り討ち。無敗記録を守ったが、KOを逃した悔しさからかぱんちゃんの表情はさえなかった。
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▼第10試合 無法島GRANDPRIX 準決勝第2試合 64kg契約 BLACKルール 3分3R・延長1R〇西岡蓮太(龍生塾/シュートボクシング日本ライト級王者)判定3-0 ※30-29×2、30-28×鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)※西岡が決勝戦へ進出。
1回戦で小川翔を延長戦の末に振り切った西岡と、与座優貴との無敗対決を激闘の末に制した鈴木が準決勝第2試合を争う。
1R、鈴木はいつものようなラッシュを仕掛けず、じっくりと落ち着いてローとミドル。西岡は得意のジャブをしっかり当てに行き、鈴木がミドルを蹴ってくるとキャッチする。西岡が打ち合いに行って右フック、左フックをヒットさせた。
2R、一発の強打を放ってくる鈴木に対して、西岡は一発目を軽くヒットさせると回転力を活かして連打をまとめる。西岡のワンツーがクリーンヒット。
3R、鈴木は右ボディストレートにヒザ蹴り、さらにタックルを仕掛けるような体勢に。前に出ようとする鈴木へ西岡が右ハイ。鈴木は倒そうとフックを振り回すがなかなか当てることができず、逆に西岡は左右フックやワンツーをヒットさせる。
有効打の数で西岡が優勝候補の鈴木にプロ初黒星を付け、バズーカの待つ決勝戦へ駒を進めた。
▼第9試合 無法島GRANDPRIX 準決勝第1試合 64kg契約 BLACKルール 3分3R・延長1R〇バズーカ巧樹(菅原道場/MA日本キックボクシング連盟スーパーライト級王者)判定3-0 ※30-26×3×古村匡平(FURUMURA-GYM)※バズーカが決勝戦へ進出。
1回戦で橋本悟をダウンさせて勝利したバズーカと、丹羽圭介を接戦の末に下した古村が準決勝第1試合で対戦。
1R、前へ出る古村は得意の右を繰り出していくが、バズーカは古村が前へ出ると右ロー、前蹴りを合わせて前進を止め、ミドルも蹴る。さらに古村に右を空振りさせてパンチを打つなどアウトボクシングに徹する。
2R、古村は前へ出てパンチを打ってくると、バズーカも打ち合いに応じる。古村の右をブロックしての左ストレート返し、パンチをまとめて打ってはすぐに離れるといったキャラクターとは真逆なうまさを見せる。古村はヒザ蹴りを突破口に一気にボディを攻めていくが、打ち合いに来たところで古村の右フックにバズーカが右フックを合わせてダウンを奪う。
3R、バズーカは序盤から打ちに行き、左フックからの右ストレートでダウンを追加。さらに左ハイで古村をのけぞらす。右フックで打ち合いに行く古村をバズーカは前蹴りで突き放し、左右ストレートの連打から右ミドル。スイッチも多用してミドルとストレートの長い攻撃で攻める。
勢いに乗るバズーカは自分のアゴを叩いて“打ってみろ”と挑発、ノーガードでステップするなどノリノリ。古村は最後に右を打ちに行ったが、ついに不発に終わりバズーカが大差の判定勝ちを収めて決勝へ進出した。
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▼第8試合 58.0Kg契約 RED(ヒジ打ちあり)ルール 3分5R×駿太(谷山ジム/Bigbangスーパーフェザー級王者)TKO 2R 2分11秒 ※ヒジによるカット→ドクターストップ〇栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)
駿太は2003年2月にプロデビューし、6月のBigbangで60戦目を迎えた大ベテラン。国内とタイのトップ選手を相手に渡り合い、戦績は36勝(14KO)21敗4分。
栗秋は九州で50戦近い試合をこなし、昨年上京するとクロスポイント吉祥寺入り。強打を武器にREBELSのエースとして活躍する。11月にはシュートボクシングに参戦し、SB日本スーパーバンタム級王者・植山征紀をヒジ打ちでTKOに破った。
両選手とも安本晴翔(橋本道場)に敗れており、安本に再び挑戦状を叩きつけるのはどちらになるのか。
