2020年1月26日(日)、東京・後楽園ホールにて、プロフェッショナル修斗公式戦「PROFESSIONAL SHOOTO 2020 Supported by ONE Championship」が開催された。
▼第8試合 メインイベント 世界ストロー級チャンピオン決定戦 5分5R
×小巻洋平(同級1位/リライアブル)52.0kg
[2R 4分53秒 リアネイキドチョーク]
○箕輪ひろば(同級2位/総合格闘技道場STF)52.1kg
※箕輪が新王者に
メインイベントは、小巻洋平と箕輪ひろばのストロー級世界タイトルをかけた因縁の試合。両者の対戦はプロアマ含め今回で4度目。戦績はアマ時代に小巻が1勝、プロでは箕輪が2勝。いずれの試合も攻守が目まぐるしく変わる熱戦の末、箕輪がKOと一本勝ちで小巻を完封している。しかし、2018年に行われたインフィニティリーグ公式戦では僅か1ポイント差で小巻が逃げ切り優勝。箕輪は2位で幕を閉じた。そして、世界ランキングでは現在小巻が1位、箕輪が2位と直接対決では勝利しているものの、ランキングでは逆転現象がおきている。今回はここへ更に世界タイトルがかかった格闘家人生を懸けた大一番を迎えるだけに、今まで以上の熱戦が期待される。
52.1kgで前日計量をパスした箕輪は、「明日は自分の小学生の頃からの夢を叶えて、この大会に少しでも貢献できるように頑張ります。応援よろしくお願いします」と決意表明。対する小巻は52.0kgでパス。「ベルトについてはいろいろあると思うんですけど、箕輪さんは滅茶苦茶強くて2回やられてるんで、これで返して全部チャラかなと思っているので、明日は熱い試合をするので、応援をお願いします」とリラックスした笑顔で熱戦を予告した。4度目の正直で、最後にベルトを巻くのは小巻か、箕輪か。
1R、ともにオーソドックス構え。低い手の構えから圧力をかける小巻。右ローも当てていく。箕輪もローを返すがその蹴り足を取られ、右を被弾する。左目を赤くする箕輪。
2R、先にシングルレッグは小巻、片足立ちでケージ凌ぐ箕輪は体を入れ替え左で差して金網に押し込むとダブルレッグから尻下でクラッチし持ち上げテイクダウン! ガードで凌ぐ小巻が立とうとするところをなおもダブルレッグテイクダウン!
肩固め狙いつつパスガードを狙うが、脇差し立ち上がる小巻。そこをがぶり引き落とす箕輪は、その際でバックへ! 足をかけチョークを狙いながらバツクマウントを奪った箕輪は強いパンドラッシュ! 小巻が出血するなか何度か腕を入れ替え、リアネイキドチョークを極めた。
悲願のベルトを巻いた箕輪は、涙を流しながら「あと少しで、やっとここに来ることができました。ありがとうございます!すごい長くて……諦めそうにもなったし、もう辞めたいって言ったこともあるんですけど、応援してくれる皆さんのおかげでどうにかここに来ることが出来ました。ありがとうございます。このベルトに恥じないような戦いをしていきたいと思います。応援、よろしくお願いします。ジムに入って、最初に観た修斗の試合で勝ったのが山上(幹臣・元修斗世界フライ級王者)さんの試合でした。その背中を追いかけてここまで来ることができました。ありがとうございました。最後に一言、修斗やってて良かったぁ!!」と叫んだ。
▼第7試合 セミファイナル 環太平洋フェザー級チャンピオンシップ 5分3R
×TOMA(2度目の防衛戦/TK68)65.8kg
[判定1-2]※30-27,28-29×2
○仲山貴志(挑戦者・同級2位/総合格闘技津田沼道場)65.8kg
セミには環太平洋フェザー級王者・TOMAが挑戦者に仲山貴志を迎える2度目の防衛戦がラインナップ。2017年3月の対戦では、仲山が試合終了間際にTOMAの首を捕らえ、大逆転勝利を収めており、王者・TOMAにとってはタイトルを懸けた因縁の相手へのリベンジマッチとなる。
挑戦者・仲山は、2018年3月に山本健斗デリカットに1Rギロチンチョークで一本負けも、2019年1月に青井人に1R チョークで一本勝ち。続けて7月に稲葉聡に判定3-0で勝利し、今回の王座挑戦にこぎつけた。65.8kgで計量をパスすると、「年末年始のいろいろと忙しいなか、たくさんの人が練習に付き合っていただいたおかげでばっちり仕上げることができました。明日はTOMA選手と熱い修斗をして、津田沼にベルトを持って帰りたいと思います」と、総合格闘技津田沼道場のチームメートにベルトを持ち帰ることを宣言。
対する王者・TOMAは、2018年6月に山本健斗デリカットを相手に1R KO勝ちで第9代環太平洋フェザー級王座を獲得。2019年6月30日の大阪大会では高野明を判定3-0(30-27、30-29、30-28)で下して初防衛に成功しており、今回が2度目の防衛戦となる。
65.8kgで計量をパスしたTOMAは、「明日はベルトとか関係なく、仲山選手にこの前負けた悔しさを晴らす、120倍くらいにして返そうかと思います。応援よろしくお願いします」と、敗れた相手に倍返しでのリヴェンジを誓った。環太平洋王座戦を制するのは極めの仲山か、打のTOMAか。
1R、TOMAの前足に左右ローを突く仲山。サウスポー構えのTOMAは左ハイもその蹴り足を掴んだ仲山がテイクダウン。しかしTOMAもヒジを打ち蹴り上げすぐに立つと左ストレートを当てる。TOMAの蹴りに右のオーバーハンドは仲山。
2R、サウスポーから右ローはTOMA。仲山はダブルレッグテイクダウントライから離れ際に打撃を狙う。さらにオーソドックス構えからサウスポー構えのTOMAに右ミドルを当てる仲山!
3R、テイクダウントライを再三仕掛ける仲山。切るTOMAはそこでパウンドを入れるも、仲山もすぐに立つ展開。TOMAの打ち終わりに左を当てる仲山! しかし仲山のシングルレッグを潰してその立ち際にTOMAもパウンドを入れる。判定は2-1でカウンター待ちのTOMAに対し、仕掛けた仲山に軍配が上がった。
新王者となった仲山は「寒いなかご来場ありがとうございました。新チャンピオンの仲山です(笑)。練習を支えてくれた、関わってくれたすべての人に感謝します。最近になって仲間を信じることが分かってきました。もう30ですけど(苦笑)。昔、田村さんが持っていたベルトを津田沼に持って帰ることができて嬉しいです。いろいろやることはあるんですけど、修斗は世界一だと思ってるんで、引き続き応援よろしくお願いします」と語り、セコンドの田村彰敏とがっちりハグをかわした。