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2020年2月11日(火・祝)東京・大田区総合体育館にて開催される『KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1』で、REBELS 70kg級王者・日菜太(クロスポイント吉祥寺)が、WKBF豪州王者ダニエル・マーシャル(豪州/Muay U)と対戦する。
2019年8月のKNOCK OUTで元プロボクシングOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者ジョムトーン・チュワタナ(タイ)に敗れた日菜太だが、11月大会ではラーシーシン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)を撃破。
リベンジを狙うジョムトーンが2020年1月5日にラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王座に就いており、日菜太がジョムトーンとの再戦を実現させるためにもマーシャル戦は重要な一戦となる。
KNOCK OUTのインタビューでは、「何か新しいことを常にやっていることが強さに結び付くのではなく、ずっと同じことをやり続けていることに強さがあると僕は思っている」と、日々の積み重ねのなかにこそ強さが宿るという日菜太。
大田区大会の主役として、「誰が見ても確実に“日菜太が勝ったな”と思ってもらえるような勝ち方をしたい」「(1.4-5新日本プロレス東京ドーム大会を観戦して)あれだけのお客さんを埋めるなんて凄い。自分が唯一出ていない大会場は東京ドーム。最後にそういう舞台を踏めるように頑張る」「年内には地元の湘南に自分のキックのジムをオープンしたい」と、KNOCK OUTを牽引する意気込みを見せた。
――昨年は4戦して3勝(1KO)1敗でしたが、1年を振り返るとご自身にとってどういう年でした?
「今年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会出場を目標に掲げて頑張ってきたのですが、8月にジョムトーンに負けたことで強くアピールすることができなくなったのであまり良くなかったですね。勝ち負けが凄く大事なこの世界でいいところで負けてしまい、悔しかったです。その分、11月の再起戦のタイ人(ラーシーシン・ウィラサクレック)は凄く強く、未だに蹴った自分の足が痛かったりとまだダメージが残っていたりするぐらいの相手でしたが、激闘の末に勝利することができました。次の試合ではいい勝ち方をするためにも、いいコンディションを作っていきたいですね」
――ラーシーシン戦を振り返ってもらいたいのですが、自分のやりたいことはやれた試合でした?
「2月に対戦したシップムーン・シットシェフブンタム、そしてジョムトーンも含めて、やはりうまいタイ人や強いタイ人というのは、なかなか自分のペースに持っていくことが難しいなと。5Rかけてどこまで攻めることができるかなと思ったのですが、思ったよりもうまく組まれてしまって自分のやりたいことが終盤はできませんでした。でも昨年に3人のタイ人選手と対戦して感じたことは、相性は悪くないなと。むしろvsタイ人に関しては強いんじゃないかと思いましたね。攻略の難しさを感じたこともあったのですが、僕の攻撃はタイ人に間違いなく効きます。一発逆転を狙ってくるヨーロッパ系の外国人選手と比べると、対タイ人だと試合を作りやすかったとも思いました」
――ジョムトーンへのリベンジに向けて、ラーシーシン戦での収穫はありました?
「ラーシーシンとは5Rかけてやってみようと思い、実際にフルラウンド戦ってスタミナ的にも全然問題なかったので、改めてジョムトーンと5R制でやれば次は絶対に勝てるなと思いましたね。前回ジョムトーントとの初戦は3Rでしたが、もう1Rあれば僕が間違いなく勝っていたと思いますし、1Rに様子見の段階でジョムトーンにダウンを奪われたことが誤算でした」
――ジョムトーンは1月5日にタイ・ラジャダムナンスタジアムのメインイベントでラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王座に就き、4階級を制覇しました。さらにリベンジしがいのある相手になりましたね。
「ネットでそのニュースを見たのですが、タイトルが“日菜太に勝ったジョムトーンが約9年ぶりにラジャ王座返り咲き4階級制覇”でしたよね。ああいう書き方をされたのが嫌だったので(苦笑)、今年は必ずリベンジして、あの負けがなかったことになるような勝ち方をしたいと思います。そして、僕が考えている世界三強のシティーチャイ、ジョルジオ・ペトロシアン、チンギス・アラゾフの誰かと最後に戦えたら、と思います」
――そんな中で今年初戦の相手、ダニエル・マーシャルとの対戦が決まりましたが、相手の印象を教えて下さい。
「映像を少ししか見ていないのですが、うまい選手かなと。僕がやるべきことは昔から変わらず、相手に合わせてこうやるということではなく、自分の試合を作っていくことに専念するだけです。その上で、今回は3Rしかないのでしっかり倒しにいこうと思います。僕は倒し切った試合はあんまりありませんが、手数は出しているのでそこをしっかりつなげていき、攻める試合をして、誰が見ても確実に“日菜太が勝ったな”と思ってもらえるような勝ち方をしたいですね」
――今後に向けて、今回試したい技はありますか?