1R、栗秋はハイキック、駿太はヒジ打ちを繰り出すも様子見に終わるかと思われたが、ラスト30秒で栗秋が飛びヒザ蹴りの奇襲から一気に左右フックの連打。ロープへ釘付けとなった駿太は左フックをもらってダウン。栗秋はさらにラッシュを仕掛けるが駿太はこのラウンドを乗り越えた。
2Rも栗秋は飛びヒザ蹴りをヒットさせて一気にラッシュ。駿太もパンチで応戦して右ストレートをヒットさせるも嵐のような栗秋のラッシュに襲われる。栗秋は駿太が前に出てくると右ヒジ一閃。カットすることに成功し、駿太を大流血させてドクターストップに追い込んだ。
▼第7試合 65.0kg契約 REDルール 3分3R+延長1R〇タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/元WMC世界フェザー級王者)判定3-0 ※30-27×3×鈴木真治(フジマキックムエタイジム/元J-NETWORKスーパーライト級王者)
鈴木はひたすらローを蹴り、タップロンは右ミドル、接近するとヒジ打ち。2Rに鈴木の右フックがヒットした直後、タップロンが右ストレートでダウンを奪う。
3Rも鈴木は左ローを蹴り続け、タップロンは左ミドル。鈴木のアッパーを交えたパンチのコンビネーションをもらったタップロンはすぐに右ストレートを打ち返す。
鈴木に優勢な場面をほとんど作らせず、ダウンも奪ったタップロンが判定勝利。
▼第6試合 61.0kg契約 REDルール 3分3R+延長1R×シラー・ワイズディー(タイ/Y’ZD GYM/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者、元オムノーイスタジアム認定フェザー級王者)判定0-2 ※29-30、29-29、28-29〇雅 駿介(PHOENIX/ムエタイオープンライト級王者、スック・ワンキントーン同級王者、WMC日本同級王者)
シラーは2010年に来日し、以後は日本に在住して試合を行ってきた。タイ時代にはあのブアカーオからも勝利を収めている。しばらくトレーナーに専念していたが、今年9月に新日本キックで現役復帰。WKBA世界ライト級王者・重森陽太と引き分けて40歳近い年齢ながらも健在ぶりを発揮したが、12月8日の『BOM』では梅野源治に初回TKO負けを喫した。戦績は300戦を超える。
雅はその梅野の後輩で、高校時代からキックボクシングを始め、2014年に学生キックでライト級王者に輝く。アマチュアではRISEの2014年KAMINARIMON全日本トーナメント65kg級で優勝。プロになってからはムエタイオープンライト級王者、スック・ワンキントーン・ライト級王者、WMC日本ライト級王者の三冠王になっている。梅野に続いてシラー越えを達成することができるか。
1R、前に出る雅にシラーは蹴り足をキャッチしての軸足払い、軸足蹴りで雅をコカしていく。雅はジャブから右ストレート狙いでパンチをコツコツと当てていく。
2Rになるとシラーが前へ出てきて右ミドルを蹴り、雅がそれをパンチで迎え撃つ展開に。3R、雅は組み付いていくがヒザは出せず、逆にシラーは組み付くとヒザ蹴り。前に出てミドルを蹴るシラーに雅は右ストレートとヒジで迎え撃つ。コツコツとパンチを的確に当てていった雅が判定2-0で勝利を収めた。
▼第5試合 67.0kg契約 REDルール 3分3R・延長1R×喜入 衆(NEXT LEVEL 渋谷/元ルンピニージャパン・ウェルター級王者)判定0-3 ※29-30、28-30、28-30〇峯山竜哉(WSR フェアテックス西川口/J-NETWORKウェルター級王者)
峯山は様々な団体で活躍する選手で、蹴り技とパワフルな左右フックが持ち味。なかなかタイトルに恵まれなかったが、2月のJ-NETWORKウェルター級王座決定戦で勝利を収め、王座に就いた。
喜入は29勝(5KO)35敗5分と69戦ものキャリアを持つ大ベテラン選手。当初、峯山と今大会で対戦することが決まっていたUMAと昨年12月にルンピニージャパン・ウェルター級タイトルマッチを行って敗れている。
サウスポーの峯山は左ミドルを多用して左ストレートを狙う。喜入は左へ回り込みつつ左右ローを峯山の前足へ蹴り、左フックを放っていく。同じ展開が続き、終始峯山が左ミドルでコントロールする状態となり、喜入はなかなか入ることが出来ず、峯山の勝利となった。