「何か新しいことを常にやっていることが強さに結び付くのではなく、ずっと同じことをやり続けていることに強さがあると僕は思っているので、そういう意味での強さを見せたいなと思いますね」
――今年初戦がKNOCK OUTのリングになりましたが、今後KNOCK OUTをどうしていきたいですか。
「満員の観客がいる場所にしていきたいですね。しっかりと僕がいい道を作っていき、早く後輩たちがしっかり会場を埋めてくれるようになって欲しいですね。自分が出る興行にお客さんが入らなかったら意味がないと思いますし、自分が出る場所にお客さんを呼ぶのが選手としてプロだと思います。選手一人一人が300人のお客さんを呼べるような舞台にしていければ、10人の選手が出て5試合だけで大田区総合体育館が満員になります。これから選手たちがみんなそうなれるようになってほしいですね。格闘技をやっているみんながハッピーになるためには、一人が出たら何百人ものお客さんが来て、興行チケットがソールドアウトになること。そういう興行を目指していきたいですし、そんな団体にKNOCK OUTやREBELSになってほしいなと思っています」
――日菜太選手のようにチケットを売るために頑張っている後輩はいますか?
「いないです(苦笑)。でも、これからまだ僕が続けている間は、こういうふうにやっていると全部伝えていきたいですね。自分のように、チケットを購入してくれた人には何か特典を付けるといったことを後輩も少しずつ真似してくれているので何かしらいい影響になっているのかなとも思いますね。こういうことをもう6、7年もやり続けている人は僕以外にいません。途中で止めてしまう人もいますが、やり続けることの強さ、大切さをわかってもらえたらいいなと思います」
――ちなみに今回の日菜太選手のチケット特典は何でしょう?
「アクリルコースターが付いてきます。前回はアクリルのスマホスタンドで、毎回特典が変わってるのでぜひ僕のツイッターをチェックしてください」
――その先には1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会出場が目標ですが、今年観戦に行かれたそうですね。やはり刺激になりました?
「そうですね。あれだけのお客さんを埋めるなんて凄いなと思いました(1月4日、5日の2日間の観衆合計は7万17人)。観戦していて、ますます出たいと思いましたね。満員の中での歓声は凄いですし、雰囲気が凄い。自分が唯一出ていない大会場は東京ドームです。最後にそういう舞台を踏めるように頑張るだけです。ちなみに、上のスタンド席で見ていたのですが、あれだけでかいレスラーが凄く小さく見えたので、東京ドームでキックの軽量級の試合は難しいなと思いましたね。ヘビー級、もしくは最低でも僕のミドル級ぐらいじゃないと迫力は伝わりにくいのかなと」
――日菜太選手のドーム出場アピールに関して、最近のプロレスファンから反応はどうですか?
「会場では特に声をかけられることはなかったのですが、最近SNSではプロレスファンは僕のことを叩いてくるわけでもなく、頑張って欲しいと言ってくれる人もいるので、これも言い続けることによって少しずつ変わってきているのかなと思いました。そして言い続けることによって実現させることが大事だと思いますね。これで僕が東京ドームに上がることになれば、KNOCK OUTとして東京ドームが使えることがあるかもしれませんし、プロレスの試合の合間にキックの試合が1、2試合あってもいいんじゃないかなと思います」
――今後が楽しみですね。
「僕はこの歳になっても色んなことに挑戦し続けたいと思っています。現状維持は退化してしまうので、何か新しいことをしないと終わってしまいます。同じことを続けることも大事ですが、同じことを続けつつ色んなことに挑戦していきたい。あと、年内には地元の湘南に自分のキックのジムをオープンしたいと思っています。色んなところで言っているので、言っている以上はやらなきゃいけなくなります」
――選手をやりつつジムも経営もされるんですね。
「キックをやってそのファイトマネーだけで生活をしていくことと、ジム経営をしてお金をもらうことがクロスする、今はいい時期かなと思うんです。今キックを辞めますといって1年後にジムをオープンするといってもファンは相当離れてしまいます。応援してくれる方がまた応援したいと思ってくれるようなものをずっと提供していきたいと思います。まずは次のダニエル戦。“大田区は日菜太”とずっと去年から言い続けていて、今年大田区大会に僕が出るときには会場を満員になれるように全力を尽くして頑張るので、皆さんはぜひ会場に来て応援して下さい」