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▼第4試合 無法島GRANDPRIX 1回戦第4試合 64kg契約 BLACKルール 3分3R・延長1R〇鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)判定2-0 29-28、28-28、29-28×与座優貴(橋本道場)※鈴木が準決勝へ進出。
鈴木はREBELS -60kg王者・鈴木宙樹の弟で、元々はMMAファイターとしてパンクラス・ネオブラッド・トーナメント2018フライ級(56.7kg)で優勝。8月の『REBELS』でキックボクシングの試合に臨み、パワフルなパンチで初回TKO勝ちを飾ると10月の『KNOCK OUT×REBELS』ではメインイベントに抜擢。二冠王・橋本悟を1R僅か45秒でマットに沈めた。11月には耀織も2Rでマットに沈めて3戦全勝(3KO)と怪物ぶりを発揮している。
与座は2016年極真会館『第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会』軽量級を19歳で制し、2017年には軽量級世界王者に。2018年4月の第35回全日本ウェイト制選手権では中量級に階級を上げて準優勝するなどトップ選手として活躍していたが、2019年3月にキックボクシングに転向。ほぼ月イチのハイペースで試合経験を積み、7戦全勝(3KO)と無敗の快進撃を続けている。
1R開始から左右フックとヒザ蹴りで襲い掛かる鈴木。与座はこれを両腕ブロックし、ローとミドルを返していく。鈴木のラッシュが収まると、与座は前へ出てくる鈴木の右側へと回り込みながら蹴りをヒットさせていく。
2R、構えを左右にスイッチして左ミドルと左右ローを蹴る与座。ステップワークを駆使して鈴木をかわす与座だが、鈴木の前蹴りがローブローとなって一時中断。与座は後ろ蹴り、顔面前蹴りと追いかけてくる鈴木にヒットさせ、空振りを誘っての左フックも。与座はさらに胴廻し回転蹴りも見せる。
3R、鈴木の右がヒットし始め、与座の動きが止まる。クリンチに来たところで鈴木がヒザを突き上げ、モロに食らった与座はダウン。鈴木は一気にラッシュを仕掛けるが、大振りのため与座に当たらず、息を吹き返した与座が左ミドルとボディブローで反撃。鈴木がバテバテとなり試合終了。それでもダウンを奪った鈴木が判定で勝利し、準決勝へ進出した。
▼第3試合 無法島GRANDPRIX 1回戦第3試合 64kg契約 BLACKルール 3分3R・延長1R×小川 翔(OISHI GYM/WBCムエタイ日本ライト級王座、HOOST CUP日本スーパーライト級王座、蹴拳ムエタイスーパーライト級王座、REBELS-MUAYTHAIライト級王座)延長R 判定1-2 ※9-10、10-9、9-10〇西岡蓮太(龍生塾/シュートボクシング日本ライト級王者)※本戦の判定は29-30、29-29、29-29。
WBCムエタイ日本ライト級王座、HOOST CUP日本スーパーライト級王座、蹴拳ムエタイスーパーライト級王座、REBELS-MUAYTHAIライト級王座などを獲得してきた小川。これまで木村ミノル、麻原将平、高橋幸光など名立たるトップファイターに勝利してきたテクニシャン。小学生で極真世界王者に輝くなど空手のバックボーンに裏打ちされた下段蹴り(ローキック)の強さには定評があり、高い防御力とタフネスに優れている。
西岡は元々アマチュア時代から剛腕を武器にKOを量産する倒し屋。プロになってからもKO勝を狙うスタイルで将来を有望視されるSB関西期待の新星として注目を集めてきた。現在は、SBレジェンド吉鷹弘の元でメキメキ実力をつけ、4月大会でKNOCK OUT王者・不可思に圧勝、6月大会ではMA日本ライト級4位・増井侑輝からダウンを奪って判定勝ち、9月大会では五冠王・マサ佐藤を破り、6連勝と破竹の快進撃を続けていたが、12月大会で試合終了直前に町田光のバックドロップでポイントを奪われ、連勝がストップした。
1R、西岡はジャブを多用して顔面とボディへパンチを打ち分けていく。小川は右ローを蹴りつつ、西岡のボディに左フックを合わせ始める。ラウンド終了直線、西岡の連打で右アッパーが入り、小川がダウン気味に倒れる。
2R、小川は西岡のパンチをしっかりブロックして打ち返し、右ローも蹴る。西岡は顔面とボディの打ち分け、さらに連打をまとめて印象付ける。打ち合いが見られることもあるが、無理には打ち合わない両者。
3R、前に出てパンチを打ってくる小川に西岡は回転の速いパンチを連打で当てに行く。長いリーチを活かしたジャブ、ストレートが小川を捉えるが、小川も強打を返してローにつなげる。小川の右ボディを嫌がる西岡が長い距離でストレートを当て、顔面前蹴りもヒットさせて本戦終了。西岡をジャッジ1名が支持するも本戦はドロー。
延長R、グイグイと前に出る小川が西岡をコーナーへ追い詰めていき、西岡もカウンターで細かくパンチをヒットさせていく。小川は右ストレート、左フック、左右ボディと強打を決め、西岡はコーナーを背にしながらもカウンターの左フック、右ストレート。全身で打つような右ストレートをヒットさせ、小川も最後まで退かなかったが、判定2-1の僅差で西岡が準決勝へ進んだ。
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▼第2試合 無法島GRANDPRIX 1回戦第2試合 64kg契約 BLACKルール 3分3R・延長1R×丹羽圭介(TEAM ニワールド/REBELS63kg級王者)判定0-3 ※29-28、28-29、28-29〇古村匡平(FURUMURA-GYM)※古村が準決勝へ進出。
古村は11月に開催された『KNOCK OUT 2019 BREAKING DAWN』の育成枠で出場した古村光の実兄で、5歳から空手を始め、中学卒業後に上京。2016年アマチュアムエタイ54㎏級金メダル獲得。2017年に17歳でプロデビュー後、戦績は14勝(7KO)1分と未だ負けなしの20歳。2019年9月にはタイ・ラジャダムナンスタジアム『スックチューチャルンムエタイ』に参戦し、兄弟揃って勝利をもぎとった。
丹羽は日本拳法を経てキックボクシングに転向し、2010年2月にプロデビュー。RISEで11連勝を飾るなど活躍後、フリーとなって様々なリングに参戦。2018年10月からはREBELSを主戦場にして、2019年4月に王座決定トーナメントを制してREBELS 63kg王者となった。8月のKNOCK OUTでは大月晴明を降したが、12月には勝次に敗れた。
1R、丹羽はジャブ、ロー、前蹴りで距離をとった戦い。古村は右ストレートで打ち合いを仕掛けてくるが、丹羽は打ち合っても頭を振って右をかわし、逆に自分の右を打ち込む。ジャブを的確に当て、連打を細かく当てていく丹羽。一発を強く打つ古村の空振りを誘う。
2Rもジャブと前蹴りで距離を取りつつ、パンチを的確に当てていく丹羽。古村の右をかわしてのパンチが連打で決まる。しかし2R後半、古村がヒザを多用し始めると丹羽の動きが鈍り、ついにパンチを被弾する場面も。
3R、丹羽は再びジャブとジャブを当ててからの連打。古村の右を頭を振ってかわしての右をヒットさせる。古村は組み付いてヒザを蹴るが、首相撲で投げてしまいイエローカードに。古村は左ミドルを蹴っていき、手数の減った丹羽を追い込むが最後は丹羽もパンチを放って反撃。
判定は2-1と割れ、古村が勝利。予告通りの番狂わせを起こした。
▼第1試合 無法島GRANDPRIX 1回戦第1試合 64kg契約 BLACKルール 3分3R・延長1R〇バズーカ巧樹(菅原道場/MA日本キックボクシング連盟スーパーライト級王者)判定3-0 ※30-26×3×橋本 悟(橋本道場/MuayThaiOpenスーパーライト級王者、INNOVATIONライト級王者)※バズーカが準決勝へ進出。
バズーカはMA日本キックボクシング連盟をホームリングに様々な団体で活躍。特にKrushやK-1では6勝(4KO)1敗という好成績を残した。2019年12月の新日本キックでは2019年KTK 64kg級王者イ・ボムギュ(韓国)を降している。今大会では倒し屋が集った「無法島GRANDPRIX」に参戦し、トーナメント1回戦では“激闘大魔神”橋本悟と対戦する。記者会見や公開練習ではトーナメント参加者の中で随一の“殺気”を漂わせていた。
橋本は“激闘大魔神”の異名を持つアグレッシブファイターで、右ストレートを武器に様々な団体で活躍。MuayThaiOpenスーパーライト級王座、INNOVATIONライト級王座の二冠を持つ。昨年10月のKNOCK OUTで鈴木千裕に秒殺KO負けを喫し、今回のトーナメントに背水の陣で臨む。
バズーカが額と額をくっつけてのにらみ合いを仕掛けると、公開練習では笑って無視した橋本もにらみ合いに応じた。
1R、飛び蹴りの奇襲をかけたバズーカだが、これは橋本が余裕でかわす。サウスポーのバズーカは左ミドルとヒザ蹴りで前へ出てくる橋本を迎え撃ち、スイッチして右ローを蹴る。下がりながら距離を取って蹴りを当てていくバズーカに橋本はなかなか得意のパンチを当てられない展開。
2Rになると橋本は連打または右ストレートを伸ばして接近し、パンチをまとめてバズーカに当てていく。バズーカも思い切りのいい右ストレートを打ち返し、打ち合いになる場面も。橋本ペースかと追われたが終盤にバズーカが左ハイからの右ストレート。
3R、スイッチを多用するバズーカは左ハイをヒットさせ、ストレート3連打でダウンを奪う。再開後、左右フックで逆転を狙う橋本は左フックをクリーンヒットさせてラッシュを仕掛けようとしたが、バズーカが逃げ切って判定勝ち。準決勝へ駒を進めた。
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【第1部】
▼第5試合 無法島GRANDPRIXリザーブマッチ 64.0kg契約 BLACK(ヒジ打ちなし)ルール 3分3R・延長1R×一輝(OGUNI-GYM/第5代NJKFライト級王者)TKO 3R ※レフェリーストップ〇大谷翔司(スクランブル渋谷)※大谷がリザーバーに決定。
1Rから果敢に得意の右で攻めていった一輝だが、ラウンド終盤に打ち合ったところで大谷の右フックでダウンを奪われる。ワンツーを放って前へ出る一輝に大谷は右ローと右ストレートを何度も当て、一輝は足が流れる。3Rには大谷が右ローの連打からの右ヒザでダウンを追加、大谷が右の連打で一方的に攻め、一輝が前へ崩れ落ちたところでレフェリーがストップした。
▼第4試合 57.5kg契約 REDルール 3分3R×浦林 幹(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKバンタム級王者)TKO 3R ※レフェリーストップ〇龍聖(TRY HARD GYM)“HIROYAが送り込む刺客”として8月のREBELSに参戦し、強打で2R53秒、渉生にTKO勝ちした龍聖。今春、高校を卒業して大学に進学し、これからプロ活動にも力を入れていくという。3戦目(2勝2KO)にして元J-NETWORK王者の浦林との対戦を迎えた。
1R、飛びヒザ蹴りを仕掛ける龍聖は左右ミドルと左右ハイ、そこからパンチにつなげるスピードのある攻撃。浦林を翻弄して左フック、ワンツーで2度のダウンを奪った。
2R、龍聖は飛びヒザ蹴りから左右連打のラッシュで浦林をロープへ釘付けにしてスタンディングダウンを奪うと、左の三日月と左ハイの連続蹴り、さらに前蹴りとヒジでの逆転を狙う浦林を翻弄。最後は右ハイからの右ストレートをジャストミートさせてダウンを奪ったところで、レフェリーが試合を止めた。▼第3試合 55.5kg契約 BLACKルール 3分3R×大川一貴(青春塾)判定3-0 ※28-29、28-30×2〇森岡悠樹(北流会君津ジム)
サウスポーで広いスタンスで構える大川に、森岡は前足への右ローと右ミドルを連発。右ストレートとテンカオも放って優勢に。2R以降は大川がヒザに右を合わせ、潜り込んでのパンチをヒットさせるが、森岡の右のパンチと右ミドルを被弾する場面が多く森岡の判定勝ちとなった。
▼第2試合 57.5kg契約 REDルール 3分3R〇千羽裕樹(スクランブル渋谷)TKO 2R ※セコンドからのタオル投入×渉生(アントジム)
サウスポーの渉生は左ミドル、千羽は右ロー。両者首相撲になっても激しくヒザを蹴り合う。最初から飛ばした渉生だったが、1R終盤になると被弾し始め、千羽の右ストレートでダウンを奪われる。2Rには右ヒジ直撃、その後にワンツーで強烈なダウンを喫し、タオルが投入された、千羽が鮮やかなTKO勝ち。
▼第1試合 47.0kg契約 BLACKルール 2分3R×荒井穂乃香(DRAGON GYM)※28-30、27-30、28-30〇山上都乃(WSRフェアテックス湖北)
1Rから前へ出るのは山上。右ストレートとローキックでたびたび荒井をコーナーへ追い詰めていくアグレッシブファイトで判定勝ちした。